フレンチフライ

フランス語を読む練習

世界チャンピオンに2度輝いたフレンチフライ屋さん(前編)

北フランスの人気フライドポテト店をルポした3分47秒の動画を紹介します。

タイトルは、Une friterie double championne du monde (世界選手権二冠のフリトリー)

フランス語でフレンチフライは frite(フリット)、フライドポテト屋台は friterie(フリトリー) といいます。

北フランス・ランセルにある、「フリトリー・フレノワ」は、世界フリット選手権とウェルシュ選手権の二冠を達成した人気のお店です。

職人気質の店主と家族が作るフリットには、北部の温かい人情とおいしいものを大切にする文化が詰まっています。

フリトリー・フレノワ

4分近くあるので、前編と後編に分けます。今回は1分55秒あたりまで訳します。

3分47秒。フランス語の字幕あり。

トランスクリプション

Et à part ma mère qui a 92 ans, personne ne fait des frites meilleures que les miennes.

– Le chien chaud !

– Avec la saucisse au vieux Lille.

– Ça c’est pour une personne ?

– Oui !

– Burger façon Welsh, donc tu auras l’effiloché de porc.

Chirac il disait : Les emmerdes ça vole en escadrille !

Je me dis : Tiens je vais voir si les bonnes nouvelles ça peut faire la même chose !

– Ça, c’est une part ça ?

– Ça, c’est deux frites, oui !

– On voit plus les barquettes !

Dis donc, tu m’amènes à la campagne ?

– Oui, enfin on est dans une petite ville. À Linselles et nous on se déplace là où le bon se trouve.

En l’occurrence, une très bonne friterie, il a gagné, le championnat du monde de la frite.

On est en retard !

– Il reste des frites ?

– Non, y’a plus rien !

– Y’a plus rien ?

– Bonjour !

– Bonjour Emmanuelle.

– Enchantée !

– Ça va bien ?

– Ça va et vous ?

– Voilà la légende !

– Oui !

– Mais c’est vrai que dans beaucoup de vidéos, on entend parler de toi. Beau mec, je comprends qu’elle soit folle d’amour.

– Merci !

– Vous êtes d’accord ou pas ?

– Bah oui !

– On te fait un Welsh Burger, un chien chaud au vieux Lille, et deux frites.

– Vous avez entendu jeune homme ? Et que ça saute !

– Oh là là, elle est bien chaude l’huile !

– C’est pas de l’huile, c’est de la graisse !

– C’est du gras de bœuf, nous.

– On tape à peu près à 200°C, on flirte avec 190-200°C.

– Vous changez de bain ?

– Quand on va mettre les frites dedans, ça va descendre notre bac.

Sauf que moi je veux que mes frites soient croustillantes, frites.

Et j’aime bien les rousses, alors forcément, c’est toujours mieux.

– Ok !

– Bah y’a peut-être assez là non ? Ça c’est une part ça ?

– Ça c’est deux frites?

– Oui ! On voit plus les barquettes !

– Ah ouais vous faites déborder, c’est génial !

C’est vrai qu’on met du vinaigre ici dans les frites, comme en Grande-Bretagne.

Premier champion du monde de la frite, premier…ah du Welsh, évidemment.

Revisité!

Alors c’était quand?

Donc on est en octobre 2023, je regarde Facebook et je me dis :Tiens, y’a le championnat du monde de la frite et à part ma mère qui a 92 ans personne ne fait des frites meilleures que les miennes.

Donc je me présente: Pouf ! Ça passe !

Chirac il disait : Les emmerdes ça vole en escadrille !

Je me dis : Tiens je vais voir si les bonnes nouvelles, ça peut faire la même chose ! ”

Et là je vois quoi ? Championnat du monde de Welsh !

Je me dis : Allez vas-y!

Et ça passe aussi !

Donc les pauvres gamins qui sont derrière, ils mangent des Welsh midi et soir pendant un mois !

和訳

— 92歳の母を除けば、私のフライドポテトより美味しいものを作る人はいません。

— ホットドッグです。

— ヴュー・リール(熟成チーズ)のソーセージ入り。

— これ、一人分ですか。

— はい。

— ウェルシュ風バーガーです。ほぐした豚肉をのせます。

シラクが言ってました。「トラブルってのは編隊で飛んでくるもんだ!」って。それで思ったんです。いいニュースも編隊で飛んでくるかなって。

— これ、一人前ですか?

— 二人前です。

— 器が見えませんね。

*****

田舎に連れていくんですか?

— ええ、小さな町にいます。

ランセルよ。おいしいものがあるところは、私たち、どこでも行くんです。

今回はとてもおいしいフライドポテト屋さんです。世界フライドポテト選手権で優勝した店です。

— 遅れちゃったわね。

— フライドポテト、まだ残ってますか?

— いや、もう何も残ってない!

— もう何もないの?

— こんにちは!

— こんにちは、エマニュエル。

— はじめまして!

— 元気ですか?

— 元気です、あなたは?

— さあ、伝説の人の登場です。

— はい。

— でも本当に、たくさんの動画であなたのことが話題になってますよ。イケメンだし、彼女が夢中になるのもわかりますね。

— ありがとう!

— あなたもそう思いますか?

— はい!

