印象派の画家、ルノワールの代表作の1つ、「ぶらんこ」について2分で解説しているTV5の動画を紹介します。
タイトルは、Quèsaco – « La balançoire », Pierre-Auguste Renoir (1876)
Quèsaco は、番組名です。
ルノワールの「ぶらんこ」
2分20秒
La balançoire・トランスクリプト
Qu’est-ce que c’est… de quoi ils parlent… oh c’est bizarre… qu’est-ce qu’ils font ?
Il lui a demandé son numéro ?
Mais non… Imaginez le tableau : on est en 1876. Paris est chamboulé par le baron Haussmann, le téléphone fait son apparition, et la France offre la Statue de la Liberté pour les cent ans de l’indépendance des États-Unis.
Bref, on veut du neuf, de la joie et de la légèreté. Auguste Renoir aussi, mais c’est raté. À trente-cinq ans, son style ne plaît pas, il est dans une mauvaise passe.
Pourtant, le gaillard sera surnommé plus tard « le peintre du bonheur ».
Regardez bien ! De la lumière qui joue avec le feuillage, une balançoire pour s’amuser, une petite fille qui attend son tour et des personnages qui badinent.
Pas de doute, Renoir veut de l’insouciance. Et ça marche. Ça marche tellement que la petite fille qui pose est remplacée par une poupée parce qu’elle ne tient pas en place.
Tout respire la joie de vivre, loin des tracas du quotidien, loin de ce petit groupe de gens croqués en quelques coups de pinceau.
À Montmartre, Renoir peint en plein air, et on a l’impression d’y être. Ça bouge moins que chez Fragonard, mais, un siècle après, Renoir préfère s’amuser avec la couleur.
Et la lumière ! Tout est éclaboussé de lumière. La robe qui était blanche, le costume qui était bleu, même les ombres qui ne sont plus vraiment noires, elles ont tout juste le droit d’être sombres.
Même si Emile Zola l’adore, le public boude le tableau, qui deviendra pourtant un classique.
Le cinéma lui rend hommage soixante ans plus tard dans le film « Partie de campagne » de Jean… Jean… Renoir ! Oui, le fils d’Auguste et le neveu d’Émile, le frère du peintre, que l’on voit ici de dos.
“La balançoire” est achetée par le peintre Gustave Caillebotte pour rendre service à Renoir. En 1894, la toile est léguée à l’État, et c’est en 1986 qu’elle s’installe au musée d’Orsay.
☆トランスクリプトの引用元⇒Art et FLE : découvrir un peintre impressionniste et son œuvre d'art en cours de FLE | Enseigner le français avec TV5MONDE
「ぶらんこ」・和訳
これは何? 何を話しているんだろう。変だな。何しているんだろう?
彼は彼女に電話番号を聞いているのかな?
いえ、違います。想像してください。1876年の絵です。
パリはオスマン男爵の計画によっててんやわんや。電話が登場し、フランスは、アメリカの独立100周年に自由の女神像をプレゼントしました。
つまり、人々は新しいもの、楽しいもの、軽いものを求めていたのです。
ピエール=オーギュスト・ルノワールもそうだったのですが、失敗しました。
35歳のとき、彼のスタイルは喜ばれなかったのです。不調の時でした。
それでも、このたくましい画家は、後に、「幸福の画家」と呼ばれるようになります。
よく見てください。木の葉とたわむれる光、楽しむためのブランコ、順番が来るのを待っている小さな女の子、そして、冗談を言い合う人たち。
ルノアールがのんびりとした気分を表現したかったのは間違いありません。
そして、それはうまくいっています。あまりにうまくいったので、ポーズをとっている小さな女の子が、人形に置き換えられたほどです。というのも、女の子はじっとしていることができなかったのです。
すべてが、生きる歓びを表しています。日常のわずらわしさを忘れ、絵筆を何度か往復させてクロッキーを描く小さなグループを離れて。
モンマルトルの野外で、ルノワールは絵を描きました。私たちもそこにいるような気がします。
フラゴナールの絵に比べると、動きは少ないのですが、1世紀たって、ルノワールは、色とたわむれることを好みました。
そして光です! すべてが、光に包まれています。
ドレスは白、背広はブルー、陰ですら、真っ黒ではなく、少し暗いだけです。
エミール・ゾラはこの絵を愛しましたが、人々は、不満でした。後に、古典となる絵なのですが。
60年後、« Partie de campagne »(田舎の集い 邦題:ピクニック)という映画が、この絵にオマージュを捧げました。この映画を監督したのは、ジャン…ジャン・ルノワール!
そうです。オーギュストの息子で、オーギュストの弟、エミール(pen注:たぶん、エドマンドの間違い)の甥です。
弟は、(絵の中で)背中を向けています。
「ぶらんこ」は、画家のギュスターヴ・カイユボットが、ルノワールを助けるために買い取りました。
1894年、この絵は国に遺贈され、1986年にオルセー美術館に腰を落ち着けることになりました。
単語メモと補足
chambouler ひっくり返す、混乱させる(話)
un gaillard たくましい男、快男児
badiner 冗談を言う、おどける、ふざける
une insouciance 無頓着、のんき
en place あるべき場所に
éclabousser ~を跳ねかける;~を圧倒する
bouder すねる、不満を示す
baron Haussmann (1809-1891)オスマン男爵 第2帝政時代の政治家。セーヌ県のちじとしてパリの都市計画を遂行。
Jean Renoir (1894-1919) 画家ルノワールの次男で、フランス映画の黄金時代を築いた著名な映画監督。
Fragonard (1732-1806) フラゴナール 18世紀のロココ様式を代表する画家。やはり、ぶらんこに乗っている女性の絵を描いた。
Gustave Caillebotte(1848-1894)ギュスターヴ・カイユボット
フランスの画家、床を削っている人の絵(Les raboteurs de parquet 床の鉋かけ)が有名。彼は、上流階級の生まれでお金があったせいか(一生、お金に苦労しなかった)、友情に熱い人なのか、仲間の印象派の画家の絵をよく買っていて、パトロン的存在でもありました。
印象派グループが展覧会したときの資金も出しています。ただ彼自身の作品はわりと写実的です。
床を削っている人の絵は、自分の家の床を削っている職人をモデルにしたそうです。
*Googleで調べたところ、ピエール=オーギュスト・ルノワールの兄弟は、Edmund と Pierre-Henri の2人で、この絵で背中を見せているのは、エドマンドだと言われています。
絵の舞台は、当時、ルノワールが住んでいた家の庭です。
ルノワールの「ぶらんこ」関連動画
英語による説明。絵の細部のアップがあり、わかりやすいです。
How to recognize Renoir: The Swing(ルノワールの見分け方:ぶらんこ)
4分30秒
ギュスターヴ・カイユボットの「床削り(Les raboteurs de parquet)」の解説
1分30秒。
「ピクニック(Partie de campagne)」の予告編
1分45秒。
ジャン・ルノワールは、お父さんの絵を映画にしたんですね~。
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ピエール=オーギュスト・ルノワールは、「人生は不快なことが多いから、楽しい絵しか描かない」と言っていたそうです。
今、世相が、ひじょうに暗いので、あえて、彼の幸福な絵を紹介する動画を取り上げました。
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