フリット(フレンチフライ)

フランス語を読む練習

世界チャンピオンに2度輝いたフレンチフライ屋さん(後編)

北フランスの人気フライドポテト店をルポした動画の後編です。

タイトルは、Une friterie double championne du monde (世界選手権二冠のフリトリー)

フリトリー・フレノワ

後編は1分56秒から最後まで訳します。

3分47秒。フランス語の字幕あり。

◆前編はこちら⇒世界チャンピオンに2度輝いたフレンチフライ屋さん(前編)

トランスクリプション

– Alors ça c’est tous vos enfants ?

– Alors donc là on a mon fils, mon neveu, ma nièce.

Alors moi ce que j’aimerais bien que tu goûtes ce soir, c’est la saucisse au vieux Lille !

– Ah c’est ça !

– Ils font tous des saucisses au maroilles et personne ne fait de saucisses au vieux Lille !

– On sait pas ce que c’est que le vieux Lille !

– C’est un fromage Mathieu !

– Ah d’accord !

– Un maroilles il est affiné 40 jours, le vieux Lille est affiné 60 jours.

– Le chien chaud ! Avec la saucisse au vieux Lille Mathieu.

– Quelques oignons frits, des petites graines de moutarde.

– Ça c’est pour une personne ?

– Oui ! Tout à fait !

– Alors aujourd’hui ce que tu vas goûter, en fait c’est un burger façon Welsh.

Donc tu auras l’éffiloché de porc, et dessus on va te mettre la sauce cheddar fondue.

C’est pas évident à dire !

– Voilà la moutarde !

– Et voilà !

Une œuvre d’art !

– Formidable !

– Tu veux que je te dise un truc ?

– Bah oui.

– Ce monsieur il suit partout la friterie Frénoi.

– C’est vrai ?

– C’est mon follower !

– Il en a un !

On va manger à côté, parce qu’on a le droit d’aller manger au Narval !

– Ah bah on peut aller au Narval !

– Alors si t’habites dans le coin, tu viens chercher.

Mais tu viens aussi manger au Narval.

Bonsoir ! Ah bah oui voilà !

Tout le monde a fait comme nous !

Donc voilà ! Champion du monde.

Je goûte le Pulled Pork !

Ça c’est le Welsh revisité ?

– Ouais !

– T’as dit : tu voudrais vendre les frites de ta mère ou de ta grand-mère.

– Bah parce que faire des bonnes frites en définitive, ça prend énormément de temps !

Faut tout couper à la main, faut laisser reposer, faut cuire une seconde fois !

Mais en revanche, la qualité de ta frite, elle est là, et les gens s’y trompent pas.

– Regarde ça !

– Oui j’ai vu, j’ai vu !

– Et alors, la grand-mère elle faisait des super frites ?

– Ouais !

Dans le Nord, si tu veux, on a cette culture de la bonne bouffe !

Traditionnellement, on a des réunions de famille où tu te retrouves avec les oncles, les tantes, les cousins…

Et cette époque-là, en fait, les gens faisaient beaucoup de plats mijotés.

Et donc on a comme ça des plats qui sont emblématiques du Nord : les frites, la carbonade, le potjevleesch.

La cuisine ici, c’est une cuisine conviviale, une cuisine d’amis, de fêtes et c’est super généreux !

– Merci !

– On reviendra ?

– Oui bah oui évidemment !

– Dis donc, on commence à voir les barquettes.

– C’est meilleur quand y’en a beaucoup !

和訳(後編)

— じゃあ、ここにいるのはみんなお子さんですか?

— そう、息子と、甥っ子、それから姪です。

今夜あなたにぜひ食べてほしいのは、ヴュー=リールのソーセージです。

— ああ、なるほど。

— みんなマロワールのソーセージは作るけど、ヴュー=リールのは誰も作らないんです。

— そもそもヴュー=リールがわかりません。

— チーズよ、マチュー!

— なるほど!

— マロワールは40日熟成、ヴュー=リールは60日熟成させます。

— ホットドッグ、ヴュー=リールのソーセージ入りで、マチュー。

— 揚げたタマネギとマスタードシードを少し。

— これ、一人分ですか?

— ええ、そうです。

— 今日食べてもらうのは、ウェルシュ風バーガーなんです。ほぐした豚肉の上に、チェダーチーズソースをかけて仕上げます。

— 言うのも難しいですね

— はい、マスタードです!

— できましたよ!

— 芸術作品です。

— すばらしい!

