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フランスにまつわるあれこれ

死刑って何ですか?

1981年10月9日に、フランスでは死刑が廃止されました。

死刑についてやさしいフランス語で説明している、1 jour 1 question の動画を紹介します。

タイトルは、C’est quoi la peine de mort ?(死刑って、何?)です。



C’est quoi la peine de mort ?

1分42秒。

トランスクリプション

Dans certains pays, la loi autorise l’exécution d’un condamné. C’est la peine de mort. Ces condamnés à mort sont souvent coupables de crimes très graves, le meurtre de plusieurs personnes par exemple.

Mais, si la loi autorise la peine de mort, cela veut-il dire que tuer quelqu’un est légal ? Non, la peine de mort ne s’applique que dans un cadre très précis ! Seul un tribunal peut la prononcer. Le condamné est alors exécuté selon un procédé défini : électrocution, injection d’un poison, fusillade… Tu t’en doutes, la peine de mort fait débat.

Ses opposants déclarent qu’elle est contraire à la Déclaration des droits de l’homme qui dit que tout individu a droit à la vie. De nombreux pays l’ont d’ailleurs déjà abolie : 140, dont la France en 1981.

Par contre, les défenseurs de la peine de mort soutiennent qu’elle fait peur aux criminels et permet donc de réduire le nombre de crimes… Bien que cet argument n’est jamais été prouvé, 58 pays l’autorisent encore, dont principalement la Chine, l’Iran, l’Arabie saoudite, l’Irak et les Etats-Unis.

La peine de mort est parfois utilisée pour intimider le peuple, l’empêcher de s’exprimer et de critiquer le pouvoir, comme en Chine et en Arabie saoudite. Certains pays exécutent aussi des condamnés sans qu’ils aient eu droit à un vrai procès pour se défendre. Ou encore dans d’autres États, les avocats sont si chers que les personnes pauvres ont plus de risques que les autres d’être condamnées à mort.

Malgré tout, le nombre de pays utilisant la peine de mort diminue chaque année : 41 pays en 1995, contre 22 en 2014.

和訳

いくつかの国では、罪人を処刑することが認められています。

それが死刑です。

死刑に処されるのは、しばしば重罪を犯した者です。たとえば、複数の人の殺害者など。

でも、法律で死刑が認められているから、法的に誰でも殺せるのでしょうか?

違います。死刑は、厳密な枠組みの中で決められます。

裁判によってだけ死刑を宣告できます。その後、受刑者は定められた方法で処刑されます。電気死刑、薬殺刑、銃殺刑など。

きみも想像するように、死刑は論議を起こしています

反対している人は、死刑は世界人権宣言に反していると明言しています。この宣言は、すべての個人は生きる権利がある、とするものです。

だから、たくさんの国ですでに死刑は廃止されており、その数は140カ国です。1981年に廃止したフランスも含まれています。

逆に、死刑を擁護する人たちは、死刑があると、犯罪者を恐れさせ、犯罪の数が減ると言っています。

この議論が証明されたことは決してありませんが、まだ58カ国で、死刑が行われています。たとえば、中国、イラン、サウジアラビア、イラク、アメリカ合衆国です。

死刑は時に、人々をおどし、体制を批判することを防ぐために使われています。中国やサウジアラビアのように。

罪人に、弁護するためのちゃんとした裁判を受ける権利を与えないまま、処刑する国もあります。

また、ほかの国では、弁護士の費用が高すぎるため、貧しい人は、より死刑になるリスクが高いです。

それでも、死刑を行う国は、年々減ってきています。1995年は41カ国で、2014年は22カ国で死刑が執行されました。

単語メモ

condamné  受刑者

une exécution  死刑執行 exécution capitale

condamné à mort  死刑囚

la Déclaration des droits de l’homme  世界人権宣言



死刑制度について

死刑制度を存置している国は、2019年現在、56カ国です。廃止した国は142カ国。

こちらの記事より⇒死刑がある国はどのくらいあるの? | 森のおひさま教室

2019年の1月にアップされたこの動画では、現在死刑を行っているのは、53カ国としています。50カ国ぐらいの国に死刑がある、と思っておけばいいでしょう。

2分45秒。

中国は、たくさん死刑をしていそうですが、データが発表されていないので、実態はわかりません。もちろん、北朝鮮もデータを開示していません。

死刑制度のある国でも、毎年死刑を行うとは限りません

世界は、死刑をしない方向に向かっている、と考えられますが、人口の多い国に死刑制度があるので、世界規模で見ると、死刑制度のもとで生きる人は、わりと多い、と言えるかもしれません。

日本にも死刑がありますが、執行数は近年、とても少ないです。

アムネスティのデータによると、2019年は3件、2018年は15件、2017年は4件です。確定者数は100件を越えていますが、執行は少ないですね。

最新の死刑統計(2019) : アムネスティ日本 AMNESTY

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ギロチンの歴史(前編)

ギロチンの歴史(後編)

1981年にフランスで死刑が廃止されたのは、大統領選に出たミッテランが、死刑を廃止するという公約を掲げていた、という事情があります。

このとき世論では、死刑存続派のほうが多かったそうです。

欧州は、死刑に反対しており、EUに加盟するには死刑制度を廃止する必要があります。






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