歌声

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『エール!』La Famille Belier(1)~予告編のフランス語

フランス映画予告編のスクリプトでフランス語を学習するシリーズ。今回からLa Famille Bélierという映画です。

タイトルからわかるように、Bélier(ベリエ)という家族の物語。記事のタイトルでアクサン入れると、ブログ村の表示で文字化けするので、Bélier はeのアクサンテギュを抜いています。

この映画の制作は2014年。今年日本で公開予定です。6月26日から開催されるフランス映画祭 2015のオープニング作品でもあります。



エール! 予告編

フランス映画祭の公式サイトによると邦題は『エール!』になったようです。これは歌 (air) のことだと思います。あるいは「エールを交換する」の、エールでしょうか?この場合のエールは元英語でyellなので違いますかね。

予告編を見るとわかりますが、自分以外の家族が全員耳が聞こえない、話せないという一家の長女、ポーラ(ルアンヌ・エメラ)が主役。

自分しか話ができないので、外的交渉は全部ポーラが受け持っています。ある日ポーラがすばらしい歌声の持ち主だということを発見した音楽の先生は、彼女にパリの音楽院のオーディションを受けることをすすめます。

ポーラがいなくなると困るし、ポーラの歌声を聞くこともできない家族は、彼女のパリ行きに反対しますが…というあらすじ。コメディですが、家族愛も描かれ感動的な映画のようです(私はまだ見ておりません)。

お父さんもお母さんも話ができないのですが、おしゃべりですね。今回は38秒まで。

スクリプトと和訳

Arrête de klaxonner à chaque fois, papa ! On dirait un mongolien ! Moi aussi, je suis contente de te voir mais on n’est pas obligé de partager notre bonheur avec tout le monde.

Je vais prendre deux tommes. Mais qu’est-ce qu’elle a, madame ?
Ça s’appelle la division du travail : elle sourit et je parle.
Amusant !
Bah, une famille !

La mycose de ta mère s’est étendue. Est-ce que ton père, il met la crème que je lui ai prescrite ?
Bah non.
« J’ai le vagin en feu, des champignons partout. » Ça te gêne pas, toi ? Je vais t’en faire une bonne poêlée, moi, de champignons, tu vas voir ! Oh, oh, oh !

パパ、毎回クラクションを鳴らすのはやめてよ。蒙古症の人の発作みたい。私もパパに会えてすごくうれしいけど、その幸せを世界中にシェアする義務なんてないのよ。

丸いチーズ2つください。彼女、どうしたの?
分業なんです。母が微笑み、私が話すの。
おもしろいわね。
ええ、家族なんです。

君のお母さんの菌症が悪くなっている。お父さんは、私が彼に処方したクリームをぬっているのかな?

えっと、いいえ。

「私の膣はまるで火がついたようです、菌類に感染してます」嫌じゃないの?「そのきのこはフライパンで炒めてやるよ」、って。もう。

スクリプトはこちら⇒Bande-annonce: La famille Bélier

単語メモ

mongolien ダウン症候群[蒙古症]患者

tomme (主にSavoie産の)トムチーズ

division 分けること
division du travail 分業

mycose 菌症、真菌症

s’étendre 広がる

vagin 膣

gêner (肉体的に)不快にする

poêlée  フライパン1杯分(の量)

champignon きのこ、複数形で菌類。お父さんは、病気の菌類と食べ物のきのことひっかけてジョークを言っています(と説明するとおもしろくもなんともないですね)。



今回のお話

ポーラは両親と弟がいて、3人とも視聴覚障害者。一家で農場を営んでおり、作ったチーズを売っています。

接客で話すのはもっぱらポーラの役目です。

次のシーンは病院で。どうやらお父さんは性病にかかっていて、それをお母さんに移してしまったようです。

お医者さんは、手話ができないので、病気にかかわるプライベートなやりとりも、すべてポーラが通訳しなければなりません。

この続きはこちらです⇒『エール!』La famille Belier (2)~予告編のフランス語

サントラ盤のCD(輸入盤)が発売されています。すぐに聞きたい方はMP3もあり。

DVD

この映画で2014年、フランスでヒットし、手話に興味を持つ若者が増えたそうです。映画に出演している役者さんは、ふつうは言葉をしゃべっている人たちなので、手話とアクション、表情だけでする演技は難しかったかもしれませんね。






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コメント

    • K-shinsuke
    • 2015年 5月 29日 3:47am

    ペンさん、こんばんは
    こちらのブログも充実した記事でいっぱいですね
    僕はフランス語は駄目ですがこうして盛り沢山の学習記事や綺麗な写真の数々を拝見していると
    ペンさんと一緒に勉強してみたいと云う向学心の高い人達が数多く集まって来られるでしょうね
    アメブロで毎日のように絵を描いていますが、ここ数ヶ月は絵を描いていこうという気力が日に日に
    低下してきました。ペンさんの好み記事とは無関係のことを書いてしまいごめんなさい。
    ペンさんのように自分がしていこうとするものを様々なアイデアで読者を飽きさせることなく多岐に
    渡ってもっておいでになる知識と経験、情報を惜しみ無く発信されている姿を拝見すると敬服して
    しまいます。長々とごめんなさい。お身体大切にしてご活躍くださいm(_ _)m

      • フランス語愛好家
      • 2015年 5月 29日 10:33pm

      K-shinsukeさん、こんにちは。
      ご無沙汰しております。

      いつもブログを見ていただき、ありがとうございます。
      まあ、私はのんびりマイペースのスローラーニングをしていて、
      自分が勉強したことを書いているだけなので、
      そこまですごくありません。

      絵を描く気力が低下してきているのですか?
      人間、好きなことでも「飽きる」ときがありますからね。
      無理にかかず、ちょっと休んでみてはいかがでしょうか?

      またすぐに描きたくなるかも?

      K-shinsukeさんもお元気で。
      今後の活躍をお祈りしております。

      コメントありがとうございました。
      とてもうれしかったです^^

      また、いつでも遊びに来てください。

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