南極

フレンチポップスの訳詞

アナと雪の女王「レット・イット・ゴー」のフランス語版:歌と訳詞

ディズニーのアニメ映画、『アナと雪の女王』から、雪の女王のエルサが歌う 『レット・イット・ゴー(Let it go)』 のフランス語版をご紹介します。

映画『アナと雪の女王』の原題は Frozen
フランス語では La Reine des Neiges

この映画、興行収入170億円を突破したそうです。
と言われても、ピンと来ませんが。
とにかく、世界中で流行っており社会現象になっています。

このLet it goが当たっているんです。



アナと雪の女王:レット・イット・ゴー

まず歌をお聞きください。

歌っているのはエルサという雪の女王。
彼女は生まれつき、雪や氷を作る魔法の力を持っています。
諸般の事情から、ずっとこの力を隠そうとして生きてきたエルサ。

でもだんだんパワーが強力になってきて、制御できず
とうとうある日、夏の王国が冬に閉ざされてしまいます。

それで開き直ったというか、ふっきったというか、
「私はこれでいいんじゃ、雪の女王として生きていく」、と歌っているのです。

ようするに、抑圧からの開放ですね。

いきなりばんばん魔法を使って、
氷のお城を建てているのはこのせいです。

フランス語版のタイトルは
Libérée, Délivrée です。
とてもきれいな歌詞ですよ。

それでは、訳詞に挑戦!

Libérée, Délivrée 解き放って、自由に

L’hiver s’installe doucement dans la nuit
La neige est reine à son tour
Un royaume de solitude
Ma place est là pour toujours

夜、冬が静かに訪れ、そこにとどまる
雪そのものが女王になるわ
孤独の王国
永遠にここが私の場所

私の中で風が叫ぶ
明日のことなど、もう考えるなと
それは本当に強い
これまで抑えようとしてきたけれど

パワーを隠して、話しちゃだめ
気をつけて、秘密にしなきゃ
自分の気持ちも、苦しみも
感情も

Libérée,Délivrée
Je ne mentirai plus jamais
Libérée, Délivrée
C’est décidé, je m’en vais
J’ai laissé mon enfance en été
Perdue dans l’hiver
Le froid est pour moi,
Le prix de la liberté.

解き放って、自由に
もう2度と嘘はつかない
解き放って、自由に
決めたわ、私、前に進むわ
子どものころのことは、夏の世界に置いてきた
冬の世界に落ちたの
寒さは私の
自由の代償なの

高く昇るとき
何もかもが、ささいなこと
悲しみにも、不幸にも、恐れにも
ずっと前にさよならした

自分ができることを見てみたい
この神秘に満ちた魔法のちからで
いいことも、悪いことも、仕方がない
受け入れるわ

解き放って、自由に
手を伸ばせば、星がある
解き放って、自由に
もう泣かない
私はここよ
そうよ、ここにいるの
冬の世界に

私のちからは空からやってきて、宇宙にあふれる
私の魂は、氷の絵を描き、彫刻をする
私の思いは氷の結晶の花

もう戻らない
過ぎたことは過ぎたこと

解き放って、自由に
もう何も私を止めやしない
解き放って、自由に
もう完璧な王女じゃない
私はここにいる
ずっと夢見てきたことよ
冬の世界に

寒さは私の
自由の代償なの

★歌詞はこちらを参照しました。
Paroles Anaïs Delva Libérée, Délivrée lyrics – clip en parole

単語メモ

s’installer 身を落ち着ける、住む
この単語、DELF講座の作文課題にも出てきましたが、訳しにくいです。特に主語が無生物だと。

☆2020年2月25日、姉妹ブログで訳し直しました⇒レット・イット・ゴー(Let it go)の訳詞~『アナと雪の女王』より。 オリジナルの英語版のほうも訳しています。

états d’âme (複数で)気持ち、気分

tourment 悩み、苦しみ

libérer 解放する

délivrer 自由の身にする

tendre à/vers ~をめざす

envahir 侵入する、あふれる

いくつか、訳しにくいところがありましたが、perdue dans l’hiver のperdre もその一つ。

perdre は失う、見失う
仏仏には ne plus avoir (もう持っていない)とあります。

perdre son chemin 道に迷う

魔法の力を隠してきた昔の自分を、もう持っていない、ということですね、きっと。

この映画は、アンデルセンの『雪の女王』をベースに作られているそうですが、話はだいぶちがって、ほとんどオリジナルです。

『雪の女王』という存在だけ借りてきた感じでしょうか。

オリジナルの物語はこちらで紹介しています。
第14回『雪の女王』



Let it go 関連動画

フランス語の歌詞つき動画

いっしょに歌いたい方はこちらをどうぞ。
少しアレンジが違います。

オリジナルの英語版

歌詞がついているものを選びました。

英語版のほうが、エルサの気持ちをストレートに歌っていますね。
フランス語版は、もっと抽象的、あるいは詩的だと思います。

Let it Go マルチリンガルバージョン

この曲、たくさんの言語版があります。

映画のシーンにあわせて流れるのもあるのですが、歌手が歌っている姿を見せている、Behaind mic(マイクの後ろ)版をご紹介します。

みんな声が似ているし、そのせいか容貌も似てますね。
きれいな人ばかり。
ディズニーの戦略でしょうか。

ちなみに、日本語版では、サビの Let it goのところは
「ありの~ままの~すがた見せるのよ」
と歌っています。

ここが、私「蟻のままのすがた見せるのよ」に聞こえてしまいます。

『アナと雪の女王』からこんな曲も紹介しています:
歌と訳詞:アナと雪の女王「雪だるまつくろう」のフランス語版
歌と訳詞:アナと雪の女王「とびらを開けて」のフランス語版

この曲がこんなに当たるということは、今、自分を押し殺して生きている人がたくさんいる、ということでしょうか。






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コメント

    • 春川 七美(はるかわ ななみは、仮名です)
    • 2015年 5月 06日 7:51am

    私はフランス語の発音が好きで、
    調べたのですが、とても為になりました
    ありがとうございます

      • フランス語愛好家
      • 2015年 5月 06日 9:17pm

      春川七美 さま

      はじめまして。ブログにお越しいただき
      ありがとうございます。

      この歌詞、とってもきれいですよね。

      参考になってうれしいです。
      コメント、ありがとうございました。

      pen

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