フランス語の動画教材、「秘密のパリへ連れてって」第6話の受講メモです。
今回のタイトルは、merveilleuse maison “Deyrolle”(驚異の部屋、デロール)。
デロールは、200年近い歴史がある動物の剥製屋さん。昆虫の標本もいっぱあり、店内はまるで博物館みたいな、ユニークな店です。
字幕なしの動画が一般公開されているのでごらんください。2分30秒ぐらいから、デロールの館長さんが、この場所について説明しています。
動画にあるように、デロールというのは、この場所を1831年にこの場所を作った昆虫学者(entomologiste)の名前です。
きょうのメニュー
●3つのキーフレーズ
●プチ文法:
●デロールについて
今回の動画は、デロールの館長によるこの場所の紹介がメインです。日常会話ではなくかしこばった表現が多いので、ちょっと単語が難しいですね。
3つのキーフレーズ
みなさんをお連れします(emmener)
Aujourd’hui, je vous amène(emmène)visiter un des endroits les plus insolites de Paris.
きょうはみなさんをパリの中でももっともユニークな場所にお連れします。
リノさんは、amener という単語を使っていますが、実はこの場合は、emmenerという単語を使うべきである、と解説されていました。
両方ともmener(誘導する、運ぶ)という動詞に接頭詞がついたもので、「連れてくる」という意味ですが、微妙に違いがあります。
詳しくは後述します。
価値を伝える
Deyrolles véhicule des valeurs de protection de biodiversité et de nature.
デロールは、生物と自然を保護することの大切さを伝えています←デロールは生物の多様性と自然を保護する価値を伝えています。
protection de biodiversité 生物の多様性の保護とは、要するにいろいろな生物を生かしておくべきであること。
véhiculer は véhicule からできた動詞で、「運搬する」「伝える」という意味です。
véhicule は英語、vehicleにもなっていますね。
~するために来る
Des milliers de personnes viennent chaque année flâner au sein des pièces de Deyrolle, admirer les animaux que nous avons …
毎年大勢の人が、デロールの標本に囲まれて逍遥し、動物たちを鑑賞し・・・。
venir + 動詞の不定形 で ~するために来る、~しようとやってくる
Elle est venue chercher les enfants.
彼女は子どもたちを迎えに来た。
Viens m’aider.
手伝いに来て。
flâner は 散歩する、館長さん、全体的に硬い表現を使っているので、「逍遥」という言葉を使ってみました。
au sein de ~のただ中に、~に包まれて
きょうのプチ文法:amener と emmener の違い
両方の単語とも、語根は、mener (連れて行く)です。
a- という接頭詞は、動詞について、その行為の方向、目標、目的を表します。またある状態から別の状態への変化も示します。
e/é- は内から外へ、出発点、離脱を表します。
これを踏まえて考えると、emmener は、誰かをどこかに連れて行き、一緒にその行動をする、という点で、amenerと違い、この動画では、emmenerを使うべきである、という説明でした。
amener 連れてくる、ある場所へ連れていく
Elle amène ses enfants à la piscine.
彼女は子どもたちをプールに連れていく。(プールに連れていくだけ)
Il amène son ami à la maison.
彼は友達を家に連れてくる。
解説では、amenerは、目的を表すから、送り届ける役目が強調される。送り届ける人と、送られる人の立場の差が大きい、とのこと。
emmener 連れて行く、一緒に行く
Elle emmène ses enfants au cinéma.
彼は子どもたちを映画に連れていく。(彼女も映画を一緒に見る)
そう言われればそうなのかも、と思いましたが、個人的には、amenerは英語のbringで、emmenerは英語のtakeではないかと思います。
bringは、自分や話題になっているテリトリーへ持っていくこと、takeは自分や、話題になっているテリトリーの外に持っていくことです。
comeとgoの違いと同じです。
たぶんこの理解で大丈夫ではないでしょうか?
いずれにしろ、「ア」と「エ」の違いだけなので、聞き取りは難しそうです。
似たよう単語に、apporter がありますが、これはおみやげなど、物を運ぶ場合につかいます。
『驚異の部屋』デロールについて
デロールはRue du Bac(バック通り)46番地にあります。1階がガーデニングショップで、2階がデロールです。
ここは、高級家具店やアンティークショップが並んでいるハイソな通り。
街中を歩いていて、ふとショーウインドウを見ると、トラやライオンがこっちをじっと見ている、そんな場所がデロール。
『驚異の部屋』というのもうなずけます。
デロールという昆虫学者が、昆虫や昆虫採集グッズを売りだしたのが店の始まりで、その後、動物の標本も扱うようになりました。また出版業もやっています。
学者が作った店なので、博物館のような雰囲気もありますね。
中がよくわかる動画です。
ペンギンの剥製もありますね。
動画で語っていたように、剥製にするために動物を殺すのではなく、動物やサーカスと提携していて、自然死してしまった動物の剥製を作っているそうです。
芸術性にこだわっているだけあって、とてもきれいにできていますね。こんなにきれいなまま死ぬのでしょうか。まあ、皮がきれいだったら、きれいに作れそうですが。
デロールは2008年に火事になりほぼ完全に消失してしまいましたが、何人ものアーティストが剥製を作って提供してくれたそうです。
この場所を愛していた人が、それだけたくさんいた、ということですね。
ちなみに剥製は、empaillage です。動画の最初にディノさんが、des animaux empaillés と言っています。
もっと詳しいことを知りたい方はホームページへどうぞ⇒Deyrolle – Taxidermie, entomologie, curiosités naturelles – Deyrolle
こんな本も出ています。
塗り絵もあります。
私は剥製を飾りたいとは全く思わないのですが、動物好きな人は、ほしいと思うかもしれませんね。しかし虫がわかないのでしょうか?
それでは、次回の『秘密のパリへ連れてって』の記事をお楽しみに。
ペンさん(*´ω`*)
お久しぶりです。今回の『驚異の部屋』に出てくるamnerとemmnerのペンさんの解説はわかりやすいです。重きをどこに置いて話しているか、文中には書かれていない出来事(一緒にとる行動)があるかどうかで、使う動詞が変わるんですね。
丁寧に勉強すればするほど、楽しくなるフランス語ですね。
モコ
モコさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
何かのお役にたてばうれしいです。
語学は奥が深いですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
pen