フレンチポップスの訳詞

フランシス・カブレル Octobre (10月):歌と訳詞。美しすぎる秋の歌

フランシス・カブレル(Francis Cabrel)のOctobre (10月)という曲を紹介します。今の季節にふさわしい美しい曲です。

フランス語の月の名前は小文字から始めますが、歌のタイトルなので大文字から書いています。



Octobre 10月 訳詞

カブレルはとても美しい詩を書くのですが、詩的すぎて訳すのは難しいです。がんばって訳してみました。

この歌の特徴は、擬人法をたくさん使っていることと単純未来形が多いことです。訳では現在形のように訳しています。

Le vent fera craquer les branches
La brume viendra dans sa robe blanche
Y’aura des feuilles partout
Couchées sur les cailloux
Octobre tiendra sa revanche

木々の枝は風の中で乾いた音をたてる
もやが白いドレスをまとってやってくる
葉がそこらじゅうに落ち
小石の上に横たわる
10月がまた仕返しをするのさ

Le soleil sortira à peine
Nos corps se cacheront sous des bouts de laine
Perdue dans tes foulards
Tu croiseras le soir
Octobre endormi aux fontaines

陽はめったにさささなくなる
僕達はウールにしっかり身を包み
きみのスカーフの中に顔をうずめる
夜、きみはすれ違う
噴水のそばで眠っている10月と

10月はしっかり感じられる
ブリキのテーブルの上に
空になったグラスがあちこちに散らばっている

そして、雲は空をおおう

僕はきみに花と
カラフルなテーブルクロスをあげるよ
10月にからめとられないために

僕たちは丘のてっぺんに登り
10月が照らしだすものを見つめる
僕の両手は君の髪の上
2人ともマフラーを巻いて
目の前の世界に目を見張る

男たちが何人かベンチにもたれて
昔を思い出す

そして、雲は空をおおう

僕はきみに花と
カラフルなテーブルクロスをあげるよ
10月にからめとられないために

きっと、窓ガラスのくもりの上に描いてある
絵が見えるだろう

きみたちは、外で遊ぶ
北の子どもたちのように
10月はきっといつまでも続く

きみたちは、外で遊ぶ
北の子どもたちのように
10月はきっといつまでも続く

☆歌詞はこちらを参考にしました。
Francis Cabrel – Octobre Lyrics

単語メモ

craquer  乾いた音をたてる

branche  枝

brume  もや、かすみ ※brouillard(霧)より薄い
revanche  仕返し、復讐

à peine  ほとんど~ない

se cacher  隠れる

foulard  スカーフ

croiser  交差する、すれ違う

endormi, endormie  眠りこんだ

fer-blanc  ブリキ

traîner  散らかる

pour ne pas qu’octobre nous prenne  願望を表す接続法。10月に取られないために

écharpe  マフラー

s’incliner devant qn/qc  ~に頭を下げる、敬意を表する

appuyer sur  ~にもたれる

sans doute  おそらく

buée  水蒸気

文法ワンポイント:単純未来形

単純未来形は未来のこと(未来のある時点での事実)を表します。

活用語尾の形は原則として不定法+avoirの現在形の活用(AV抜き)
-ai -as -a -ons -ez -ont

語尾は共通ですが、特殊な語感を持つものがあります。

歌詞に登場する単純未来形の例:
Le vent fera craquer les branches
fera   faire

La brume viendra dans sa robe blanche
viendra  venir

Y’aura des feuilles partout
aura  avoir

Octobre tiendra sa revanche
tiendra  tenir

Le soleil sortira à peine
sortira  sortir

Nos corps se cacheront sous des bouts de laine
se cacheront  se cacher

Tu croiseras le soir
croiseras  croiser

語幹の例外:
語幹の例外があり、たとえばこの歌に出てくる動詞を
一人称単数で書くと
je ferai    faire
je viendrai    venir
je tiendrai    tenir (venirと同じパターン)
j’aurai    avoir
j’irai    aller
je verrai    voir

このほかに、
je serai   être
j’enverrai    envoyer (voirと似たパターン)
je saurai   savoir
je devrai    devoir
je voudrai    vouloir

☆REで終わる動詞は、最後のEをとって上記の活用語尾をつけます。
je mettrai  mettre

★単純未来についてもっと勉強したい方は以下の記事をごらんください。
「まいにちフランス語」36:L58 単純未来その1

「まいにちフランス語」37:L59 単純未来その2

まぎらわしい近接未来と単純未来の違いをマスターしよう



Octobre フランシス・カブレル、 ライブバージョン

秋の風景がきれいです。

octobreは1994年発売の«Samedi soir sur la terre»というアルバムに入っています。このアルバムは彼の代表作。

フランシス・カブレルの曲はこちらでも紹介しています。
歌と訳詞:フランシス・カブレル『死ぬほど愛する』

冬(季節の単語)~フランス語の暦(4) «C’était l’hiver (それは冬だった)»を紹介。

フランス語の暦 土曜日はフランス語で? «Samedi soir sur la terre»を紹介

フランシス・カブレルの声は、適度に温かくていいですね。

それでは次回の歌の記事をお楽しみに。






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