ジャンボン・ブール

フランス語を読む練習

ジャンボン・ブールとその魅力:フランスの定番サンドイッチ

バゲットを使ったフランスのサンドイッチについて、ドイツ人の視点から説明している3分の動画を紹介します。

ARTEのKarambolageのエピソードです。

タイトルは、Le sandwich(サンドイッチ)

Sandwich

3分、フランス語の字幕あり

トランスクリプション

Parmi toutes les spécialités culinaires que j’ai découvertes en France, il y en a une dont je ne peux plus me passer : le sandwich. Pas le sandwich mou au pain de mie sous plastique du supermarché, non. le vrai, le traditionnel, le sandwich à la baguette. La star des pauses de midi des Français, dont les ventes caracolent très, très loin devant les pizzas, les burgers et autres kebabs.

Car le sandwich, pour lequel on utilise une moitié ou un tiers de baguette, est un vrai repas. Contrairement aux petits pains garnis que l’on peut trouver partout en Allemagne.

Ce sandwich, on le commande au comptoir du bar. Le classique indétrônable reste le jambon-beurre, avec ou sans cornichons. Ou dans une boulangerie, où le choix est plus large : jambon crudités, saucissons secs, pâtes et gruyère, brie, jambon cru, chèvre, thon-mayonnaise-crudités, poulet-mayonnaise-crudités.

Et lui, c’est mon préféré.

Mais regardez : sa croûte dorée, craquante et satinée. Ces quelques feuilles de salade qui dépassent joliment. Ce petit morceau d’œuf dur que l’on aperçoit à peine. Une petite touche de tomates, une trace de mayonnaise…

Ce sandwich, pour moi, est un rêve.

Et le problème du rêve, c’est que ce n’est pas la réalité. À chaque fois que je mange mon sandwich préféré, le mythe est confronté à la vraie vie. Et là, c’est le drame.

Pourtant, je ne demande pas grand-chose. Juste une bouchée parfaite, avec un morceau de tout.

Pensez-vous la première bouchée, c’est le bout de la baguette. Je n’ai que du pain. À la deuxième bouchée, la mayo sort par les côtés, et je me blesse au palais avec la croûte — certes craquante, mais un peu trop tranchante. Je grignote plus prudemment d’un côté, et paf ! Je perds un morceau de tomate de l’autre. Ah, enfin un morceau de poulet !

Mais rien à faire : je n’arrive jamais à savourer le pain, la tomate, l’œuf et le poulet en même temps. La bouchée parfaite n’existe tout simplement pas.

À mi-chemin, j’ai de la mayo sur le chemisier. Je me suis coupé les coins des lèvres. Et tous les bons morceaux d’œuf dur se retrouvent au fond du sachet.

À chaque fois, la même galère.

Alors il faut abandonner ma pauvre dame, me dit vous, prenez un jambon-beurre cornichons la prochaine fois. Option moins compliquée, mais tout aussi bonne.

Mais non. Moi, on m’a appris à ne jamais abandonner mes rêves. Je crois à la fabuleuse promesse du poulet-mayonnaise-crudités. Et je continuerai à m’acheter ce fichu sandwich que j’adore.

J’affinerai ma technique, coûte que coûte. Et un jour, peut-être, un bon jour… Je l’aurai : ma bouchée parfaite.

サンドイッチ:和訳

フランスで出会った数々の料理の中で、私がすっかり手放せなくなったものがあります。それは、サンドイッチです。

スーパーで売られている、プラスチック包装の柔らかい食パンのサンドイッチではありません。 本物の伝統的なバゲットのサンドイッチです。

フランス人の昼休みの定番で、売り上げはピザやハンバーガー、ケバブなどを大きく上回っています。

バゲットの半分や3分の1を使って作るこのサンドイッチは、きちんとした食事です。ドイツでよく見かける、小さなパンに具材を挟んだものとは違います。

このサンドイッチは、バーのカウンターで注文します。

定番で不動の人気を誇るのは、ハムとバターのサンドイッチ(ジャンボン・ブール)です。ピクルス入りでも、なしでも。

パン屋さんでも購入できます。そこでは種類がずっと豊富です。ハムと生野菜、ドライソーセージ、パスタとグリュイエールチーズ、ブリーチーズ、生ハム、シェーブルチーズ、ツナ・マヨネーズ・生野菜、チキン・マヨネーズ・生野菜などがあります。これは私のお気に入りです。

