ヨーロッパには、いくつの言語があると思いますか?
今回は、TV5Mondeがフランス語学習者向けに制作した、1分22秒のインフォグラフィック動画、Quelles sont les langues parlées en Europe ?(ヨーロッパではどんな言語が話されているか?)を紹介します。
英語が支配的に見える現代でも、ヨーロッパには驚くほど多くの言語が生きています。
Langues parlées en Europe
言語の分布や系統に関する知識が、1分少しの動画の中にうまく詰め込まれています。
1分22秒。フランス語の字幕あり。
トランスクリプション
Nous vivons dans un monde où l’anglais règne en maître absolu.
Mais si l’on se concentre sur l’Europe, c’est une tout autre histoire.
Sur le vieux continent, la langue maternelle la plus parlée est le russe.
120 millions de personnes l’emploient depuis leur naissance.
Viennent ensuite l’allemand, le français, oui, devant l’anglais.
L’anglais, qui devance tout juste le turc.
On ne parle pas seulement le turc en Turquie.
Il est également pratiqué à Chypre, en Grèce et en Macédoine.
Sur ce continent européen, du biélorusse au portugais, en passant par le bosnien, le norvégien ou l’italien, on peut compter 46 langues principales, divisées en trois origines : les racines slaves, les origines germaniques et les langues romanes.
Mais il y a aussi les celtiques, ou encore les baltes.
Et ça ne s’arrête pas là.
Savez-vous combien de langues régionales sont parlées en Europe ?
225, dont certaines sont millénaires.
Dans les Canaries, sur l’île de la Gomera, les écoles ont toujours l’obligation d’enseigner aux élèves le silbo, une langue sifflée qui appartient elle aussi au patrimoine européen.
Écoutez.
Ce que vous venez d’entendre veut dire “à bientôt”.
ヨーロッパの言語:和訳
私たちは、英語が絶対的な支配者として君臨する世界に生きています。
しかし、ヨーロッパに焦点を当てると、話はまったく違ってきます。
この古い大陸で最も多くの人が母語として話すのはロシア語です。
1億2000万人が、幼いころからこの言語を使っています。
次に来るのはドイツ語、そしてフランス語、はい、英語より上です。
英語は、かろうじてトルコ語の上です。
トルコ語はトルコだけで話されているわけではありません。
キプロス、ギリシャ、マケドニアでも使われています。
このヨーロッパ大陸には、ベラルーシ語からポルトガル語まで、ボスニア語、ノルウェー語、イタリア語などを含めて、主要な言語が46あり、それらは3つの系統に分けられます:スラヴ系のルーツ、ゲルマン系の起源、そしてロマンス系の言語です。
でも、それだけではありません。
ケルト語族やバルト語族もあります。
そしてそれで終わりではありません。
ヨーロッパで話されている地域言語がいくつあるかご存じですか?
225言語で、その中には何千年もの歴史を持つものもあります。
カナリア諸島、ラ・ゴメラ島では、学校で生徒に「シルボ」という言語を教えることが今も義務づけられています。
これは口笛で話す言語で、ヨーロッパの文化遺産の一部でもあります。
聞いてみてください。
今お聞きいただいたのは、「またね」という意味です。
単語メモ
régner(v) 君臨する、支配する
L’anglais règne en maître absolu.
英語が絶対的な支配者として君臨している。
se concentrer sur A(v) Aに集中する、Aに焦点を当てる
Mais si l’on se concentre sur l’Europe…
しかし、ヨーロッパに焦点を当てると…
langue maternelle(f) 母語
La langue maternelle la plus parlée est le russe.
最も多くの人が話す母語はロシア語である。
employer(v) 使う、用いる
120 millions de personnes l’emploient depuis leur naissance.
1億2000万人が生まれたときからこの言語を使っている。
devancer(v) 先を行く、上回る
L’anglais, qui devance tout juste le turc.
