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フランス語の扉を開こう~ペンギンと

第5回『眠れる森の美女』

La_Belle_au_Bois_Dormant

「そのタイトル、フランス語だと?」、きょうは『眠れる森の美女』です。

『眠れる森の美女』は『眠りの森の美女』『姫り姫』とも呼ばれます。私が一番なじみがあるのは『眠れる森の美女』です。

作者は 『赤ずきんちゃん』と同じく、フランスのシャルル・ペロー。またグリム童話のバージョンもあります。

タイトルどおり眠っているお姫さまが出てきます。仕事で疲れていたのではなく、魔女の呪いのせいです。

お姫さまが生まれたとき、王様はそのへんの魔女(妖術使い、あるいは占い師)を誕生日パーティーに招待しました。

でも一人だけ、招くのを忘れてた魔女がいたんです。結局、彼女はちゃんとやってきただけでなく、お招きがなかったことをひがんで、お姫さまにちょっとした呪いをかけます。

糸巻きの「つむ」のとがっているところをさわると、死んでしまうという恐ろしい呪いです。

逆恨みですね。しかし、その場にいた別の魔女が、とっさに「死んでしまう」という呪いを「100年間、寝てしまう」という呪いに変えました。この魔女のパワーが足りなくて、これがせいいっぱいだったんです。

死刑が、無期懲役になった感じでしょうか。

とはいえ、100年寝ることも、望ましいことではないので、王様は糸巻きのつむの使用を禁止しました。うっかり、つむをそのへんに置いといても死刑です。

ちなみに「つむ(錘)」というのは、辞書によると

糸をつむぐ機械の付属品。鉄製の太い針状の棒で、回転して糸を巻き取ると同時によりをかける働きをする。

これね↓

糸巻き

このとがってるやつの使用を禁止しました。じゃあ、どうやって糸をよったのか、そのへんは不明です。

そういうおふれを出して用心し、15年ぐらいは何事もなかったのです。が、ある時、お姫様は城の塔の一番上の小さな部屋で、糸車を使ってる老婆と出会います。なんと、灯台下暗しなのでしょうか。

彼女、「つむ」をさわってはいかん、と言われてなかったみたいです。物珍しさも手伝って、糸も簡単に(シャレです、念のため)ときときをさわってしまいました。

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『眠れる森の美女』はフランス語で

La Belle au bois dormant

la 女性名詞につく定冠詞
Belle 美女 belle はもとは「美しい」という意味の形容詞
bois 森
au bois = à le bois の縮約 「森で、森の」
dormant 眠っている ←動詞 dormirの現在分詞
dormantは現在は「よどんだ、固定した」という意味。「眠っている」という意味ではあまり使われません。この意味ではendormi という形容詞があります。
enfant endormi 眠っている子ども。

このタイトルはdormant(眠っている)なのが、森なのか美女なのか、どちらともとれます。そばにある森にかかっていると解釈するのが普通です。という形容詞は、bois(男性名詞)にかかっていますが、眠っているのはお姫様(Belle)です(←コメントでご指摘いただきました。ありがとうございます。)

これは代換法(だいかんほう)というレトリックの一種で、わざと違う言葉に形容詞をかけているそうです。

詳しくは⇒代換法 – 代換法の概要 – Weblio辞書

ちなみに英語は«Sleeping Beauty»で、美女を形容する形です。

★一緒に覚えられる基本単語
un roi  王様
une reine 王女さま
se piquer (自分のからだの一部を)刺す

●Il était une histoire..というサイトにペローの話が朗読つきでのっています。⇒Lire l’histoire : La Belle au bois dormant – Contes-legendes – Il était une histoire 

●こちらはディズニーのアニメから糸巻きのつむにさわってしまうシーン(2分53秒)。

dotline470

この物語のおもしろいところは、お姫様が「つむ」にさわってしまうところまでですね。

そのあとは寝てるだけですから。

お姫様がめざめたときに一人ぼっちで困らないように、王様は魔女に頼んで、城の召使いもことごとく眠らせます。

みんな、眠っている間は年をとりません。城のまわりの木が生い茂ってきて勝手に森みたいになり、世界から隔離される形になります。

100年後、そこは人の知らない、伝説の場所になっていますが、たまたまどこかのた王子さまが、通りかかります。

好奇心が強い彼は、美しいお姫さまが眠っているのを発見し、口づけをしてみたら、お姫さまはぱちっと目をさまします。このあとは、よくある物語の展開と同じです。

ペローの童話では、二人が結婚したあとのことまで書いてあるのですが、そのへんはあんまり絵本にはなりませんね。

付け足しっぽいですから。事実、この部分は別の話だったのではないかという研究もあります。

グリム童話では、城のまわりに生えている「いばら」からタイトルをとって、『茨姫』(いばらひめ)です。

●参考サイト

青空文庫⇒ペロー Perrault 楠山正雄訳 眠る森のお姫さま

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★次のお話はこちら
第6回『マッチ売りの少女』
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    • アン
    • 2013年 6月 14日

    キスをしに来る王子さまは、プリンス・チャーミングなんて呼ばれますが、
    こちらはフランスではなんと?
    やはり、白馬に乗ってくるのかしら?
    日本で白馬に乗って来るのは、暴れん坊将軍ですわ。

      • フランス語愛好家
      • 2013年 6月 14日

      アンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      フランス語でもまったく同じ単語があります。Prince Charmant です。
      意味は、1.おとぎ話の王子様、美しい王子 2.貴公子のような美青年、理想の男性。
      やはり白馬に乗っています。このような理想の王子さまを待っていてはいけないと言われます。
      Arrêtez d’attendre le prince charmant sur un cheval blanc.

    • 吉井裕子(Sarah h-y Hiroko Yoshii)
    • 2013年 6月 14日

    ご無沙汰しております。
    いつもすばらしいサイトありがとうございます。

    さて、この眠れる森の美女の「La belle au bois dormant」の
    dormant なんですが、la belleとboisのどちらにもかかっていると
    とれる、とありましたが、この場合la belleにかかっているとすれば
    dormanteとなり女性形でeがつくのではないのかな?と思いました。
    ですから単純に男性形のboisを修飾していると思っていました。

    勝手な思い込み等多々ある私ですので、よろしくお願いいたします。

      • フランス語愛好家
      • 2013年 6月 14日

      吉井さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      あ、そうですね。belleを形容するなら、dormanteだから、森を形容しているけど、
      でも実はbelleを形容しているってことですね。

      ご指摘ありがとうございます。今から記事を書き直します。

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