アルゴリズム

フランス語を読む練習

アルゴリズムってなに?:9世紀に生まれた言葉の正体

アルゴリズムの起源と発展を説明している1分半の動画を紹介します。

アルゴリズムは、何かを解決するための明確で具体的な手順、または効率的に問題を解決するための体系的なアプローチです。

動画のタイトルは、Que sont les algorithmes, ces forces invisibles derrière les réseaux sociaux ?(ソーシャルネットワークの背後にある見えない力、アルゴリズムとは何か?)

TV5 Mondeが運営するフランス語学習者向けの 7 Jours のコンテンツなのでフランス語はやさしめです。

アルゴリズムとは?

1分24秒。フランス語の字幕あり

トランスクリプション

Au IXe siècle en Perse, le mathématicien Al-Khwarizmi donne son nom à une nouvelle méthode de calcul, qui connaît un succès immédiat. Avec le temps et les usages, son nom se transforme et devient “algorithme”.

Un algorithme est une méthodologie permettant de résoudre un problème mathématique. À partir des éléments fournis, il décrit une suite d’étapes à suivre pour obtenir un résultat donné. Une recette de cuisine est une forme d’algorithme, mais ces principes sont surtout utilisés en informatique.

Un ordinateur peut être considéré comme une gigantesque machine à calculer. Son programmateur lui fournit un ou plusieurs algorithmes sous forme de lignes de code, qui sont des instructions permettant d’exécuter une tâche de manière automatique. Tous les logiciels et applications reposent sur leurs propres algorithmes, dont les secrets sont souvent bien gardés.

Sur les réseaux sociaux comme Facebook, par exemple, le contenu affiché sur le fil d’actualités dépend des préférences et des réactions de l’utilisateur. Ce sont ces données initiales qui servent de base aux calculs de l’algorithme, visant à maximiser le temps passé sur la plateforme.

Alors, peut-on vraiment faire confiance aux algorithmes ? Ce ne sont pas des formules magiques : ils ne font qu’exécuter des ordres. Ce qu’il faut questionner, c’est le facteur humain qui intervient tout au long de leur conception.

Les calculs réalisés par les ingénieurs sont-ils suffisamment complets ? Les données collectées par les scientifiques l’ont-elles été de manière neutre et éthique ? Sans l’intervention humaine, un algorithme ne peut rien calculer.

アルゴリズム・和訳

9世紀のペルシャで、数学者アル・フワーリズミは新しい計算方法に自身の名を与えました。それはすぐに広まりました。

時が経ち、使われるうちに、その名前は変化し「アルゴリズム」となりました。

アルゴリズムとは、数学的な問題を解決するための手法です。与えられた要素をもとに、ある結果を得るために踏むべき手順の流れを示します。

料理のレシピもアルゴリズムの一種ですが、こうした考え方は主にコンピュータ科学で使われています。

コンピュータは、巨大な計算機とみなすことができます。

プログラマーはコンピュータに、コードのかたちで1つまたは複数のアルゴリズムを与えます。コードとは、あるタスクを自動で実行するための命令です。

すべてのソフトウェアやアプリケーションは、それぞれ独自のアルゴリズムに基づいて動いており、その内容は往々にして秘密にされています。

たとえば、FacebookのようなSNSでは、ニュースフィードに表示される内容は、ユーザーの好みや反応によって決まります。これらの初期データが、アルゴリズムの計算のもとになり、その目的は、ユーザーがプラットフォーム上で過ごす時間を最大化することです。

では、私たちはアルゴリズムを本当に信頼できるのでしょうか? 

アルゴリズムは魔法の公式ではありません。ただ命令を実行しているだけです。問い直すべきは、これを作るのにかかわる人間の要素です。

エンジニアたちが行った計算は十分に包括的だったのか? 

科学者たちが収集したデータは、中立的かつ倫理的な方法で得られたものなのか? 

