フランスの若者向けマガジン番組 C’est quoi l’info ? から、バレンタインデーにちなんだ特集を紹介します。
タイトルは、Les jeunes et l’amour (spéciale Saint-Valentin) 若者と愛(バレンタインスペシャル)
若者たちがバレンタインの過ごし方や愛について語り、バレンタインの起源や出会い系アプリの話題まで取り上げた、盛りだくさんの内容です。
愛って何?
4分46秒。フランス語の字幕あり。
※補足:動画では「13歳から登録できるアプリもある」と紹介されていますが、フランスでは、未成年のSNS利用をめぐる規制(15歳未満は保護者同意/あるいは利用制限)について法整備が進んでいます。動画の情報は古くなっている点にご注意ください。
動画の内容
今の世代はSNSの影響で恋愛が表面的になりがちで、うまくいかないとすぐ別の相手を探してしまう、という声がある一方で、「愛とは相手の話を聞き、理解し、うまくいかないときでも支え合うこと」と語る人もいます。
■1966年の映像
1966年の若者たちのインタビュー映像も紹介されています。当時の若者たちは、「一緒にいれば世界が崩れても構わない」というような、とてもロマンチックな言葉で愛を語っていました。
■起源の説明
番組ではバレンタインの起源にも触れています。3世紀のローマで、迫害を受けていたキリスト教徒のために密かに結婚式を行った司祭バレンティヌスが、270年2月14日に処刑されたことが由来です。
■若者たちの過ごし方
若者たちのバレンタインの過ごし方は、恋人と映画を観てドーナツを食べる、友達とレストランに行く、マクドナルドを食べる、特に何もしないなど、さまざまです。
■バレンタインに最も聴かれた曲
また、音楽配信サービスDeezerの調査によると、バレンタイン当日に最もストリーミングされた曲はマイリー・サイラスの Flowersだそうです。
自立と自己愛をテーマにした曲がバレンタインに一番聴かれているというのが、今っぽいですね。
■出会い系アプリに注意
最後に、出会い系アプリの話題もあります。便利な反面、年齢を偽ったり偽のプロフィールを作ったりする悪意のある人もいるため、注意が必要だと警告しています。
重要フレーズ
動画の中から、私が「難しいかも」と思ったフレーズを4つ紹介します。
1. 愛の本質について(0:35〜)
Mais je pense qu’il y a encore au fond de nous, l’homme pour moi il est fait pour aimer, que ce soit en amitié, en famille, en amour.
でも私は、私たちの心の奥底には、人は愛するために生まれてきたのだという思いがまだ残っていると思う。それが友情であれ、家族であれ、恋愛であれ。
ここでの en は「〜において/〜の面で」という意味で、状態や領域を表すenです。
en amitié(友情の面で)、en famille(家族の面で)、en amour(恋愛の面で)というふうに、愛にもいろいろな種類があることを表しています。
他の例:en théorie/en pratique、en public/en privé
2. 1966年の若者の言葉(1:10〜)
C’est formidable, c’est quelque chose d’extraordinaire, le tout c’est de le connaître.
それは素晴らしい、とても特別なものだ。大事なのは、それを知ることだ。
le toutは名詞として使われていて、「一番大切なこと」「肝心なこと」という意味になります。Le tout est de+不定詞(大切なのは〜することだ)というかたちでよく出てきます。
3. 愛の不安定さ(1:23〜)
Mais il faut vraiment s’attendre à tout moment à ce qu’il y ait quelque chose qui fasse tout basculer.
でも、いつ何が起きて状況が一変するかわからない、という覚悟は本当にしておくべきだ。
s’attendre à ce que + 接続法(〜を覚悟する、〜を予想する)という構文が使われています。à ce que の後ろが接続法になるのがポイントです。il y ait は avoir の接続法、fasse は faire の接続法ですね。
4. 愛の覚悟(1:28〜)
Venant soit de soi-même, mais le plus souvent (de) quelque chose d’extérieur.
