店番をする猫

未整理

理不尽すぎる猫店員たち:アフレコ動画で学ぶフランス語

フランスの人気YouTubeチャンネル Parole de chat から、猫が主役のコメディ動画を紹介します。

このチャンネルでは、動物の動きにフランス語のアフレコを当てたショートコメディを配信しています。

動画のタイトルは LES CLIENTS MALHONNÊTES(不誠実なお客さん)

猫が店員や警備員になりきって人間に生意気な口を利きます。

2分。フランス語の字幕なし。

動画の内容

お店で買い物をした客がお釣りを受け取っただけなのに、猫が「お金を返せ!」と飛びかかるところから始まります。

猫たちが勝手に「不誠実なお客さん」を認定しては大騒ぎする、ドタバタコメディです。

見張り番の猫

一匹の猫が「自分は見張り番だ」と宣言し、不誠実な客が来たら即座に攻撃すると息巻いています。

「怪しい客はどうやって見分けるの?」と聞かれると、「雰囲気が怪しくて、どこからでもやってくる。あっちからも、こっちからも」と堂々と答えます。

周囲にいるだけの人まで疑い始め、しまいにはジゼル(同僚の猫)に「不誠実な客が来たよ!」と通報します。

修理屋の猫

別の猫は修理工として働いています。

客が品物を差し出すと、「それを元の場所に戻してください」と一蹴。機械を見て「中が汚れている。直してあげるけど、ドッグフードで払ってもらうよ」と、独自の通貨制度を主張します。

客に「あなたの同僚は不誠実な客がいると言っているけど、不誠実なのはあなたの方じゃないですか?」と突っ込まれると、「そんな質問を続けるなら、自分で直してくれ」と逆ギレ。

結局、機械(トースター)の中からねずみが出てきて、猫は涼しい顔で「請求書を送ります」と言い放ちます。

草原の見張り番

最後に、Fouin(フワン)と名乗る動物が草原で見張り番をしています。

草を食べている動物に「お前は草を食べていろ。僕は不誠実な客を見張っているんだ」と偉そうに言い、相手を見て「ちょっと不誠実そうだな」とまで言い出します。

「その話はもうやめてくれ、バカバカしい」と返されると、「私は家がある。不労所得も二つある。専用シェフとマッサージ師もいる。完全に正直者だ」と反論して、動画が終わります。

重要フレーズ

動画の中から5つのフレーズを紹介します。口語的な表現が多く、日常会話で耳にしそうなものばかりです。

1. 不誠実な客が現れたら(0:14〜)

Si jamais il y a un client malhonnête qui se pointe, je l’attaque.

もし不誠実なお客さんが現れたら、攻撃してやる。

si jamais は si(もし)を強めた表現で、「万が一〜したら」というニュアンスを加えます。

普通の si よりも「起きるかどうかわからないけど、もし起きたら」という感じ。

se pointer は「現れる、やってくる」という意味の口語表現です。

arriver や venir のくだけた言い方で、友人同士の会話やコメディでよく使われます。

2. 怪しい客の見分け方(0:22〜)

Ils ont un air louche et ils peuvent arriver de partout.

彼らは怪しい雰囲気だし、どこからでもやってくるんだ。

avoir un air + 形容詞 は「〜な雰囲気がある、〜そうに見える」という意味です。

avoir l’air + 形容詞 とほぼ同じですが、un air のほうが「なんとなくそういう感じ」という印象を強調します。

avoir un air triste(悲しそうに見える)、avoir un air sérieux(真面目そうに見える)のように使います。

louche は「怪しい、うさんくさい」。人にも状況にも使える便利な形容詞です。

3. ドッグフードで支払い(0:50〜)

Je peux m’en occuper, mais ça va vous coûter chien en croquette.

僕が対応できるけど、ドッグフード代がかかりますよ。

s’en occuper は「それに対処する、面倒を見る」。en が前に出てきた話題(ここでは壊れた機械)を受けています。「やっておくよ」「任せて」という感じ。

en croquette は「ドッグフードで(支払う)」。 en euros(ユーロで)、en espèces(現金で)のように支払い手段を示す en に、ドッグフードを続けているのが笑えます。

4. 質問するなら自分で直せ(1:03〜)

Ouais, ben, continue de poser des questions comme ça, et vous allez la réparer vous-même, votre machine.

