パリの街角

フランス語を読む練習

社会は病んでいる~他人に対する無関心(後編)。

NOTRE SOCIÉTÉ EST MALADE(私たちの社会は病んでいる)というタイトルの動画、後編です。

パリの人通りの多い場所に倒れていたのに、9時間、誰にも助けてもらえず亡くなったカメラマンについて語っている動画です。

Notre société est malade

5分22秒。フランス語の字幕あり。

後編は2分37秒あたりから最後まで。

トランスクリプション

Et cela, c’est le signe que notre système est malade d’individualisme.

Nous sommes anesthésiés face à la souffrance d’autrui.

Ce constat est vertigineux, voire odieux.

Seulement, ce drame est là pour nous rappeler qu’on ne peut pas rester éternellement indifférents.

Parce que tôt ou tard, ces tragédies nous rattrapent, on en est témoins, elles nous touchent par le biais d’un proche, ou d’un proche de proche.

Cette descente aux enfers peut même nous frapper personnellement, et à ce moment-là, l’égoïsme du monde nous foudroie, mais il est trop tard pour le dénoncer parce qu’on est déjà du mauvais côté.

Du côté de ceux qui ne sont rien, du côté des invisibles, du côté de ceux dont la mort ne fera jamais les titres des journaux.

Et cette vidéo n’est pas un plaidoyer, ce n’est ni une tribune, ni un coup de gueule.

C’est une vidéo d’information.

Mardi 25 janvier 2022, un homme est mort sur le pavé dans l’indifférence des passants.

Parce que je décris ce drame avec ces adjectifs, parce que cette histoire me touche, on va m’accuser de déroger à l’objectivité, à la neutralité journalistique requises, on va même probablement m’accuser de manquer de professionnalisme et de donner dans le sensationnalisme.

Mais depuis quand le professionnalisme, c’est de décrire des drames avec des chiffres ?

C’est de ne pas interroger les causes, de ne pas remettre tout le système en question ?

C’est de ne plus s’attrister, de ne plus s’émouvoir ?

Je vous parle ici d’économie habituellement, et j’estime que cette chronique rentre parfaitement dans ma rubrique.

Parce que derrière les chiffres et les politiques dont je vous parle tous les jours dans mes émissions, il y a des conséquences sur la vie réelle, il y a la construction ou la destruction de notre civilisation, il y a des humains, tout simplement, et c’est bien pour parler de ces humains, de cette société, que j’ai choisi de faire ce métier.

À l’heure où certains travestissent les faits pour susciter la haine, le ressentiment, à l’heure où beaucoup sont assommés par la peur, je vous livre un fait justement, un fait brut, un fait banal : cette peur, ou pire, cette indifférence, a tué mardi, et elle tue tous les jours.

Aujourd’hui, je n’ai pas le cœur à vous appeler à partager ou à donner à Blast.

Je vous mets plutôt des liens sous cette vidéo d’associations qui aident les sans-abris et je vous laisse avec ces photos en hommage à René Robert, photographe de flamenco qui a voué sa vie à immortaliser tous les plus grands artistes de cet univers.

和訳・この社会は病んでいる

このことは、私たちのシステムが、個人主義という病気にかかっていることを示しています。

私たちは、他人の苦しみを目にしても、何も感じないのです。

この事実は、目がくらむほどで、忌まわしくさえあります。

この悲劇は、私たちに、いつまでも無関心ではいられないことを思い知らせています。

なぜなら、遅かれ早かれ、こうした悲劇は、私たちをとらえるからです。私たちは目撃者となり、このようなできごとを、身近な人や、知り合いの知り合いを通して、体験するのです。

この地獄への転落は、私たち自身を襲うかもしれません。その瞬間、世の中の利己主義が私たちを襲いますが、それを告発するには遅すぎるのです。私たちはすでに間違った側にいるからです。

何ものでもない人たちの側、見えない人たちの側、死が決して新聞の見出しにならない側です。

このビデオは嘆願でもなく、討論でもなく、不満をぶちまけたいわけでもありません。

情報を伝えるものです。

2022年の1月25日火曜日、通行人の無関心のなかで、ある男性が舗道で死にました。

この悲劇を描写するのに私が使った言葉や、この話が私の胸を打ったことで、人は、私を非難するでしょう。ジャーナリズムに求められる客観性や中立性から逸脱していると。

プロらしくない、センセーショナルに取り上げている、と非難されるかもしれません。

しかし、いつからプロフェッショナリズムは、できごとを数字で表すようになったのでしょう。

それは、原因を調べないこと、システム全体を疑問視しないということなのでしょうか?

もう悲しむこともなく、感動することもないのでしょうか?

ふだん、私はここで経済の話をしていますが、今回の話は、私がとりあげる項目にぴったりだと思います。

なぜなら、私が毎日、番組で話している数字や政策の裏には、実生活への影響がありますし、文明の建設と破壊がありますし、単純に言ってしまえば、人々がいます。

私が話しているのは人々のことであり、この社会のことです。それが私が仕事として選んだことです。

事実を捻じ曲げて、憎しみや恨みをあおる人たちがいる今、多くの人たちが、恐怖に打ちのめされている今、私は、皆さんにただ事実を、生の事実であり、ありふれた事実を伝えています。

この恐怖が、もっと悪いことにこの無関心が、火曜日に人を殺し、それは毎日人を殺すのです。

きょうは、Blast(このメディアの名前)で、シェアや寄付を呼びかける気になれません。

かわりに、この動画の下に、ホームレス支援団体へのリンクを貼ります。そして、写真を紹介してルネ・ロベールに敬意を表します。

彼は、フラメンコの写真家で、この宇宙のもっとも偉大な芸術家すべてを不滅の存在にするために、生涯を捧げたのです。

単語メモ

un constat  確認の言葉、確実な事実

vertigineux  目がくらむほどの、気が遠くなるような;(話)ものすごい

odieux  憎むべき、忌まわしい;不愉快な、醜悪な、耐え難い

par le biais de  ~という(間接的な)手段で、~を媒介として

foudroyer  雷で打つ

un plaidoyer  口頭弁論

une tribune  演壇、討論会

un coup de gueule  不平・不満をわめきちらすこと

déroger à  ~に背く、違反する

s’attriser de  ~を悲しむ

un ressentiment  恨み

assommer  打ちのめす、まいらせる、落胆させる

vouer  ささげる、献身する

■前半はこちら⇒社会は病んでいる~他人に対する無関心(前編)。

*****

確かにニュースはできごとを数字で表します。

新型コロナウィルスで亡くなった人の数や、戦争で亡くなった人の数など。

しかし、数字の裏には、人間とその人たちの生活があります。その人には家族もいます。

それを忘れないようにしたいです。






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