— ウェルシュバーガー、ヴュー・リールのホットドッグ、それにフライドポテトを2つ。

— 聞いたかい、若者? すぐ作って!

— おっと、油がすごく熱いね!

— 油じゃないわ、牛脂よ。

— うちは牛脂を使ってます。

— だいたい200度くらいで揚げてます。190〜200度の間ですね。

— 油を交換するの?

— ポテトを入れると、温度が下がるんです。

— 僕は、カリッとしたフライドポテトにしたいんです。 それに赤っぽいのが好きだから。

— なるほど

— もう充分じゃないですか?

— それ、一人前ですか?

— いや、二人前のフライドポテト?

— トレイが見えないね。

— 山盛りにしてくれるのね。すごいわ

— ここではフライドポテトに酢をかけるんです、イギリスみたいに。

初代フライドポテト世界チャンピオン、そして…ああ、ウェルシュももちろんね。2回優勝しました。

— それはいつのことですか?

— 2023年の10月、Facebookを見ていたんです。あ、フライドポテトの世界選手権がある、92歳の母を除けば、僕のフライドポテトが一番だしって思って。それで出場したら、優勝したんです。

シラクが言ってました。トラブルは編隊で飛んでくると。それなら、いいニュースも編隊で飛んでくるんじゃないかと思いました。

そしたら、次に見たのが何かというと、ウェルシュ選手権です。よし、やってみようと思って。こちらも優勝しました。

だから後ろにいるかわいそうな子たち(店の若い子たち)は、昼も夜も1ヶ月間ずっとウェルシュを食べることになったんです。

単語メモ

à part ~を除いて、~のほかに

ex. À part ma mère, personne ne fait mieux que moi.(母を除けば、私よりうまく作る人はいない)

chien chaud ホットドッグ

effiloché (肉などを)ほぐしたもの、細く裂いた肉 ex. effiloché de porc(プルドポーク)

emmerde 面倒ごと、やっかいな問題(口語・俗語)

en escadrille (編隊で)群れをなして ※Chiracの名言 “Les emmerdes, ça vole en escadrille.”(トラブルは群れでやってくる)

une part 一人前、1皿分

barquette トレー、使い捨て容器(食品を入れるプラスチック容器など)

en l’occurrence この場合には、今回の場合には

être fou/folle d’amour 恋に夢中になる、恋に狂う ex. Elle est folle d’amour pour lui.(彼に夢中だ)

sauter (料理で)手早く作る、さっと仕上げる/(口語)「急いでやる」「さっさとやる」ex. Et que ça saute !(さっさとやれ!)

taper (話)温度・速度などが~に達する ex. On tape à 200°C.(200度くらい出てる)

bain (ここでは)フライヤーの油槽(bain de friture=揚げ油)

descendre notre bac (油にポテトを入れて)フライヤーのバスケット(揚げるカゴ)を下ろす

sauf que ただし~、~なんだけどね(軽い逆接)

croustillante カリカリの、サクサクした(f)

déborder (器から)あふれる、山盛りにする ex. Les frites débordent de la barquette.(フリットがトレーからあふれている)

Grande-Bretagne イギリス、グレートブリテン島

フレンチフライ:関連動画

LA VRAIE HISTOIRE DES FRITES ! (フレンチフライの本当の歴史)

ベルギーにあるフレンチフライ博物館を紹介している動画です。

フレンチフライはベルギーで生まれた説とフランスで生まれた説があります。

5分16秒。

内容の要約:

1.フリットの起源にはベルギー説とフランス説がある

ベルギーでは17世紀、冬に川が凍って魚が獲れないとき、代わりにジャガイモを切って揚げたのが始まりとされる。一方、18世紀パリでは、Pont Neufの屋台で揚げたジャガイモを販売していた記録があり、どちらが本家かは今も議論が続いている。

2.現在のスティックの形をしたフリットはベルギーで定着した

19世紀、移動式の屋台商人ミスター・フリッツが棒状に切ったフリットを広めたのが転機となった。20世紀に入ると、紙コーンに入れて提供するスタイルが生まれ、ベルギー文化として定着した。

3.ベルギーではフリットが国民的食文化となっている

国内には約5,000軒のフリトリー(フリット専門店)があり、フレンチフライ文化は無形文化遺産にも登録されている。巨大な紙コーンづくりや宇宙に飛ばしたフリットなど、ユーモラスな挑戦も行われている。

4.“フレンチフライ”という呼び名の由来

第一次世界大戦中、ベルギーのフランス語圏でフリットを食べたアメリカ兵が、「フランス語を話す=フランス人」と誤解し、“French fries”と呼んだことが名称の由来とされている。

5.美味しいベルギーフリットを作る秘訣
 
ポイントは二度揚げ。まず140℃で予備揚げして休ませ、次に180℃で揚げて外はカリッと中はホクホクに仕上げる。ベルギー産のジャガイモが特に良質で、気候が味を引き立てるという。

◆関連記事もどうぞ⇒リール名物フリカデル。中身の肉の正体は?

*****

フレンチフライのようなシンプルな料理ほど、揚げ方の腕が問われそうです。

Ma fille met du ketchup sur ses frites, mais je trouve que ce serait meilleur avec un peu de vinaigre.

では、この続きをお楽しみに。






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