エクス=アン=プロヴァンス

フランス語を読む練習

セザンヌと彼が好きだった山、サント・ヴィクトワール山。

フランスの画家、、ポール・セザンヌが、好んでよく描いた、サント・ヴィクトワール山とセザンヌに関する短いニュースクリップを紹介します。

タイトルは、Sur les traces de Cézanne(セザンヌの足跡をたどって)



Sur les traces de Cézanne

1分51秒。フランス語の字幕あり。

トランスクリプション

Le paysage alentour a changé, mais la Sainte-Victoire, elle, semble immuable.

Cette arête de calcaire culmine à plus de 1000 mètres, captant la lumière pour s’habiller de couleurs changeantes.

Elle fascinait le peintre Paul Cézanne qui lui a consacré pas moins de 87 tableaux, dont celui-ci.

Mettons nos pas dans les siens pour découvrir son univers au pied de sa montagne magique.

Quand on pénètre au petit matin dans sa maison-atelier, on a l’impression qu’il va lui-même nous ouvrir les portes.

Rien n’a changé ou presque depuis qu’il l’a fait construire en 1902 sur une colline d’Aix-en-Provence.

On y trouve encore les objets qu’il utilisait pour composer ses natures mortes, notamment ces trois crânes, mais aussi, tout le matériel qu’il emportait pour peindre la Sainte-Victoire.

Il prend ses boîtes à peinture, ses palettes, les tubes qui y sont encore avec les pinceaux. Il met tout ça à l’intérieur de ce sac à dos qui est ici.

Il emporte également les chevalets pliants qui sont ici, qu’il déplie lorsqu’il arrive sur le motif.

Ainsi équipé, Cézanne marchait et marchait encore à la recherche des meilleurs points de vue.

Dans les anciennes carrières de pierres de Bibémus, il louait ce cabanon avec sa chère montagne à l’horizon.

Le Provençal posait son chevalet parmi les rochers d’ocre, réinventant la peinture.

Il sera le père de l’art moderne.

La Sainte-Victoire sera pour Cézanne une magnifique obsession.

Le 15 octobre 1906, il est encore en train de la peindre lorsque, surpris par un orage, il fait un malaise.

Il mourra une semaine plus tard à 67 ans, victime d’une pleurésie.

Il repose pour l’éternité au pied de sa muse.

セザンヌが好きな山・和訳

周囲の景色は変わりましたが、サント・ヴィクトワールは変わっていないように思われます。

この石灰石の山は、1000メートル以上の高さがあり、光があたり、変わっていく色をまとっています。

この山は、画家のポール・セザンヌを魅了し、彼はこの絵を含めて、87枚、この山の絵を描きました。

セザンヌの足跡をたどり、魔法の山のふもとにある彼の世界を見つけましょう。

夜明けにセザンヌの家兼アトリエに入ると、彼自身が扉を開けてくれたかのようです。

セザンヌが1902年にエクス=アン=プロヴァンスの丘に建築させたときとほぼ何も変わっていません。

静物画に使った物が今もあります。特に、この3つの骸骨です。それから、サント・ヴィクトワール山を描くのに持っていった画材もすべてあります。

絵具箱、パレット、絵の具のチューブに筆。彼はこうした物をすべて、ここにあるリュックに入れました。

ここにある折りたたみのイーゼルも持っていきました。絵のモチーフのある場所に来たら、イーゼルを広げました。

このように身支度をして、セザンヌは、歩きに歩き、もっともよい景色が見える場所を探しました。

古いビベミュスの石切り場(Carrières de Bibémus)に、地平線まで広がる大好きな山の見える小さな別荘を借りました。

プロヴァンスの人(セザンヌのこと)は、黄土色の岩山の間にイーゼルを置いて、何度も絵を描きました。

彼は近代芸術の父となります。セザンヌは、サント・ヴィクトワールに、取り憑かれていきます。

1906年、10月15日、彼が絵を描いている最中に、突然、大雨になり、彼は体調をくずしました。1週間後、67歳でセザンヌは胸膜炎で亡くなりました。

セザンヌは自分のミューズのふもとに、永遠に眠っています。

単語メモと補足

immuable  不変の

arête  尾根、山稜(さんりょう)

un calcaire  石灰石

au petit matin  夜明けに

un chevalet plaint  折りたためる画架

déplier  折たたんだ物を広げる

une carrière  石切場

un cabanon  (南フランスの)少別荘

une pleurésie  胸膜炎

セザンヌは後期印象派の画家で、1839年、エクス=アン=プロヴァンス生まれ。父親は銀行家で、父の意向で、法律を学んでいましたが、結局、画家になり、20世紀の画家たちに大きな影響を与えました。

作家のエミール・ゾラと中学校が同じで、ゾラのすすめで、1862年にパリに出ています。20代はじめですが、50歳すぎてから、認められるまで、彼はけっこう苦労しています。

いろいろな作品を描いていますが、晩年は、故郷にもどって、1人で、山の絵を中心に、創作に励んでいました。孤高の画家と言えましょう。

彼の評価は、死後、ぐーんとあがりました。

プチ文法:歴史的未来

歴史を語る文章の中で、現在から見れば過去のことでも、過去のある時から見ると、未来に起きる事柄を単純未来形で表すことがあり、これを歴史的未来(future historique)と呼びます。

このクリップの中では、下記の文章で歴史的未来として、単純未来形が使われています。

Il sera le père de l’art moderne. 後に、近代芸術の父となる。

La Sainte-Victoire sera pour Cézanne une magnifique obsession. セザンヌは、サント・ヴィクトワールに取り憑かれていく。

Il mourra une semaine plus tard à 67 ans, 1週間後、67歳で死ぬことになる。

参考書の例文:

Louis XIV monta sur le trône en 1643. Il régnera 72 ans. 類14性は1643年に王位につき、72年間、治世が続くこととなる。

使った参考書は、『これならわかるフランス語文法』です。

そんなに字が小さくないし、説明もわかりやすいのでとっつきやすいです。



セザンヌ・関連動画

Comment Cezanne a réinventé la peinture (いかに、セザンヌが絵画を再発明したか)

5分。フランス語の字幕がついている動画です。

セザンヌは、古い絵を、独自の手法でよみがえらせたことなど、語っています。

彼は、死後、評価があがりましたが、当時の人にとっては斬新すぎたのかもしれません。

Cézanne, Mont Sainte-Victoire(セザンヌ、サント・ヴィクトワール山)

この作品の解説。いかに、これまでの伝統的な絵や、印象派の絵と違うか、わかりやすく説明されています(英語)

5分27秒。

■画家や絵に関係のある過去記事:

アメリカン・ゴシック(グラント・ウッドの絵画)の家族

サルバトール・ムンディ(ダ・ヴィンチ、最後の作品)の謎

2分で学ぶ、レオナルド・ダ・ヴィンチのプロフィール。

モナ・リザのプロフィール、またはその謎。

モナ・リザの盗難事件(1911年8月22日)

クロード・モネの「睡蓮」がオランジュリー美術館に寄贈されるまで。

*****

同じ山(しかも、石灰岩でできていて、一般人には、特にきれいに思えないような山)を、80枚以上描くって、すごいですね。

芸術家って、そういうものなのでしょう。

それでは、次回の絵の記事をお楽しみに。






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