雪景色

フレンチポップスの訳詞

「雪が降る」アダモ・フランス語の歌詞と訳詞。

冬のシャンソンの名曲、アダモの「雪が降る」(Tombe la neige)を紹介します。

フレンチ・ポップスにうとくても、ある程度の年齢の人なら「ゆぅきぃはふる~、あなたはこない~~~」という出だしを聞いたことがあると思います。

テンポはゆっくりで、はっきりとした発音なので、フランス語の超初心者でもいくつかの単語を聞き取れると思います。



「雪が降る」歌詞つき動画と訳詞

フランス語の歌詞つきの動画を紹介します。作詞、作曲もアダモです。

Tombe la neige
雪が降っている

Tombe la neige
Tu ne viendras pas ce soir
Tombe la neige
Et mon cœur s’habille de noir

雪が降っている
君は今夜は来ないだろうね
雪が降っている
ぼくの心は黒い服をまとう

Ce soyeux cortège
Tout en larmes blanches
L’oiseau sur la branche
Pleure le sortilège

絹のように続く行列
みんな白い涙をたたえ
枝の上の鳥は
この魔法を嘆いている

☆Tu ne viendras pas ce soir
Me crie mon désespoir
Mais tombe la neige
Impassible manège

君は今夜は来ないだろうね
僕は絶望の声をあげる
でも雪は降っている
無情なメリーゴーラウンドのように☆

La la la la la…

台詞
Tombe la neige
Tu ne viendras pas ce soir
Tombe la neige
Tout est blanc de désespoir

雪が降っている
君は今夜は来ないね
雪が降っている
どこもかしこも絶望の白だ

Triste certitude
Le froid et l’absence
Cet odieux silence
Blanche solitude

みじめな確信
この寒さと不在
この耐え難い沈黙
白い孤独

☆~☆ 繰り返し

単語メモ

soyeux/soyeuse  絹のような

cortège  行列

sortilège 魔法、妖術、呪い

manège は手口、手管(てくだ)という意味もありますが、ここは雪が振り続けるさまを止まらないメーリーゴーラウンドとして表している、と解釈して訳しました。

もしかしたらここは公園で、メリーゴーラウンドの上に雪が降っているのかもしれませんが、neige と韻を踏む言葉を持ってきただけだと思います。

impassible は 感情的にならない、動じない、という意味なので impassible manège を やってこない恋人の「冷たい仕打ち」のように訳すこともできましょう。

désespoir  絶望

certitude  確かさ

odieux/odieuse  憎むべき、不愉快な

Tombe la neige は倒置(主語と動詞が逆になること)しています。

抽象名詞の味わい

歌詞を見ていただくとわかるように抽象名詞が多いです。

抽象名詞とは、抽象的概念を表す名詞です。

日本語はあまり抽象名詞を使わないので、そのまま訳すと、いかにも翻訳調な「存在の耐えられない軽さ」のような世界になってしまいます。

今回の訳ではあえて抽象名詞をそのままストレートに訳しました。

一番最後の

Triste certitude
Le froid et l’absence
Cet odieux silence
Blanche solitude

を動詞表現にすると、

本当に悲しい
寒いし一人ぼっち
ひどく静かだ
真っ白でさみしい

こんな感じになります。

抽象名詞について詳しく知りたい方は下記の記事をごらんください。

サルヴァトーレ・アダモについて

Salvatore Adamo 1943年11月1日生まれで現在73歳です。日本人から見るとアダモはフランス人なのかしら、と思ってしまいがちですが、彼はイタリア人です(後にベルギーに移住したのでベルギー人でもあります)。

Salvatoreというのはイタリア人の名前で、意味は「救世主」つまり、キリストのことです。

サルヴァトーレ・フェラガモという人もいますね。

1947年、アダモが3歳ぐらいのとき、井戸を掘る仕事をしていたお父さんがマルシネル(炭鉱)で働くために、一家でベルギーに移住しました。

その頃、マルシネルなどベルギーの炭鉱ではイタリア移民がたくさん働いていたのです。

だからアダモはフランス人ではないのです。

アダモの家は貧乏で子どもが7人いたものの、アダモの両親は、アダモを炭坑夫にしたくなくて、、カソリックスクールに入れるなど教育に力を注いだようです。

アダモは優秀で勉強もできたし、音楽などの芸術にも秀でていました。スポーツも得意だったそうです。こういうマルチな才能をもった人が、たまにいます。

彼は幼い頃、ユゴーとジャック・プレヴェールの詩が好きで、わりと早くから曲を作ったり、歌を歌っていました。

ジャック・プレヴェールについてはこちらに書いています。

17歳のときラジオ・ルクセンブルグの歌のコンテストに自作の曲で応募。決勝戦まで残って、1960年パリで歌いました。

審査員にシャルル・アズナブールがいて、アダモの才能にいたく惚れ込んだそうです。

これがきっかけでレコードデビュー。

彼が世界に知られるようになった曲は Sans toi, ma mie(サン・トワ・マミー)です。この曲は1963年にシングルとして発売。

「雪が降る」も1963年のヒット曲です。

デビューしてすぐにヒット曲を連発していたわけですね。

彼はフランスやベルギーだけでなく、ヨーロッパ全域で人気者になりました。日本でもとても人気がありますね。日本人が好きそうな曲調の曲が多いからでしょうか。

彼の最盛期は1960年代~70年代だと思いますが今も現役です。



「雪が降る」のカバーバージョン

今世紀になってロラン・ヴルズイ(Laurent Voulzy)とデュエットしたバージョンを出しています。

あまり好きなアレンジではありませんが、やはりいい曲ですね。

Tombe la neige はアダモの代表曲なので、ベストアルバムならどれにでも入っているでしょう。

このCDにはモノラルの音源が入っています。

アダモの歌の歌詞をしっかり訳したのはこれがはじめてなのですが、うまく韻を踏んでいるし、言葉選びも巧みですね。

彼は詩人としても一流なのでしょう。

今のところ、ベルギー人としてはもっともレコードを売った人だそうです。これまたすごいですね。

まあ、あまりベルギーの歌手で世界的に有名になる人っていません。ジャック・ブレルもベルギー人です。






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コメント

  • コメント (2)

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    • sugiyama
    • 2017年 4月 19日

    はじめまして。
    フランス語で歌える曲はこれ1曲なので、極めたいと思います。
    最初によく聞いていたのは、ダニエル・ビダルの歌でした。
    (「ピノキオ」がA面、「雪が降る」がB面だったはず)

    ちなみに、フランス語の歌手で一番好きなのは、ジルベール・ベコーです。
    歌のマイナンバーワンは、Joe Dassin の “Et si tu n’existais pas” かな?

      • フランス語愛好家
      • 2017年 4月 19日

      sugiyamaさま

      こんにちは。penです。
      ブログにお越しいただき
      ありがとうございます。

      ダニエル・ヴィダルも「雪が降る」を
      歌っていたのですね。

      ブログの記事が何かのお役にたてばうれしいです。

      今後ともよろしくお願いいたします。

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