赤ずきんちゃん

タイトルのフランス語

『赤ずきんちゃん』はフランス語で何と言う? 第2回

「そのタイトル、フランス語だと?」という連載の2回目です。

きょうは『赤ずきんちゃん』です。



「赤ずきんちゃん」とは?

誰でも知っている話ですね。病気のおばあさんのところにお見舞いに来た女の子をオオカミが食べる話です。

オオカミはおばあさんに化けていたのです。

その女の子が赤いずきんをかぶっていたので『赤ずきんちゃん』というタイトルです。

ほかの伝承童話と同様、古くからヨーロッパのあちこちで似たような話が言い伝えられていました。

フランスでは、シャルル・ペロー Charles Perrault(1628-1703)の童話集(Histoires ou contes du temps passé 1697)におさめられています。

この本はほかにも『シンデレラ』『青ひげ』『眠りの森の美女』など有名なお話が入っており、童話文学というジャンルを開拓したと言われている作品です。

また、グリム兄弟の「子どもと家庭の童話(1812年)」にもおさめられています。

「赤ずきんちゃん」はフランス語でこう言う

日本語では『赤ずきんちゃん』とちゃん付けされますが、オリジナルは『赤ずきん』です。

仏語は Le Petit Chaperon Rouge

発音はこちら(▶マークをクリックすると音が聞こえます)⇒

le 男性名詞につく定冠詞

petit かわいい

chaperon (中世の)ずきん;介添人という意味もあります。

rouge 赤い

ポイントは「ずきん」が男性名詞なので、冠詞も、ほかの形容詞も男性形であること。

赤ずきんちゃんは女の子ですが、「赤ずきん」なので男性名詞になるわけですね。

chaperon のchapeはchapeau(帽子)のchapeや英語のcapと語源は同じで、頭にかぶせるものです。

「赤ずきんちゃん」のアニメ

フランス語のアニメがありますので、抜粋をご紹介します。

アメリカのアニメ(でも制作は日本の会社?)のフランス語吹き替え版のようです。

40秒ぐらいで赤ずきんちゃんがバスケットからケーキを出して切ります。ここでオオカミが彼女に名前を聞き、それに答えています。
聞き取ってみてくださいね。

Le petit chaperon rouge dessin animé en francais
2分2秒

Quel est votre nom ?
Tout le monde m’appelle le petit chaperon rouge.

あなたのお名前は?
みんな、赤ずきんって呼ぶけど。

★ついでに覚えられるこの物語のキーワードでごく基本的な単語三つ

・un loup おおかみ
・un lit ベッド、寝床
・manger 食べる

英語は Little Red Riding Hood
乗馬用ずきんになっています。



関連サイトなど

この物語の教訓はわかりやすいです。「安易に知らない人を信用するな」ということですね。

赤ずきんちゃんは人(オオカミだけど)に親切にしすぎています。

おまけに、おばあさんの家に行くまえに道草をして、オオカミに先回りされてしまうのです。

前回の『白雪姫』は白、今回の『赤ずきん』は赤という色が象徴的に使われていますね。

え、赤が何を象徴するかわからない?

では、2年前にできた実写版をご紹介します。アメリカ映画です。

この映画の赤ずきんちゃんはちょっと大きくなっており、青春もの+SF+スリラーという趣です。

Red Riding Hood Movie Trailer Official
映画『赤ずきん』予告篇 1分22秒

音楽が怖いですね。やや苦手なジャンルです。

●『赤ずきんちゃん』のお話をフランス語で読んでみたい方はこちらでペロー版をどうぞ⇒Lire l'histoire : Le Petit Chaperon rouge – Contes-legendes – Il était une histoire Il étatit une histoireというネイティブの子どもむけのお話を集めたサイトです。

右側のÉcoute l’histoireを選ぶと、朗読音声を聞くことができます。

※Il étati une histore の使い方はこちらでご紹介しています⇒フランス語の子どもむけのお話が読めるサイト(音声つき)

この作品のフランス語名を知りたいなど、リクエストや感想がありましたら、コメントなどでお知らせくださいね。

童話のフランス語のタイトルを調べるシリーズ、初回はこちら⇒第1回『白雪姫』

第3回はこちら⇒第3回『おやゆび姫』

赤ずきんちゃんになっているpenの絵は、お友だちのmasausaさんに描いていただきました。いつもありがとうございます。

たまに、私が描いていると思っている人がいますが、こんなにうまく描けません。






La famille du duc de Penthièvreマリー・アントワネットと18世紀のチョコレート前のページ

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