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フランス語の扉を開こう~ペンギンと

d’ailleurs の訳し方のコツ~翻訳講座第12回前半

鉛筆削り

清水先生の翻訳講座、第12回の受講メモです。この回は、水林章先生の「メロディ」~翻訳講座第11回前半で紹介した、「メロディ」の課題文の解説の続きです。

前回の記事、フランス語独特の流れ~翻訳講座第11回後半にのせたゴヤの犬の絵を見て、著者が思っていることを書いている箇所。

12回では課題の中の第3パラグラフを扱っています。

絵の説明から、だんだん著者の気持ちの説明に入っていくところですが、難しいですね、ここ。

きょうは、知っておくとすぐに翻訳や和訳に使えそうな d’ailleurs という単語の訳し方をシェアします。

会話にもよく出てくる d’ailleurs

この単語は虎と小鳥のフランス日記」にもよく出てきます。

たとえば 第34話 パリのオペラ地区の日本人街「虎と小鳥のフランス日記」では、

D’ailleurs, comme j’ai faim euh…j’aimerais bien jeter un petit œil.
おなかすいているし、ついでに何か(食料品に)見に行きたいわね。

こんな会話がありました。

この d’ailleurs の説明として、「今話してることや、やっていることから、少し脇にそれる感じ。おまけに、とか、ちなみに、とか、そういえば、とか、訳語はいろいろ考えられます」と書きました。

きょうはもう少しくわしく d’ailleurs を検証しましょう。

ailleurs 単体の意味

「他の場所に、よそに」という意味です。

Si tu ne trouves pas le journal dans le salon cherche ailleurs.
新聞が居間になければほかを探しなさい。

d’ailleurs ailleurs 単体の意味が反映されているもの

ailleursが、他の場所という意味そのものの場合

gens (venus) d’ailleurs
他国から来た人、よそ者

この意味で使われるものは、わりと決まった表現が多いです。

いろいろな訳語の考えられる d’ailleurs

考え方:たとえば、「これはAです。そういえば、Bもあるけど」という文がある場合、「そういえば」に当たるのが d’ailleurs

つまり、Aということを話したあとに、別のことも言っておきたいので、その別のこと(B)を言う前に、つなぐ言葉です。

この時、AとBの関係はあいまいであり、その関係性は多分に聴き手の判断にまかせられています。

だから論旨をはっきりさせたい文章でd’ailleursを使うとぼけます。意識的にあいまいにしたい場合は別でしょうが、私たち学習者が使うと失敗しそうです。

関係性があいまいな、別のことを持ち出す前に使う言葉なので、「脇にそれる」「視点を変える」という現象が生まれます。

d’ailleurs はある特定の意味を持った言葉というより、AとBをあいまいにつなげてる記号ぐらいに思って、その文章の中でどんな機能を果たしているのか見きわめてから、訳語を考えるといいと思います。

辞書の例文

1.それに、そのうえ、しかも

Tu as assez regardé la télévision, d’aillerus il est l’heure de te coucher.
テレビはもう十分見たでしょ。第一、寝る時間ですよ。

お母さんが子どもにテレビを見るのをやめてほしいから、理由をつけて説得しようとしています。

Aの理由 テレビはもうさんざんみた。
Bの理由 もう寝る時間である ← もう1つのおまけの理由

2. もっとも、ただし、しかし

Ils m’ont dit tout ce qu’ils voulaient; je m’en moque d’ailleurs.
彼らは私に言いたい邦題だったわ。もっとも、私は気にしてないけど。

A:人にひどいことを言われた。
B:私は気にしていない。←付け加えている

この文章の場合、どちらも同じぐらい言いたいことなのかもしれないし、Bのほうを特に強調したいのかもしれません。

それは文脈があればわかるのかもしれないし、文脈があっても、聞いている人の判断に任せられるのかもしれません⇒AとBはあいまいな関係

3.確かに~だが

Cet écrivain, célèbre d’ailleurs, n’est pas bien accueilli par les critiques.

確かにこの作家は有名ですが、批評家には評判がよくありません。

A:この作家は有名だ。
B:この作家は批評家には受けがよくない。

有名ということと、批評家に受けないということは相反することに近いので、逆接の意味の「だが」を使っています。また、célèbre d’ailleurs は文の中に挿入されているので、「確かに~だが」とひとくくりした訳語になっています。

この場合、「批評家には受けがよくない」ということを言いたいのだと思います。

課題文に出てきた d’ailleurs

Il n’y a en tout cas,dans ce désert, dans ce paysage de la désolation qui est la négation même du paysage, aucune trace d’homme.

Quel homme, d’ailleurs, pourrait vivre dans une telle vacuité ?

いずれにせよ、この荒涼とした景色の、風景の否定そのものである荒廃した風景のなかには、人間の痕跡は見当たらない。

そもそも、どのような人間がこのような虚空のなかで生きていけるというのだろうか?(清水先生の訳)

A:この絵に描かれている景色の中には人がいないようだ。
B:たとえ人がいたとしても、生きていけはしないだろう。

これは、上の辞書の例文の2に近いですね。
AにBを付け加えています。

いかがでしたか?

d’ailleurs が示すものは「AとBのあいまいな関係性」、あるいは、Aを言ったあとに、ちょっとBのことも言っておきたいので、「あ、これからちょっと違うことも言うけどね」という意味、と捉えておくと、自由に、またその場に最適な訳語をあてることができると思います。

今度 d’ailleurs が出てきたら、「あ、なんか付け加えようとしているのね」と思って、訳してみてくださいね。

それでは、翻訳講座の記事、次回が最終回です。

お楽しみに。

★このシリーズの目次はこちらです⇒翻訳者養成講座関連記事の目次

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