— 一つ言ってもいい?

— ええ、どうぞ。

— この紳士ね、フリトリー・フレノワをどこにでも追いかけてくるんですよ。

— 本当ですか?

— 彼は私のフォロワーなんです。

— フォロワーが一人!

— さて、隣で食べましょう。ナーヴァルに行って食べてもいいから。

— はい、ナーヴァルに行けます。

— そう、もしこの辺に住んでるなら、テイクアウトもできるけど、ナーヴァルで食べられるの。

— こんばんは! ああ、やっぱりほら。みんな同じことしてます。

というわけで、世界チャンピオンです。

— プルドポークをいただきます!

— これがアレンジしたウェルシュなんですね?

— そうです!

— あなた、母親かおばあちゃんのフライドポテトを売りたいって言ってましたよね。

— というのも、おいしいフリットを作るのは本当に手間がかかるんですよ。全部手で切って、寝かせて、二度揚げしないといけない。

でも、その分、フリットの味は格別で、お客さんはちゃんと違いがわかるんです。

— 見て、これ。

— うん、見た見た!

— それで、おばあさんもすばらしいフリットを作りましたか?

— ええ。北部では、「うまいもの文化」が根づいています。親戚がみんな集まって、叔父や叔母、いとこたちと大勢で食事をする習慣があったんです。

当時は、みんな煮込み料理をよく作っていました。それで北部には、こういう伝統的な料理が残ってるんです。

フリット、カルボナード(牛肉のビール煮)、ポチュフレッシュ(冷製肉のゼリー寄せ)なんかが。

北部の料理は、友人や家族が集まって食べる、お祝いの料理で、とても気前がいいんです。

— ありがとうございます!

— また来ますか?

— もちろん!

— ほら、トレーが少し見えてきたね。

— たくさんあるほうがいいわ。

単語メモ

affiné 熟成した、熟成させた

fromage affiné 熟成チーズ。熟成期間を表すときは affiné pendant 40 jours(40日間熟成)という。

effiloché (肉などを)細くほぐした、裂いた

mijoté 煮込んだ、じっくり火を通した

Ch’ti(または Chti) 北フランスの人・言葉を指す愛称。フランス北部、特にリール周辺の地方出身者やその方言を指す。

ne pas être évident なまやさしいことではない。 C’est pas évident à dire ! 言うのも簡単じゃない。

les gens s’y trompent pas 人びとは間違えない⇒違いに気づく

la bonne bouffe おいしいもの

フリット・関連動画

同じ店を取材した2分半のニュースクリップです。

Tous les secrets pour faire la meilleure frite avec un champion du monde ! (世界チャンピオンが教える、最高のフライドポテトを作る秘訣のすべて)。

内容の要約:

1.世界フリットチャンピオンの経歴と技術

フィリップ・フレノワ氏はアマチュア部門のフリット世界チャンピオン。14歳から屋台でフリットを作り続けてきた経験があり、プロを目指している。

2.理想のフリットは「10×10mm」と二度揚げ

フリットのカットは10mm角が最適で、外はカリッ、中はふんわり仕上げる。牛脂を使った二度揚げと、合間に最低30分休ませる工程を徹底している。

3.味の決め手は酢のハーブスプレー

ディル、ホースラディッシュ、マジョラムなどを漬け込んだ酢を、揚げたてのフリットにスプレーし、酸味と香りを加える独自の工夫をする。

4.素材はすべて地元5km圏内から調達
 
じゃがいも、肉、チーズ、パンなどの材料はすべてランセル周辺の生産者から仕入れ、地産地消と地域へのこだわりを大切にしている。

5.地域に根ざした屋台が懐かしい味として人気

金曜から日曜の夜に家族で屋台を出す。客は「おばあちゃんの味を思い出す」「また食べたくなる」と高く評価。本人は「母の方がもっと上手」とあくまで謙虚である。

~~~~

このクリップからすると、彼は、週末だけ家族と屋台を出しており、今のところ、フリットだけで生計を立てているわけではないようです。ただし、

・世界チャンピオンになったこと

・週末営業を始めたこと

・地元産素材へのこだわり

など、プロのような仕事ぶりで、プロを目指しているようです。

◆関連記事もどうぞ⇒ジャンボン・ブールとその魅力:フランスの定番サンドイッチ

****

ハーブを加えたお酢をかけるところがポイントですね。

フィリップさんの仕事ぶりには、地元愛と職人気質が垣間見えます。






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