ラクレット

フランスにまつわるあれこれ

ハイジも大好きスイス生まれのラクレットの作り方と食べ方。

ラクレット(la raclette)というフランス料理の作り方を紹介します。というよりラクレットはスイスの郷土料理です。スイス全域とスイスに国境が近いフランスのサヴォア地方の名物です。

サヴォア県はスイスの領土だったこともありますが、今はフランスです。下の地図の中央の赤線でかこった部分です。

ここはローヌ・アルプ地域。フランスの南東部(リヨンの東)、イタリア国境のアルプス山地にあります。1860年までサルデーニャ王国領でした。



ラクレットとは?

ラクレットは、raclette というフランス語で、もともとはゴムベラ、スクレーパーのこと。動詞、racler「~をこそげとる」からできた名詞です。

その名の通り、大きなチーズを火にかざして、溶けた部分をこそげとり、ジャガイモやハムにからませて食べる素朴な料理です。

ラクレットに使う丸いチーズもラクレットと呼びます。

『アルプスの少女ハイジ』(アニメ)で、ハイジがラクレットを食べるシーンがあり、日本ではラクレットといえば、ハイジ、といった連想をする人が多いようです。

昔は直火にかざしてチーズを溶かしていましたが、今は、食卓でチーズを溶かすことができるラクレット専用の電熱器(ラクレットグリル)があります。

グリルには一人分ののラクレットを作れる小さなフライパンみたいなのとヘラがセットでついています。

日本で作る場合は、ふつうのフライパンや鍋で溶かしてください。

ラクレットの歴史

ラクレットに関する記述は中世からあるそうです。

スイスやサヴォイ地方の山に住んでいる農民にとって、チーズ、野菜、ハムが一度にとれる栄養があり、かつとてもおいしい一品でした。

今の牛は、もしかしたら一生牧場にいるかもしれませんが、昔のスイスの牛は、牛飼いがいろんなところに連れてあるいて、草を食べさせたりしていました。

このような移動のとき、牛飼いはチーズを持ち歩き、夜はキャンプファイヤーをしてチーズを溶かして、ちょうどいい頃合いにとけたところをこそげとってパンにのせて食べていたそうです。

いかにもおいしそうですね。

ラクレットはワインにあいますが、伝統的には、温かいお茶(紅茶だと思います)と一緒にいただいていたそうです。

昔は、冷たい水と一緒に食べると、お腹の中でチーズが固まるからよくない、と言われていたとか。

どっちにしてもチーズなどの乳製品は消化はよくありません。

ラクレットのレシピと作り方

750gのレシピを紹介します。別に難しくもなんともありません。単に材料を切って、皿に並べて加熱するだけです。

専用のラクレットグリルを使っています。

材料

1,5 kg de pommes de terre Primeurs じゃがいも(新じゃが)
1 kg de fromage à raclette ラクレットチーズ
200g de champignons de Paris パリのマッシュルーム
400g de bacon et/ou jambon sec ベーコンかドライハム(燻製せず自然乾燥して作ったハム)
50g de crème fraîche 生クリーム
Cornichons 酢漬け用の小さなきゅうり、ピクルス
Fleur de sel (塩の花)、天日塩
poivre コショウ
Thym タイム

生クリームやタイムはオプションです。

作り方

じゃがいもを塩をちょっと入れた水でゆでる。

皮をむいて、適当な大きさに切ったじゃがいもを小さなフライパンに入れ、マッシュルームも切って入れ、ベーコンやハムをのせ、チーズをのせる。

ラクレットグリルの中にフライパンを入れて、チーズが溶けるまで加熱。

できあがったら、コショウ、小さく切ったピクルス、生クリーム、タイムをのせる。

いろいろなチーズの名前を紹介しています。

ラクレットのおいしい食べ方

実は上で紹介したのはちょっとおしゃれなラクレットです。

ラクレットにはこんなふうに小さなフライパンに全部具をのせて加熱するやり方と、皿に具をのせておき、そこにとかしたチーズをたらすやり方があります。

こっちのほうが簡単です。

この方式でラクレットを作っている動画を紹介します。1分27秒。ラクレットグリルの使い方もわかります。

この人はトマトを用意していましたが、カリフラワーとか玉ねぎなどもおいしいらしいです。上の動画ではあんまりチーズがとろっとしていませんね。もうちょっととろっとさせたほうがいいかもしれません。

まあ、このへんは個人の好みでしょうか。



伝統的なラクレットを出すレストラン

こちらはサヴォア地方のメリベル(Méribel)にあるレストランで供されるラクレットです。

メリベルはスキー場で有名な山岳地帯です。サヴォア県には Trois Vallées(トロワ・ヴァレー)と呼ばれる3つの谷があり、メルベルはその一つです。

ラクレットチーズはゆでたじゃがいもとドライハムにとても合うそうです。じゃがいもは皮をむかないもの(des pommes de terre en robe des champs) でもいいです。