(それは)自分自身から来ることもあるが、もっと多いのは外的な要因だ。
venant は venir の現在分詞で、直前の文の quelque chose(何か)を説明しています。現在分詞が後ろから名詞を修飾するパターンですね。
単語メモ
rimer avec 〜と韻を踏む、〜と結びつく
puissant(e) 強い、力強い、影響力のある
avoir confiance en 〜を信頼している
superficiel(le) 表面的な、浅い
dès que 〜するとすぐに
attentionné(e) 思いやりのある、気遣いのできる
corde raide ピンと張った綱(綱渡りの綱)→ 危うい状況
basculer ひっくり返る、一変する
s’écrouler 崩れ落ちる、崩壊する
se pencher sur 〜に取り組む、〜を詳しく調べる
prôner 推奨する、唱える
appli de rencontre 出会い系アプリ(application de rencontre の口語)
faire gaffe 気をつける、注意する(口語)
embobiner だます、言いくるめる(若者語で、丸め込む)
プチ文法:文頭の Que + 接続法
この文頭の Que + 接続法は、「たとえ〜であっても」「〜であれ」という意味を表す構文です。
1966年の若者が愛について語る場面に、こんなフレーズが出てきました。
Que le monde s’écroule autour de soi.
たとえ世界が自分の周りで崩れ落ちようとも。
Que le reste n’ait plus aucune importance.
ほかのことなんてどうでもよくなってしまっても。
ほかにもこんな例があります。
Que tout le monde soit content !
みんなが満足していればそれでいい!
Qu’il pleuve ou qu’il fasse beau, je sors.
雨であろうと晴れであろうと、私は出かける。
日常会話ではあまり使いませんが、文学作品や映画のセリフなど、感情がこもった場面ではときどき見かけます。
バレンタインの起源・関連動画
バレンタインの起源についてもっと詳しく知りたい方には、こちらの動画もおすすめです。
3分40秒。フランス語の字幕あり。
この動画では、バレンタインデーがなぜ愛の祭日になったのか、その歴史をたどっています。
簡単な要約:
・2月は古代から愛の月とされていました。
古代ギリシャではゼウスとヘラの結婚を祝う行事があり、古代ローマでは豊穣と愛を祝うルペルカリア祭(Lupercalia)が行われていました。
・3世紀のローマで、皇帝クラウディウス2世が兵士の結婚を禁止。
司祭バレンタインはこれに反対し、密かにカップルを結婚させていました。
・投獄されたバレンタインは看守の盲目の娘と親しくなり、奇跡で彼女の視力を回復させたとされます。
彼は、270年2月14日の処刑直前に「あなたのバレンタインより(Ton Valentin)」と署名した手紙を送りました。
・教皇ゲラシウス1世がバレンタインを恋人たちの守護聖人と宣言し、2月14日を祭日に定めました。
・中世イギリスでは2月14日は鳥が求愛を始める日とされ、独身の男女をペアにする行事がありました。
15世紀末、イギリスに囚われていたシャルル・ド・オルレアンを通じてこの習慣がフランスへ伝えられました。
バレンタインデー:関連記事
バレンタインに関しては過去にたくさん記事を書いています。その一部を紹介します。
バレンタインデーに関する言葉:かわいいフランス語教えます~その55
バレンタインデーの簡単テーブルコーディネート~フランス語の動画で学ぶ
バレンタインデーのフランス語~その5 バレンタインカードに書く文章
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バレンタインデーの動画を紹介しました。
1966年の若者が語っていることって何か哲学的です。「一緒にいれば世界が崩れても構わない」なんて、映画のセリフみたいですよね。
一方、今の若者たちは「SNSのせいで恋愛が浅くなった」と感じている人もいれば、「理解し合い、支え合うことが大切」としっかり語る人もいて、時代は変わっても愛について真剣に考える気持ちは変わらないようです。
さて、今回から動画を紹介する記事の構成を変えました。
動画のトランスクリプションと全文の和訳ではなく、学びどころを拾う形式にしました。
感想などありましたら、お気軽にお寄せください。












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