そんな質問ばかりするなら、自分で直してくれ。

命令法 + et + 未来表現 は、「〜してみろ、そうしたら〜になるぞ」という脅しや警告のパターン。

Fais ça encore une fois, et tu vas le regretter.(もう一度やってみろ、後悔するぞ)のように、日常的な口ゲンカでもよく出てきます。

文末の votre machine は、すでに la(それを)で指している内容をあとから補足しています。

5. 草原で見張り番(1:32〜)

Toi, tu broutes l’herbe, et moi, je garde l’œil ouvert, au cas où il y aurait des clients malhonnêtes qui se pointeraient.

お前は草を食べていろ。僕は見張っているんだ。不誠実なお客さんが現れた場合に備えてね。

au cas où + 条件法 は「〜の場合に備えて」。プチ文法で詳しく説明します。

brouter は「(家畜が)草を食む」。牛や羊などが草原で草を食べる動作を表す動詞で、ここでは相手の動物を「お前は草でも食べていろ」と見下すニュアンスで使っています。

単語メモ

malhonnête 不誠実な、不正な

monnaie 小銭、おつり

garde 見張り、警備

se pointer 現れる、やってくる(口語)

louche 怪しい、うさんくさい

ça se trouve ひょっとしたら(口語) « si ça se trouve, vous êtes un client malhonnête » = ひょっとしたら、あなたが不誠実な客かも。

prévenir 知らせる、警告する

encrassé(e) 汚れがたまった、詰まった

croquette (ペットの)ドライフード、カリカリ

gusgus ねずみ(口語・幼児語)« un gusgus, une souris, quoi » = ねずみだよ、ねずみ。

brouter (草を)食む

revenu passif 不労所得

プチ文法:au cas où+条件法(〜の場合に備えて)

動画の終盤で、猫がこんなフレーズを言っていました。

je garde l’œil ouvert, au cas où il y aurait des clients malhonnêtes qui se pointeraient.
見張っているんだ、不誠実な客が現れた場合に備えて。

au cas où は「〜の場合に備えて」「万が一〜したら」という意味の接続表現です。

au cas où のあとには条件法を使います。直説法の現在形や未来形は使いません。

Prends un parapluie, au cas où il pleuvrait.
傘を持っていきなさい、雨が降るかもしれないから。

J’ai noté son numéro, au cas où j’en aurais besoin.
番号を控えておいた、必要になるかもしれないから。

Appelle-moi, au cas où tu changerais d’avis.
気が変わったら電話してね。

si jamais(万が一〜なら)と似ていますが、微妙に使い方が違います。

si jamais は「もし万が一〜したら、(こうする)」と、そのときの対応をセットで言います。

Si jamais il pleut, on annule.
万が一雨が降ったら、中止にしよう。

au cas où は「〜に備えて(あらかじめこうしておく)」と、事前の準備や予防がメインです。

Prends un parapluie, au cas où il pleuvrait.
傘を持っていきなさい、雨に備えて。

どちらも「万が一」のニュアンスがありますが、au cas où は「念のため」、si jamais は「もしそうなったら」と覚えておくといいでしょう。

猫の歴史・関連動画

猫にまつわるフランス語の動画をもう一つ紹介します。

タイトルは Les Chats : pourquoi, où, quand, comment ? – Histoire de Bêtes #1(猫:なぜ、どこで、いつ、どうやって?)

4分39秒。フランス語の字幕なし。

猫と人間の関係がどのように始まったかをたどる動画です。

猫はもともと、鋭い犬歯、引っ込めることができる爪、暗闇でも見える目を持つ独立心の強い夜行性の捕食者でした。長いあいだ人間に関心を持たず、野生で暮らしていました。

転機となったのは、約9,000年前に農業が始まったことです。人間が穀物を大量に保管するようになると、ネズミが集まり、そのネズミを狙って猫がやってくるようになりました。

人間が飼い慣らそうとしたのではなく、猫のほうから人間の近くに住みついたのです。

家猫の直接の祖先は、エジプトや中東に生息していたアフリカヤマネコ(Felis lybica)とされています。

キプロス島では、人と猫が一緒に埋葬された7,500年前の墓が見つかっており、当時すでに人間と猫のあいだに特別な関係があったことがうかがえます。

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猫の動画はインターネットでとても人気がありますよね。確かに見ていてかわいいし、癒されます。

猫は犬と違って気まぐれで、次に何をするかわからないところがあります。その予測不能な動きが、短い動画で笑いや驚きを生みやすく、ネットの動画文化と相性が良いのだと思います。

Parole de chat のように猫の行動にセリフを当てて意味を持たせるのは、動物に感情を投影する擬人化の一種です。

見ていて楽しいけれど、撮影のために猫に無理をさせていないか気になることもあります。

服を着せられたり、わざと驚かせたりしている動画を見ると、猫にとってはストレスだろうなと思います。猫の気持ちを尊重した動画づくりも大切ですね。






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