ご覧ください。黄金色でパリッとした、つやのあるクラスト。きれいにはみ出ている数枚のレタス。ほんの少しだけ見えるゆで卵のかけら。トマトの赤いアクセント、マヨネーズの跡…。

このサンドイッチは、私にとっては夢です。

しかし、この夢の問題は、現実ではないということ。お気に入りのサンドイッチを食べるたびに、理想は現実とぶつかります。それは悲劇です。

とはいえ、私はそんなに多くを求めているわけではありません。ただ、すべての具材が一口に収まる完璧なひと口が欲しいだけです。

想像してみてください。 最初のひと口は、バゲットの端っこです。パンしかありません。

2口目では、マヨネーズが横からはみ出すし、パリッとした、というより鋭利なクラストで口の中を切ってしまいます。

慎重に片側からかじると、今度は反対側からトマトが落ちます。そして、ようやくチキンにたどり着きます。

どうしようもありません。パン・トマト・卵・チキンを同時に味わうことができません。完璧なひと口はそんなに簡単には存在しません。

半分食べた頃には、マヨネーズがシャツに付いてしまい、唇の端は切れています。ゆで卵の美味しい部分はすべて袋の底に落ちてしまいます。

毎回、同じような苦労をします。

では、もうあきらめるべきでしょうか?

あなたはこう言うでしょう。「あきらめなさい。次はハム・バター・ピクルスにしなさいよ。ずっと簡単で、でも同じくらいおいしいから。」

いえいえ、だめです。私は夢をあきらめないように教えられました。

私は、チキン・マヨネーズ・生野菜のサンドイッチが約束する素晴らしさを信じています。 そしてこれからも、あの大好きなサンドイッチを買い続けます。

技術を磨いて、どんな困難にも負けずに。 そしていつか、きっといい日が来るでしょう。 そのときこそ、私は手に入れます。完璧なひと口を。

単語メモ

se passer de A(v) Aなしで済ます、Aがなくても平気でいる

Il y en a une dont je ne peux plus me passer : le sandwich. それなしではいられない一つ、それはサンドイッチ。

caracoler(v) (比喩的に)先頭を走る、ぶっちぎりで勝っている

Les ventes caracolent très loin devant les pizzas, les burgers… 売上はピザやバーガーを大きく引き離している。

