ブロブ

フランス語を読む練習

驚くべきブロブ、謎の生物の正体は?

2019年の秋、ブロブと呼ばれる単細胞の生物が、パリの動物園で公開されて話題になりました。

このブロブについて説明している短いアニメーション動画を紹介します。

タイトルは、L’incroyable blob(驚くべきブロブ)です。

ブロブ・前知識

ブロブの正式な名前はPhysarum polycephalum(フィサルム・ポリセファルム)で、粘菌です。

粘菌は、辞書によると、枯れ木や枯れ葉などの表面にアメーバ状の体を広げ、アメーバ運動をして栄養分をとり、球形、円柱形などの胞子嚢(ほうしのう)を出す生物のこと。ホコリカビは粘菌の一種です。

動く黄色いカビ、と考えるといいでしょう。

ブロブにはいろいろ変わった特色があり、その生態を研究することで、医療や、最短経路の発見など、人間の生活に役立てることができます。

ブロブって何?

2分32秒。フランス語の字幕があります。

トランスクリプション

Attention, surnaturel.

Nous sommes en 1973, au Texas : une dame découvre dans son jardin une masse spongieuse et visqueuse – dégoutant.

Malgré les coups de pelle et les pesticides, elle double de taille chaque jour.

Effrayée, la dame appelle la police qui n’obtiendra pas plus de résultat en tentant de brûler la chose ou en tirant dedans.

Pour rappel, nous sommes au Texas.

L’épisode prendra fin avec la disparition pure et simple de « la chose »…

Cet épisode est le point de départ de la célébrité de Physarum polycephalum, ou blob pour les intimes.

Vous savez, comme dans ce film des années 50 où une masse extraterrestre tente de tout avaler sur son passage.

Mais laissez de côté les extraterrestres, cette créature est du coin…d’ailleurs, elle était là avant tout le monde. On estime qu’elle est apparue il y a 1 milliard d’années.

Mais alors, qu’est-ce qu’elle a de particulier cette bestiole ?

Eh bien, à peu près tout…

D’abord, elle n’est ni un animal, ni un végétal, ni un champignon : elle emprunte des caractéristiques à ces trois familles du vivant.

Ensuite, le blob est un organisme unicellulaire.

Mais sa seule cellule est gigantesque… elle peut faire jusqu’à 10 mètres carrés !!

Plutôt pas mal quand on sait qu’une cellule humaine mesure en moyenne 0,001 millimètre de diamètre.

Le blob a aussi un mode de reproduction original.

Il dispose de 720 genres sexuels différents.

Vous, quand vous rencontrez un être humain, vous avez une chance sur deux qu’il soit du sexe opposé, et donc de pouvoir vous reproduire.

Le blob, lui, a 719 chances sur 720… Solide.

Mais le blob peut aussi se cloner.

Coupez-le en deux et, deux minutes après, vous aurez deux blobs.

Je continue ?

Le blob n’est qu’une cellule, mais il sait se déplacer.

Il utilise son système veineux pour se pousser dans une direction ou dans une autre.

Et le meilleur, quand votre blob vieillit, il suffit de le faire sécher et de le réhydrater pour qu’il retrouve une deuxième jeunesse.

Celui qu’utilise Audrey Dussutour, la référence tricolore en matière de blob, approche gentiment de ses 70 ans.

Lutte contre le cancer ou contre le vieillissement, le blob ouvre des champs nouveaux dans la recherche médicale, mais pas seulement.

Ses réseaux de veines, lui permettant de faire transiter la nourriture sont aussi performants que les réseaux de transport de nos villes, et pourraient bien nous aider à les améliorer.

Vu comme ça, c’est vrai qu’on pourrait penser que c’est un extraterrestre…

和訳

注意して、超自然現象です。

1973年、テキサスでのできごと。ある婦人が庭でスポンジ状のねとねとした、気持ちのわるいかたまりを見つけました。

シャベルで取り除こうとしたり、殺虫剤をかけても、このかたまりは毎日、大きさが倍になっていきました。

恐ろしくなった婦人は警察を呼びます。警官が、焼いたり、地面ごと掘り返そうとしたものの、さして効果はありません。

繰り返しますが、テキサスでのできごとです。

このかたまりがあっさり消えて、この事件は終わりました。

このできごとは、フィサルム・ポリセファルム、よりわかりやすい名前で言うとブロブが、有名になる発端となりました。

1950年代の映画の中で、前進しながら何もかも飲み込んでいく地球外生物のようです。

しかし、地球外生物という点は横に起きましょう。この生物は、別物です。すべてが登場する前からいました。

ブログは10億年前に現れたと考えられています。

でも、この小さな生物の何が特別なのでしょうか?

実は、ほとんどすべてです。

まず、ブロブは動物でも植物でもきのこでもありません。この3種類の生き物の特徴をあわせて持っています。

次に、ブロブは単細胞の有機体(生物)です。

しかし、そのたった1つの細胞は巨大です。10平方メートルの大きさにまでなります。

人間の細胞の平均が、直径0.001ミリメートルであることを考えたら、相当大きいです。

また、ブロブは独特の生殖の仕方をします。720の違った性別があります。

みなさんが、ある人間と出逢えば、それが自分と別の性別である可能性は2つに1つで、その場合、自分を再生産できます。

ブロブは、720のうち719の確率です。すごい。

しかも、自分でクローンを作ることもできます。2つに切ると、2分後には、2つのブロブができあがるのです。

続きを聞きたいですか?

ブログはたった1つの細胞にすぎませんが、移動することができます。

葉脈のような筋を使って、1つの方向へ、または別の方向へ行きます。

最高なのは、年をとっても、乾燥させれば、第2の若さを取り戻すことです。

これは、ブロブの生態の身元保証人(=研究者)である、オードレ・デュシュトールが行っている方法で、ブロブは、おとなしく70歳に近づいていきます。

ガンにもならず、年もとらない。そんなブロブは、医療の研究に新しい分野をもたらしましたが、それだけではありません。

葉脈のようなネットワークは、栄養を送るのに使われますが、これは、都市の交通網と同じくらい効率がよく、私たちの交通網を向上させるのに役立てることができそうです。

このように見てくると、ブロブを地球外生物と考えてしまうのも無理はありませんね。

単語メモ

végétal   植物の

disppose de   所有している

système veineux   静脈系、葉脈 

solide  (話)かなりの、重大な、盛んな

gentiment 行儀よく、おとなしく

Audrey Dussutourは、ブロブの研究者です。

こちらにこの人とブロブに関する記事があります⇒Les super-pouvoirs du blob – Québec Science

performant 効率のよい、高性能の

ブロブ・関連動画

Pourquoi le blob fascine les scientifiques(なぜブロブは科学者たちを魅了しているのか?)

3分23秒。フランス語の字幕があります。

ブロブという名前は、1950年代のアメリカのSFホラー映画に登場したBlobという地球外生物から来ています。

研究所ではオートミールを食べる、東京の地下鉄網をよくするために、ブロブを使っている、脳がないのに記憶力があるなど、いろいろ興味深いです。

*****
ブロブについて紹介しました。

単細胞なのに、いろいろな能力があるから、注目が集まっているわけですね。

ペットとして飼うには適していないと思いますが。






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