英語は、かろうじてトルコ語の上に位置している。
pratiquer(v) 使用する、実践する
Il est également pratiqué à Chypre.
それ(=トルコ語)はキプロスでも使われている。
continent(m) 大陸
Sur ce continent européen…
このヨーロッパ大陸では…
origine(f) 起源、由来
Divisées en trois origines.
3つの起源に分けられている。
langue régionale(f) 地域言語
Combien de langues régionales sont parlées en Europe ?
ヨーロッパではいくつの地域言語が話されているか?
obligation(f) 義務
Les écoles ont toujours l’obligation d’enseigner le silbo.
学校では今もシルボを教える義務がある。
enseigner(v) 教える
Les écoles doivent enseigner le silbo.
学校はシルボを教えなければならない。
appartenir à A(v) Aに属する
Le silbo appartient au patrimoine européen.
シルボはヨーロッパの遺産に属している。
今日のプチ文法:関係代名詞 dont の使い方
dont は、前置詞 de を含んだ関係代名詞で、人にもものにも使えます。
deでつながる表現の中で使われ、「〜のうちの」「〜に関する」「〜を持つ」という意味合いを持ちます。
◆例文:
225, dont certaines sont millénaires.
(225のうちのいくつかは、何千年もの歴史がある。)
ここでのdontは、前に出てきた「225(の言語)」の中の「いくつか」を指しています。
「いくつかの言語は…」→「それらのうち、いくつかは…」という感じです。
◆主な使い方のパターン:
名詞 + dont + 主語 + 動詞(de をとる動詞)
例:
C’est un film dont je me souviens bien.
それは、私がよく覚えている映画です)
→ se souvenir de ~(〜を覚えている)
名詞 + dont + 主語 + de + 名詞
例:
Voici un écrivain dont le style est original.
こちらは、文体が独特な作家です。
→ le style de l’écrivain
名詞 + dont + 数量表現(la plupart, certains, quelques-unsなど)
例:
J’ai beaucoup de livres, dont plusieurs en français.
たくさん本を持っていますが、そのうちいくつかはフランス語のものです。
◆dontの説明をしている動画
4分
欧州の言語・関連動画
Pourquoi parle-t-on différentes langues ? (なぜ私たちは違う言語を話すのか?)子どもむけの説明です。
4分16秒。フランス語の字幕あり。
内容のまとめ:
1.言語とは何か
言語は、人と人とが意思疎通するためのシステム。発話、書き言葉、身振りなどを使って成り立っており、世界には3000〜7000の言語が存在する。
現在、最も多く話されているのは英語で、フランス語は5位。
2. 言語は常に変化する
言語は進化するもので、古い語が消え、新しい語が生まれる。
例:dictamen や paperasser は消え、gameur や autotest が新しく登場。
言語同士は影響を与え合い、多くの単語が外来語(英語・アラビア語・イタリア語など)である。
3. 言語の起源ははっきりしない
言語の起源や最初の言語の数・場所は不明確で、科学者の間でも意見が分かれている。
ネアンデルタール人は音を発する能力があり、言語は3〜5万年前に現れたと考えられている。
4. 言語の分化は距離と生活環境による
人類の移動や距離の隔たり、暮らし方の違いによって、異なる言語が生まれてきた。
地域(例:フランスとケベック)、時間(例:祖父母と言葉が違う)によっても、語彙や文法は変化する。
5. 言語の未来と消滅のリスク
多くの言語は年配者しか話さず、消滅の危機にある。言語学者によれば、今後100年で多くの言語が失われる可能性がある。
言語は「語族」という分類に分けられ、最も知られているのはインド・ヨーロッパ語族。
言語の起源や将来については、まだ解明されていない部分も多く、探究の余地がある分野である。
*****
私の趣味は語学だと言えますが、言語は、文化や思考の入口となるものなので、学んでみるといろいろおもしろいですね。
この記事へのコメントはありません。