indétrônable(adj) 王座を譲らない、揺るぎない定番の

Le classique indétrônable reste le jambon-beurre. 定番中の定番はやはりジャンボン・ブール(ハムバターサンド)。

craquant / craquante(adj) パリパリした、カリッとした

Sa croûte dorée, craquante et satinée. 黄金色のパリッとしたつやのあるクラスト。

satiné / satinée(adj) つやつやした、なめらかな

Sa croûte… satinée. クラストが…つやつやしている。

confronter A à B(v) AをBと向き合わせる、直面させる

Le mythe est confronté à la vraie vie. 理想は現実に直面する。

bouchée(f) 一口、ひと噛み分の量

Juste une bouchée parfaite, avec un morceau de tout. すべての具材が入った、完璧なひと口だけでいいのに。

blesser(v) 傷つける、けがをさせる

Je me blesse au palais avec la croûte. パンのクラストで上あごをけがしてしまう。

grignoter(v) 少しずつかじる、つまむ

Je grignote plus prudemment d’un côté… 片側を慎重に少しかじる。

galère(f / 話) 苦労、面倒、大変なこと

À chaque fois, la même galère. 毎回、同じ苦労の繰り返し。

affiner(v) 磨きをかける、(技術・方法などを)洗練する

J’affinerai ma technique, coûte que coûte. どんな犠牲を払ってでも、自分の食べ方に磨きをかける。

coûte que coûte(熟) 何があっても、どんなことをしても

J’affinerai ma technique, coûte que coûte. どうしても、なんとしても技術を高めてみせる。

きょうのプチ文法:代名詞 en

en は、de + 名詞の代用として使われ、数量や不特定なものの一部を指します(人間には使いません、つまり非人称の物や事柄に使われます)。

Parmi toutes les spécialités culinaires que j’ai découvertes en France, il y en a une dont je ne peux plus me passer.

フランスで見つけたすべての料理の中で、私がもう手放せないものが一つある。

この場合、Parmi toutes les spécialités culinaires(すべての料理の中で)があり、話し手はその中からひとつを取り出しています。つまり、en は specialités culinaires(料理の種類)を指しています。

Il y a une spécialité.(ある料理が1つある)
→ 名詞を言っている

Il y en a une.(その中の1つがある)
→ ある中の1つ= 前述の料理の中の1つ

◆en の位置と否定文での使い方

en は動詞の前に置かれます。否定文では「ne…pas」などの間に入ります。

J’en veux. それが欲しい
Je n’en veux pas. それは欲しくない
Tu as des pommes ? – Non, je n’en ai pas. リンゴある? – ううん、持ってない

助動詞がある場合は主動詞の前に置きます: Je vais en acheter.それを買うつもり 

◆人には使わない

Tu parles de Marie ? → Oui, je parle d’elle.(マリーについて話してるの? → うん、彼女のこと話してるよ)

Tu parles de ton frère ? → Oui, je parle de lui.

◆en の説明動画:3分、端的でわかりやすい動画です。

サンドイッチ・関連動画

Le Sandwich | Un classique indémodable(サンドイッチ:色あせることのない定番)

フランスのサンドイッチを紹介するルポです。

6分42秒

4種類のサンドイッチが紹介されています。

① ジャンボン・ブール(Jambon-beurre)
フランスの伝統的で定番のサンドイッチで、ハムとバターをバゲットにはさんだもの。

年間で10億個以上が消費され、手軽に食べられるうえに、アレンジの幅も広く、定番ながら進化を続けています。

② ヘルシー・サンドイッチ(管理栄養士の提案)
全粒パン、ハム、卵、トマト、レタス、アボカド、種(シード)、オリーブオイルなどを使います。

「栄養バランスのとれたサンドイッチ」として紹介。

③ アメリカンサンドイッチ(Pastramiなど)
パストラミサンドに代表されるアメリカンなサンドイッチも人気を集めています。

マリネ・燻製など手間をかけた肉を使い、ホットサンド形式で提供されます。

④ 創作サンドイッチ(家庭での遊び心ある実験)
母親が子どもたちにふるまった3種:

・飲むサンドイッチ(ハムとバターをミキサーでかくはんしてドリンクにしたもの):子どもには不評

・ラーメンサンドイッチ(インスタントラーメンを固めてパンとして使う)

・アップルタルト風の甘いサンドイッチ(ブリオッシュ+りんご+キャラメル)

最後に登場したお母さんは、ほかにもこんなふうにユニークなレシピを考案しているのでしょうか? ラーメンを使うなんて驚きですね。

******

最近、小麦粉を食べないようにしているので、サンドイッチもあまり食べませんが、食べるなら、私はハムサンドやチーズサンドなど、シンプルなものが好きです。

大昔、会社員だったときは、近所の喫茶店で食べるポテトサンドが好きでした。市販の焼きそばサンドも好きです。どちらも、炭水化物+炭水化物で、栄養的には問題がありますが、おいしいです。






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