ニーム

フランス語入門日記

続・トリュフォー監督の Les mistons(あこがれ)のmistonとは?~入門日記第10回 

楽しみながらフランス語の語彙を増やすため、トリュフォー監督の映画のタイトルを調べていたころの私の日記を紹介しています。

きょうは2009年6月15日の日記の後半です。

この部分には«Les mistons»(あこがれ)の感想を書いており、フランス語の学習には直接、関係ありません。

私の場合、フランス語を始めたそもそもの動機が、トリュフォー監督の映画をより楽しめたらいいな、というものであったので、このようなことをつらつら書いていました。

では、日記の後半部分です。ほとんど独り言です^^;



フランス語独学日記

2009年6月15日

映画を見終わった。ここから先はフランス語には関係のない、映画の話。

Les mistonsは小学校5,6年ぐらい。季節は夏。5人組の男の子が、タバコを吸ってみたり、たわいないいたずらをしたりして日々を送っている。

彼らは、ベルナデットというスタイルの抜群にいい若い女性に心を奪われ、追っかけのようなことをしている。

彼女がスカートをなびかせながら、自転車に乗っているのをずーっと見ていたり、ボーイフレンドのジェラルドとデートしているところをこっそりのぞいたり。

一度、ジェラルドに見つかって、いきなり二、三発殴られてしまう。

ジェラルドは体育の先生で、見た目はちょっと変(と子どもたちは思っている)だけど運動神経抜群。

彼が何かの用事で街をはなれたとき、少年たちは、殴られた腹いせにベルナデットに彼の名前で「いやらしい絵葉書」を送る。

この絵葉書、いやらしい、と言っても昔のことだから、それほどでもない。

文面も君との夜が忘れられない、とかなんとか。いたずらをしたあと、幾日もしないうちに子どもたちは、ジェラルドが山で遭難して亡くなったことを知る。

ニーム
ニームのラ・フォンテーヌ庭園の泉 Les quais de la Fontaine(*)

16分ぐらいの短い作品。思っていたよりおっとりとした映画だった。Truffautの好きな、また得意な思春期ちょっと手前の子どもの心理がテーマである。

Truffautは子どもをいかにも自然に撮る監督と言われているが、この映画でも、大人の世界にあこがれてはいるが、まだまだ子どもの無邪気さが残っている男の子たちが、うまく演出されている。

この子たちはプロではなくて、ニームのそのへんに住んでいる、ふつうの男の子たちみたいに思われるが、どうだろうか。

5人のうち4人は私が小学生のころの男子のように半ズボンをはいていた。

もう一つのの特徴である、女性の美しい足の描写もこの映画にある。

冒頭で、ベルナデットが街中から街はずれの緑の多い場所までずーっと自転車に乗っており、これをカメラはほとんど正面からとらえていて、彼女のきれいな足をたっぷり見せる。

彼女のファッションはトップスは開襟シャツで、おなかの上でしばるタイプ、下はひざよりちょっと長いフレアースカート。

この女優さんはとてもスタイルがよくて、テニスをしてるときもふくよかな胸や長い手足がばっちり見られる。健康的なセクシーさがあるタイプ。

物語は今は大人になった、少年が昔を振り返る語りですすめられ、女優さんのセリフは少なく、芝居がうまいとかどうとかわからないが、とにもかくにもこのスタイルと存在感で配役されたのだと思われる。

ニームという街にはローマ時代の円形劇場のあとが残っていて、今でもコンサートなどに使われているそうだが、この映画でも二人が円形劇場でデートする場面があった。

誰でも入れるのだろうか。良いところみたいだが、50年前の映画だから、今とはだいぶ感じがちがうだろう。

英語の字幕が出ていたので、それを読みながら見た。フランス語の音はまだ耳を素通り。Les Mistons は字幕では 「Mischief-makers」と訳されていた。

・・・〈古い日記ここまで〉・・・

入門日記第11回はこちらから⇒冠詞にも前置詞にも見えるdeの話

このシリーズのほかの記事
● フランス語を始めたばかりの頃
● フランス語を始めて二ヶ月たった頃
● 初めて買った辞書:Oxford Learner’s French Dictionary
● 初めて買った教材はラジオ講座のテキスト
● ラジオ講座を聞き始めたものの・・
● トリュフォー監督のお世話になることを決意
● トリュフォー監督の処女作は『ある訪問』
● フランソワ・トリュフォー監督の映画 「Les mistons」(あこがれ)のmistonとは?

(*) Nîmes(ニーム)という地名は、泉の精「ネモーザ」から来ていると言われているそうです。素敵ですね。



ベルナデット・ラフォンについて

主演の女優はベルナデット・ラフォン(Bernadette Lafont, 1938年~)で、実際にニーム出身です。

1957年のこの映画がデビュー作、まだ19歳ぐらいですね。しかし、すでにこのとき、相手役のジェラール・ブランと結婚していました。

「あこがれ」より、シャブロル監督の「美しきセルジュ」のほうが有名かもしれません。

上の映画でもジェラール・ブラン(アル中のセルジュ役)と共演していますが、ほどなく離婚します。

「あこがれ」では、本当に何も演技をしてない(できない?)感じです。圧倒的に美しいのでそれでいいのでしょうけど。

しかし、長くこの仕事をやっていくうちに、芝居が上手くなっていったのか、15年後の、やはりトリュフォー監督の「私のように美しい娘」Une Belle Fille Comme Moi(1972)では、かなり豪快な悪女を演じて、台詞もいっぱいしゃべっています。

日本ではその10年後ぐらいの、「なまいきシャルロット」のレオーヌ役で知られているかも?

お手伝いさんだけど、シャルロットの母親代わりでもある気のいいおばさん役でしたが、まだまだきれいでした。

80年代のおわりごろに、末の娘さんで、女優をやっていたポーリーヌ・ラフォンという、これまたきれいな方が、山で一人でハイキング中、遭難して亡くなってしまうという不幸に見舞われました。

ポーリーヌは25歳。これはかなりショックだったと思います。

しかし、なんとか立ち直り、その後もテレビや映画で活躍。今も現役です。映画のイメージとは裏腹に、本人は意外と冷静で知的な人なのかもしれません。






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