おせち料理に飽きたときにもよさそうですね。ラクレットチーズがあまったらお餅にのせて焼いたり、パンの中に入れて加熱して、パングラタン風にしてもいいでしょう。

この記事ではサヴォア風のチーズフォンデュを紹介しています。

私、ふだんは乳製品を食べませんが、今回ラクレットの動画を見ていたら、じゃがいもにたらして食べたくなりました。ハムはいりませんが。とても身体があたたまりそうです。

ラクレットチーズは味はそんなにくせがないそうですが、匂いが強烈なので、チーズに慣れていない人は気をつけてください。加熱すれば、匂いはやわらぐそうです。

ラクレットにコショウやタイムをふりかけるのは、匂いをやわらげる意図もあるのでしょう。まあ、フランス人は平気だと思いますが。






ピックアップ記事

  1. ぜんぶ無料:あなたのフランス語学習に役立つサイト16選
  2. 『星の王子さま』~お役立ちリンク集
  3. 2018年版、フランス語と英語の勉強用カレンダーのご紹介。

関連記事

  1. 赤いハイヒール

    フランスにまつわるあれこれ

    大事なのは自分の足にあう靴をはくこと

    問題です。以下の空欄に入る共通の言葉はなんでしょう?1. ○○…

  2. 黒板

    時事ニュース

    フランスの小学校:授業は長い、でも結果が伴わず・・

    ときどき練習のために読んでいるフランスの子ども向けの新聞記事、きょうは…

  3. キャラバン・ショップ

    フランスにまつわるあれこれ

    パリのキャラバン・ショップのすべてをあなたに

    「虎と小鳥のフランス日記」第103話で登場したキャラバン・ショップのサ…

  4. 凱旋門

    フランスにまつわるあれこれ

    パリの20の行政区~第3回~らせんの秘密

    パリの行政区シリーズ、第3回です。前回は、パリの一部の行政区の…

  5. 星の王子さま

    フランスにまつわるあれこれ

    もう読んだ?「星の王子さま」出版70周年

    1943年4月6日にアメリカで「星の王子さま」が出版されて70年たちま…

  6. バレンタインデーのティーセット

    フランスの暦、年中行事

    バレンタインデーの歴史とフランスの愛の日の事情。

    なぜ2月14日がバレンタインデーなのか、簡単なフランス語でその由来を説…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

お気に入りに登録してね♪

CTL+D でお気に入りに登録。

Feedlyで確実に更新をチェックしよう。

follow us in feedly

更新情報をメールで配信中

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

新しく書いた記事です。

  1. フランス語で知るハロウインの由来。
  2. ダンスに関係のある単語:かわいいフランス語(129)
  3. 伝説の歌手、シャルル・アズナブール、94歳で亡くなる。
  4. 私のおかしな人生についての歌(Chanson sur ma …
  5. シャネルを物語る5つの色(後編)
  6. 猛暑をフランス語でなんと言う?
  7. 新学期に関する言葉:かわいいフランス語(128)
  8. [連絡]ご質問いただいた、めいさんへ
  9. もう森へなんか行かない(フランソワーズ・アルディ):歌と訳詞…
  10. シャネルを物語る5つの色(前編)

おすすめ記事いろいろ

  1. 『残されし恋には』(Que Reste-T-Il De No…
  2. 歌と訳詞:3月の水~ジョルジュ・ムスタキ その2
  3. メリー・クリスマス(ジョワイユー・ノエル):バルバラ(歌と訳…
  4. フランス語の数字【第23回】~0 – 20の復習…
  5. 中国の一人っ子政策廃止へ(フランス語のニュース)
  6. バーバパパ出版45周年おめでとう~Googleが記念ロゴでお…
  7. 父の日に、ミルクのCMでフランス語を勉強
  8. リ・オ・レ(ライスプディング)の作り方:フランスのお菓子(1…
  9. かわいいフランス語教えます~その27 住宅のいろいろ
  10. フランス語のことわざ22~同時に二つの場所にはいられない

おすすめのまとめ記事

  1. 歌の訳詞を書いている記事の目次~その3
  2. 『百合のFranceウォッチング』~目次 その1(L1~25…
  3. ファッション、モード、おしゃれに関する記事の目次(1)
  4. 『ベルサイユのバラ』新作その2が週刊マーガレット第22号(1…
  5. 猫に関連する記事の目次~猫好きさんに捧ぐ
  6. フランス語の名言の記事の目次
  7. ファッション、モード、おしゃれに関する記事の目次(4)
  8. masausaさんのカレンダー収録曲の記事の目次
  9. 歌の訳詞を書いている記事の目次~その1
  10. ファッション、モード、おしゃれに関する記事の目次(2)

フランス語の勉強法とか

  1. 星の王子さまの本
  2. 2018年フランス語日めくりカレンダー
  3. 黒板

お問い合わせはこちらから

お問い合わせはこちらからどうぞ

封筒
⇒お問い合わせフォームへ


お気軽に^^

☆和文仏訳、仏文和訳の無償サービスは行っておりませんので、ご了承願います。

アーカイブ

PAGE TOP