国虎屋パリ

虎と小鳥のフランス日記

オペラ地区で聞くジャズ・マヌーシュ「虎と小鳥のフランス日記」第115話

新しい虎と小鳥のフランス日記が配信されました。

第115話はオペラ地区が舞台です。ここは日本人街があるところ。日本人留学生の心のふるさとと言えるかもしれません。

オペラ地区に、国虎屋(くにとらや)という高知県の有名なうどん屋さんのパリ店があります。ここで、日曜の夕方に行われているジャズ・マヌーシュのライブにカミーユが出向きます。彼女も歌っておりましたよ。



ジャズ・マヌーシュのライブ

きょうはサンプルビデオ部分のフランス語を学習しました。

ディクテをやってみたのですが、私的には、この冒頭に難しいところが集中していました。

41秒

★2015/01/24追記
「虎と小鳥のフランス日記」の配信が終了したため、サンプル動画も削除されました。あしからずご了承ください。

カミーユがジェスチャーを交えて、

「帽子やコート必須だったわ。」

と話してるところ、難しくないですか?私は、ディクテでここが壊滅的にできなかったです。

サンプル部分のスクリプトと和訳

Je suis dans le quartier de l’Opéra, avec l’Opéra juste derrière moi.

On était déjà venus, il faisait d’ailleurs très très froid.

Je sais pas si vous vous en rappelez, j’avais un bonnet avec des petites oreilles et un énorme manteau.

Là, c’est loin d’être le cas. On va aller voir, euh…un ami japonais, qui vit à Paris depuis quelques années, et qui est guitariste de jazz manouche.

オペラ地区にいます。うしろにオペラ座があります。

ここは以前来たことがあります。ものすごく寒かったですね。

皆さんが覚えているかどうかわかりませんが、耳あてのついた帽子と厚手のコートを着てました。きょうは、全然違います。

これから日本人の友人に会いに行きます。彼はもう何年もパリに住んでいるジャズ・マヌーシュのギタリストです。

前回オペラ地区に来たのは第34話のエピソードでのことです。

そちらもサンプルビデオをごらん下さい。同じ通りを歩いています。

★2015/01/24追記
「虎と小鳥のフランス日記」の配信が終了したため、サンプル動画も削除されました。あしからずご了承ください。

un bonnet avec des petites oreilles とはこの帽子のことですね。

34話の内容についてはこちらで書いています⇒パリのオペラ地区の日本人街「虎と小鳥のフランス日記」第34話

サンプル部分のフランス語の文法解説

※初級文法のおしまいのほうで習う文法なので、習ってない方は飛ばしてください。

大過去

On était déjà venus, il faisait d’ailleurs très très froid.
ここには来たことがありますね。そのときすごく寒かったです。

On était déjà venus
était venus は大過去です。
大過去は過去のある地点より前の過去を言い表す時制です。

和訳では「前に来たことあります」と、ふつうの過去なのですが、フランス語では、今回「オペラ座に来た」地点での過去よりもう一つの過去、という意味あいで大過去になっているのです。

べつのエピソードでも「ここ前に来たことあるわね」と言うとき、大過去になっていたので、「そういうときは大過去を使うんだ」、と覚えてもいいかもしれません。

大過去の形は助動詞(êtreかavoir)の半過去形+過去分詞

これは複合過去(助動詞+過去分詞)より、一つ前に(過去に)なった時制です。

venuはvenir(来る)の過去形で往来発着の動詞なので助動詞にêtreを使用。
êtreを使うときは過去分詞が主語に性数一致します。

主語のonは口語でnousの代用なので、複数扱いとなり、過去分詞が主語の数に一致しています。

半過去

il faisait d’ailleurs très très froid
ちなみに、そのときすごく寒かったです。
faisait はfaire の半過去

この文は天候を表す非人称構文です。
現在形にすると Il fait froid.

次の、j’avais un bonnet(帽子をかぶっていた)も、過去の状況を表す半過去です。
avais < avoir

半過去について詳しくはこちらを⇒33:L55 半過去

天候は状況の説明なのでふつう半過去ですね。

間接疑問を導くsi

Je sais pas si vous vous en rappelez
皆さんが覚えているかどうか知りませんが

Je sais pas 私はわからない
よく出てくる Je ne sais pas のneの省略。

si は「~かどうか」
間接疑問節を導くsiと呼ばれますが、こんな感じで使われるsiです。

Je ne sais pas si elle m’aime.
彼女が私を好きかどうかは私にはわからない。

Dis-moi si tu viens.
来るのかどうか、言ってよ(教えてよ)。

その次に vous vous と2つ並んでいるので、一瞬ビクッとしますが、最初のvousはあなたが(主語)、次のvousは se rappeler(思い出す、覚えている)という代名動詞の再帰代名詞部分のvous です。

代名動詞についてはこちら⇒27 : L49 代名動詞 その1

vous の次にあるenは中性代名詞で「前に来た」そのことをさしています。
enについてはこちら⇒29 :L51 中性代名詞 en と y

「その時とは全然違います」

Là, c’est loin d’être le cas.
今は全然違います←その状況からは程遠いです。

loin de ~から遠い
être le cas その状況にあること(この場合は「以前来た時は冬で寒かった」という状況)

là は話者のいる場所をさして、「ここ」と言ってるのだと思います。

・・・難しげな文法項目てんこ盛りの文章を、怒涛のように早く言ってますね^^;

補足:ジャズ・マヌーシュとロマ

さて、この回は3分41秒あるのですが、2分3秒のあたりで、うどん屋さんに到着し、あとはジャズ・マヌーシュの演奏、そしてカミーユの歌がおさめられています。

ジャズ・マヌーシュは、ジプシーの伝統的な音楽とスイング・ジャズを融合させたフランス発祥の音楽です。

こちらの記事で、この音楽を生み出したジャンゴ・ラインハルトの演奏や、マヌーシュという奏法について書いています⇒レ・ポム・ドゥ・マ・ドゥーシュ:「まいにちフランス語」初級編のテーマソング 

また、ロマについては、こんな記事があります⇒フランスにおけるロムの問題|penのフランス語日記 Ameba出張所



うどんとジャズ・マヌーシュの乙な関係

今回のビデオの舞台になった国虎屋のパリ店はうどん屋というより、ライブハウス、あるいはバーのようなおしゃれな雰囲気でした。

この店では、毎週日曜日の夕方、午後4時から6時半まで、« Dimanche ★ Manouche »タイムとして、日本人ギタリスト(カミーユが友人と言っていた人)Tomo Hatanoらの演奏を無料で聞くことができます。

飲み物をオーダーする必要があると思いますが。

店内の様子。うどんを食べている人はいませんでした。ライブの時間はオーダーをとらないのでしょうね。
国虎屋 パリ

アンティークな調度が多く、こんな時計もありました。
国虎屋 パリ

次回は3つのキーフレーズをご紹介しますね。






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