人間の関与なしに、アルゴリズムは何も計算することはできないのです。

単語メモ

méthodologie:方法論、体系的な手順(=méthode より学術的で抽象的)

à partir de:〜から、〜をもとにして(時間・材料・条件などの起点を表す)

décrit ← décrire :描写する、説明する

Il décrit les étapes.=彼は手順を説明する

reposer(sur qc):〜に基づいている、〜に依存している

Le système repose sur un algorithme. システムはアルゴリズムに基づいている

affiché(← afficher):表示する、掲示する、画面などに出す

Le contenu affiché=表示されたコンテンツ

fil d’actualités:ニュースフィード(SNSなどで投稿が時系列に並ぶ表示欄)

faire confiance(à qn/qc):〜を信頼する

Peut-on faire confiance aux algorithmes ? 私たちはアルゴリズムを信頼できるか?

conception:設計、構想、考案(もの・仕組みをつくる最初のプロセス)

プチ文法:ce que 構文

フランス語では、「〜すること」「〜であること」のように、文章全体を名詞のように扱いたいときに ce que という表現を使います。

これは関係代名詞 que を使った構文で、以下のような形をとります:

Ce que + 主語 + 動詞…(=主語が〜すること)

たとえば、今回のトランスクリプションにはこんな文がありました:

Ce qu’il faut questionner, c’est le facteur humain. 問い直すべきなのは、人間の要素です。

この文では、Ce qu’il faut questionner(=私たちが問うべきこと)が文の主語で、それが c’est le facteur humain(=それは人間的な要素だ)と説明されています。

そのほかの例:

Ce que j’aime, c’est la clarté. 私が好きなのは、明快さです。

Ce que tu dis n’est pas vrai.  君が言っていることは本当ではない。

Ce que nous avons vu était impressionnant. 私たちが見たものは印象的だった。

この構文は「こと」「もの」といった抽象的な主語・目的語に使える便利な表現です。

アルゴリズム・関連動画

アルゴリズムについて3分で説明している動画です。タイトルは Les algorithmes

3分。フランス語の字幕あり。

基本的に 7 jours の動画と同じ内容ですが、以下に簡単に内容を要約します。

・アルゴリズムは日常のあらゆる場面に存在し、料理のレシピのように「データに基づいた手順」として機能している。

・現代ではソフトウェアを通じて多くのデータを処理し、本の推薦や病気の流行予測など多様な用途に使われている。

・一部のアルゴリズムは「自己学習型」で、蓄積したデータに応じて行動を変化させる(人工知能の領域)。

・私たちがネット上に入力する情報(投稿や登録など)は全てデータとなり、広告や提案の根拠として使われる。

・こうした仕組みの背後には、企業の利益や販売戦略があり、中立的な仕組みではないことに注意が必要。

■関連記事もどうぞ⇒コンピュータのプログラマー、レアの仕事。

*****
アルゴリズムという言葉は、Googleが登場してからよく聞くようになったと思います。

でも、この言葉自体は9世紀からあったんですね。

その後、人類は常にさまざまな手順を考え、問題を解決してきました。それがコンピュータの登場によって、より厳密に定義され、重要性が飛躍的に高まり、広く使われる言葉になった、というわけです。

アルゴリズムに関する問題としては、動画でも言っていたように、それが必ずしもニュートラルではないという点です。

アルゴリズムは単なる計算手順ですが、その設計や学習データに偏りが含まれていると、結果にも偏りが生じる可能性があります。

でも、これはアルゴリズムそのものの問題ではなく、それを設計する人間の問題です。アルゴリズムを作るとき、できるだけニュートラルに作ることが求められます。






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コメント

  • コメント (2)

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    • malt
    • 2025年 6月 12日 2:18pm

    アルゴリズムの動画、面白かったです。
    ce que構文も判り易くて勉強になりました。
    ありがとうございます。

      • pen(フランス語愛好家)
      • 2025年 6月 13日 8:07am

      maltさん
      早速、記事を見ていただきありがとうございます。
      少しでもお役に立てたならとてもうれしいです。
      これからもよろしくお願いします。

      コメントありがとうございました☺️

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