古くからあるフランスの家庭的なおやつ、ライスプディングのレシピと作り方を紹介します。ライスプディング(rice pudding)というのは英語で、フランス語では riz au lait (リ・オ・レ)です。
rizは 米(rice ライス)、オ・レはカフェオレのオレで、直訳は、ミルク風味の米、もしくは、ミルクをそえた米、です。 riz の発音は「リ」です。最後のzは読みません。
リ・オ・レとは?
ライスプディングはミルクを米で煮たり、ミルクに入れた米をオーブンで焼いたりするごく庶民的なおやつです。砂糖などで甘みをつけます。
フランスでもリ・オ・レはこどもたちの定番のおやつです。その家、その家で独自の作り方があります。最近は、洗練されたリ・オ・レがレストランで、デザートとして供されます。
およそ米のあるところでは、どこでもライスプディングを作っています。ムーミンママも作っています。ですが日本では作らないですよね?
まあ、おかゆがそうであるといえばそう言えるのですが、日本では伝統的にミルク粥は作りません。ミルクは戦後、アメリカから入ってきたものだからです。
今のお母さんたちは、ミルク粥やパン粥を作るかもしれませんが。
リ・オ・レの基本的な材料
リ・オ・レの基本の材料は
・米 riz
・牛乳 lait
・スパイス épice シナモンかバニラがよく使われます。
・トッピング(オプション)garnitures ガルニチュール
・甘み(おもに砂糖) sucre
以上の5つです。通常、卵は使わないので、何もないときや、家族やお客さんの中にシリアック病の人がいてグルテンフリーのおやつを用意しなければならないときに重宝します。
(好きな人にとっては)甘くて身体ががあたたまるほっこりとしたおやつです。
では、いつものように750gのレシピを見てみましょう。
香り高いリオレの作り方
ミルクに砂糖と米を入れて煮るだけです。
材料
200g de riz rond 丸い米(日本で食べている米のような丸っこい米です)
1 L de lait ミルク
1 gousse de vanille バニラのさや
200g de sucre en poudre グラニュー糖
1 pincée de sel 塩ひとつまみ
1 zeste de citron ou d’orange オレンジの皮
作り方
作り方は別に難しくもなんともありません。
鍋にミルクと砂糖とバニラ、オレンジの皮、塩を入れて沸騰させたあと、米を入れやわらかく、全体的にクリーミーになるまで煮ます。
この動画ではミルクを加熱してから米を入れていましたが、最初に全部投入しても結果は同じだと思います。
マミーナというおばさんはビスキュイ・ド・サボアを作るときにも登場していました。昔からあるお母さんの味的なお菓子を作るときに出てくる人なのかもしれません。
ビスキュイ・ド・サボア
フランス語の勉強もできるリ・オ・レの作り方動画
もう1つ別のレシピを見てみましょう。télé FLEの動画です。FLEは Français Langue Étrangère の略で、外国語としてのフランス語、という意味。
télé FLEはフランス語ネイティブじゃない人むけに、フランス語が勉強できる動画を提供しているチャンネルです。レベル的にはA1からB2向きの動画が用意されています。
動画は6分と長めですが、ものすごくゆっくりくっきりフランス語を発音しているので聞き取れると思います。また材料の紹介部分でも1つ1つの材料がクローズアップされます。
この動画はA2向けで、文法としては命令法が学べます。
ちょっと古風なキッチンですね。ミルクの入っていた瓶がレトロです。ただ、フランス人は古いものが好きなので、今もふつうに使っているキッチンかもしれません。
レモンの形をしたタイマーや、レシピを入れてる箱、お皿などもかわいいですね。
材料
200g de riz rond 丸い米 200グラム
4 cuillères à soup de sucre en poudre 粉砂糖大さじ4
1 litre de lait ミルク 1リットル
1 gousse de vanille バニラ一さや
sirop d’érable メイプルシロップ(食べるときかけたい人はかける)
☆このレシピは砂糖控えめなので、メイプルシロップをかけたほうがおいしいかもしれません。
作り方
バニラのさやを真ん中から切る
鍋にミルク、バニラを入れ、沸騰するまで加熱
米を少しずつ鍋に入れる
フタをして、弱火で30分煮る
砂糖を入れてかきまぜる
バニラのさやを取り出す
ラメキンにリ・オ・レを入れ、好みでメイプルシロップをかける
料理に出てきそうな単語
FLEの動画から、料理によく出てきそうな単語を抜き出しておきます。ほとんど動詞です。動詞は、不定法と命令法(vousに対するもの)、両方書いておきます。
レシピ本には原形で書いてあると思いますが、動画では見ている人に話しかけているので命令法です。
recette レシピ
couper coupez 切る
verser versez 注ぐ
ajouter ajoutez 加える
porter à ébullition portez 沸騰させる
en pluie 雨のように これは料理用語かどうかわかりませんが、雨が降るみたいに何かを少しずつ鍋に入れます。動画を参照してください。
couvrir couvrez かぶせる
laisser cuire laissez そのまま調理する、鍋にかけたままにする
à feu doux 弱火で
incorporer incorporez 混ぜる、同化させる
mélanger mélangez 混ぜ合わせる
òter òtez 取り除く
présenter présentez 供する
ramequin ラムカン 1人分の丸や楕円形の耐熱容器(動画参照)
parfumer 香りをつける
Bon appétit ボナペティ、たっぷり召し上がれ
sucre en poudre はグラニュー糖だと思うのですが、この動画では粉砂糖を入れてますね。しかし、シェフ・ダミアンはグラニュー糖を入れてました。
まあ、砂糖ならなんでもいいです。
今はYouTubeがあるので、語学の教材には事欠きませんね。
さて、私は、もともとおはぎや桜餅など、米が甘いお菓子に変身したものが子どもの頃から苦手です。
米はやはり納豆や海苔、味噌汁と食べたいという思い込みが強く、おはぎをまともに食べたことは一度もありません。大福のようにすべすべになっていれば大丈夫ですが、つぶつぶが残っていると食べられないのです。
そのため、カナダに来てライスプディングを作るようになっても、自分では決して食べません。ですが、夫や娘は喜んで食べています。
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