お菓子の作り方を見て、フランス語になじむシリーズ。今回は、ガレット・ブルトンヌ(Galettes bretonnes)です。
Galettes bretonnesは、ブルターニュのガレット、という意味ですが、galette は丸くて平たい形のもののことです。
お菓子の世界では、ガレットというと、丸くて平たいビスケット、クッキー、パイをさします。が、そば粉やとうもろこしの粉で作ったクレープもガレットと呼ばれます。
今回紹介するのは、バターがたっぷりはいった厚めの丸いクッキーです。表面に線描きの模様がついているのが特徴です。
では、早速、作り方を見てみましょう。
ガレット・ブルトンヌのレシピ
家庭で作るのに向いているレシピです。
4分48秒。
Les ingrédients 材料
できあがり20個ぐらい
150g de farine 小麦粉
90g de beurre demi-sel 有塩バター⇒室温に戻しサイコロ状に切っておく
60g de sucre 砂糖
1 jaune d’œuf 卵の黄身
1 gousse de vanille バニラのさや
2 jaunes d’œufs pour la dorure ビスケットに照りをつけるための黄身(なくてもお菓子はできます)。
☆お好みでレーズンを混ぜてもおいしいです。
作り方
1)ボール(saladier)にバター、砂糖、バニラを入れ、ハンドミキサーで白っぽくなるまで混ぜる。
2)卵の黄身を入れ、また混ぜる。ヘラに持ち替えてクリーミーになるまでさらに混ぜる。
3)小麦粉を加えて、へらで混ぜる。途中から手でさらに混ぜる。
4)サランラップで生地(小さな円盤状にする)を包んで、冷蔵庫に入れ、90分寝かせる。
5)冷たくなった生地をワックスペーパーの上に置き、その上にもう1枚ワックスペーパーを置き、その上から綿棒で、生地を厚さ3ミリから4ミリにのばす。
6)上のワックスペーパーをはがし、こぶりのカヌレ型で抜く。
emporte-pièce は、抜き型のことです。
カヌレの説明はこちら⇒カヌレとは?~フランスのお菓子~その1
菊型や丸いクッキー型でもOKです。
7)天板(plaque à pâtisserie)の上に抜いた生地をならべて、はけで黄身を塗る。
8)天板ごと、20分、冷蔵庫に入れて冷やす。
9)冷蔵庫から出し、もう1回、はけで黄身を塗る。
10)フォークで模様をつける。☆stries 筋(すじ)
11)オーブンを180度に予熱し、10~12分焼く。
このクッキーはバターが多いので、天板にくっつかないと思いますが、念のため、パーチメントペーパーなどを敷いたほうがいいでしょう。
サブレ・ブルトンの作り方
次は、sablés bretons (サブレ・ブルトン)のレシピです。
サブレ(sablé)はさくさくしたバタークッキーのことで、サブレ・ブルトンは、上で紹介したクッキーのガレット・ブルトンヌと同じようなものです。
サブレというお菓子の名前は、ノルマンディー地方の都市、Sablé から来ています。
galette は女性名詞なので、うしろに来る形容詞、breton(ブルターニュ地方の)が、女性形ですが、sablé は男性名詞なので、breton と男性形です。
スタンドミキサー(キッチンエイド)を使って一気に混ぜているので簡単です。
このレシピの特徴は、アーモンド粉を入れていること。さらに、先のレシピのガレットより、柔らかい生地なので、セルクルに入れて焼いています。
2分26秒。
材料
125g de farine 小麦粉
175g de beurre demi-sel 有塩バター⇒室温にもどしておく
90g de sucre glace 粉砂糖
2 jaunes d’œufs 卵の黄身
80g de poudre d’amandes アーモンド粉
作り方
☆材料を入れてがーっと混ぜるだけです。
1)ボールに、粉砂糖、アーモンド粉、バターを入れ、中位のスピードで混ぜる。
2)だいたい混ざったところで、黄身を入れる、さらに混ぜ、クリーミーになったら小麦粉を入れる。
3)最後にバニラを混ぜる。ここまで、ミキサーは稼働したままです。しっかり混ざったら、生地のできあがり。
4)天板の上に、パーチメントペーパーを敷き、その上にセルクルを置き、セルクルの中に、生地を入れる。
5)ヘラなどで、表面をならし、はけで黄身を塗る。
6)フォークで模様をつけ、150度Cで10分ほど焼く。
セルクルの大きさは、見たところ12センチぐらいでしょうか。
ガトー・ブルトンの作り方
ブルターニュ地方の伝統的なガトー・ブルトン( gâteau breton)を紹介する動画です。
gâteau はフランス語でケーキのことです。
実際にブルターニュ地方のLorient(ロリアン)でロケしていて、いろいろなうんちくも出てきます。
レシピ自体はシンプルで地元の新鮮な卵やバターを使っています。
5分51秒。
ガトー・ブルトンは、19世紀にロリアンで生まれたそうです。この街はもともとクッキーなどおいしいお菓子で有名な場所とのこと。
生地は全部手で混ぜて、パイ型に入れて大きく焼いてます。
きょう紹介したレシピの中では、これが一番簡単だと思います。
材料
125g de beurre バター125グラム。
100g de farine et de sucre 砂糖、小麦粉、それぞれ100グラム
4 œufs 卵4つ、1つは上に塗る用。
作り方
1)小麦粉、砂糖、卵(3個)を混ぜる
2)バターを入れてこねる(45秒以上こねないこと)
3)型に生地を入れて、卵の黄身を塗り(badigeonner)、フォークで模様をつけて、170度Cで55分ほど焼く。
関連記事もどうぞ:
L47 ブルターニュ名物~海の幸、ゲランドの塩、ガレットブルトンヌ(お菓子)
きょうはガレット・ブルトンとその関連のお菓子のレシピを紹介しました。
北部は畜産ができるので、バターが豊富だから、こういうバターたっぷりのぜいたくなお菓子を作れたのですね。
それでは、次回の「フランスのお菓子」をお楽しみに。
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