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ベルギーの有名な漫画、Le Chat(猫)はどうやって誕生したか?

猫(Le Chat)の漫画で有名な漫画家、フィリップ・グリュック(Philippe Geluck)さんが、この猫が誕生したいきさつを、実際に漫画を描きながら説明している動画を紹介します。

Le Chat は、ベルギーでは知らない人がいない、と言われるほど有名な漫画です。

タイトルは、Geluck : Comment j’ai dessiné Le Chat ?(グリュック:いかにして、私はLe Chatを描いたか?)



Le Chatが生まれたいきさつ

フランス語の字幕があります。

4分37秒。

トランスクリプション

字幕をそのまま訳しています。多少、発話と違う部分もありますが、内容に大きな違いはありません。

J’ai dessiné la première fois Le Chat en 1980.

Enfin, quand je dis le Chat, c’était un chat.

Sur notre carton de mariage, j’avais représenté une jolie madame chat avec les yeux papillonnants
et un grand sourire.

Elle était comme ça… C’était juste un chat.

Là, je dessine un peu vite.

J’avais fait mieux à l’époque.

Ca, c’était le carton du mariage.

Et quand on ouvrait le carton, on voyait qu’il y avait un monsieur chat qui lui offrait ses hommages… C’était pour dire merci pour les beaux cadeaux que vous nous avez faits à l’occasion de notre mariage.

Cela a fait rire tout le monde.

Et trois ans plus tard, c’est la naissance de mon fils Antoine, et là, j’ai redessiné le couple de chats amoureusement enlacés avec un bébé chat devant eux.

Et trois ans plus tard, le journal Le Soir a fait appel à trois dessinateurs pour inventer un personnage et moi, j’ai proposé un chat qui était inspiré de ce que j’avais dessiné sur mon carton de mariage, mais qui n’était pas encore comme celui que l’on connaît aujourd’hui.

Il avait un beaucoup plus petit nez.

Il avait une bouille comme ça et il avait une bouche etc… Je lui ai mis un veston, plutôt même un manteau et une cravate et je lui ai fait dire des bêtises.

Il faut bien appeler les choses par leur nom.

Sur tous les sujets.

C’était en 1983.

Et puis, il a évolué avec le temps et tous les personnages de la BD, on s’en rend compte beaucoup plus tard, ont changé, ont évolué.

Gaston du début, n’est pas le Gaston de la fin.

Spirou au début, n’est pas le même que celui qu’il deviendra plus tard.

Tintin est très différent…

Un jour on arrive à une espèce de maturité.

Cette maturité, il l’a acquise après 10 ou 12 ans d’existence, ce qui est long tout de même.

Actuellement, il est comme ça : gros rond pour le nez, deux plus petits ronds qui représentent les lunettes, ce sont mes lunettes au départ, un regard intelligent, deux oreilles pointues….

Ça a l’air hyper simple, comme ça le chat à faire. Et pourtant dès que c’est quelqu’un qui n’est pas moi qui essaye de le faire…

Je le remarque immédiatement.

J’ai vu des dessins faits par de grands dessinateurs, pourtant.

Et bien, ils n’y arrivent pas.

Parfois les choses les plus simples peuvent s’avérer être les plus difficiles à faire : une ligne droite, un cercle parfait… Ce sont les choses les plus difficiles à dessiner.

Alors certains pour masquer leur maladresse, ajoutent des hachures… Alors j’ai mon feutre qui rend l’âme, mais ce n’est pas grave.

Continuer à avoir du jus malgré tout.

Voilà, là, c’est lui actuellement.

Certains pour montrer que la cravate n’est pas… ajouteraient des hachures, lui dessineraient un costume à carreaux, mais pour moi, c’est une perte de temps.

Je n’ai pas que ça à faire.

Donc plutôt… Je pourrais faire un costume en pieds de poule.

Voilà, ce sont donc les dessinateurs qui n’ont rien d’autre à f… que rajouter des détails… Il y en a même qui dessinent des décors derrière leurs personnages…

C’est vous dire.

Bon, je ne juge personne.

Moi, c’est le chat, devant rien.

Et c’est beaucoup plus vite fait.

Et souvent, c’est aussi joli.

Voilà….

Là, j’ai loupé mon damier.

Bref… Il n’est pas obligé de parler, il peut juste, envoyer un grand cri d’amour…

Le chat:和訳

1980年に初めて「猫(Le Chat)」を描きました。

「猫」というのは、ふつうの猫です。

私たちの結婚式の招待状に、美しい猫の婦人を描きました。よく動く目をしてにっこり笑っている猫です。

こんなふうでした。ただの猫です。

すばやく描きますね。当時はもっとうまく描いてました。

結婚式の招待状です。

招待状を開くと、猫の紳士がいて、女性にあいさつしています(賛辞を送っています)。

結婚にさいし、すばらしい贈り物をいただいたので、ありがとうという気持ちを表した絵です。

これは、皆に受けました。

その3年後、息子のアントワーヌが生まれたとき、愛し合っている猫のカップルが抱き合っていて、その前に、赤ん坊の猫がいる絵を描きました。

3年後、ル・ソワール(Le Soir)という新聞が、3人の漫画家に、キャラクターを考えるように頼みました。

私は、結婚式の招待状の漫画に描いたものをベースに描いた絵を提案しました。

でも、そのときはまだ、いまのような猫ではありません。

ずっと鼻が小さくて、こんな顔をしていて、口があって。背広を着せました。コートと言ったほうがいいでしょうか。ネクタイをつけ、おもしろいことを言わせるようにしました。

どんな話題でも、(この猫は)はっきり言わなければなりません。1983年のことです。

その後、時間とともに、進化しました。漫画のキャラクターはみなそうです。

あとになるとよくわかりますが、変化し、進化します。

デビューしたころのガストンは、おしまいのガストンとは違います。

デビューしたころの、スピルーは、後のスピルーとは違うものになっているでしょう。

タンタンもずいぶん違います。

ある日、成熟に到達します。

この成熟に至るまでに、10年から12年かかりました。長かったです。

いまは、こんなふうです。鼻は大きくて丸く、メガネは鼻より小さい2つの丸。最初は、私のメガネでした。知的なまなざしで、耳がとがっていて。

こんな猫を描くのは、すごく簡単に見えます。

それでも、私じゃない誰かが描こうとすると、私はすぐに気づきます。

すばらしい漫画家が描いたものをいろいろ見ましたが、彼らにはこの猫は描けません。

時には、もっとも単純なものが、もっとも描くのが難しいと判明することもあります。

まっすぐな線、完璧な丸。こうしたものは、描くのが一番難しいのです。

だから、うまくいかないことを隠す人もいます。線を描いたりして。

マーカーのインクが薄くなってきましたが、大丈夫です。

描き続けます。

さあ、これが現在の猫です。

ネクタイは、線を入れてもいいです。チェックの背広にしてもいいでしょう。でも、時間の無駄です。

必ずしもそうする必要はありません。

鶏の足の模様の背広にすることもできます。でも、それは、ディテールを描くことしか脳のない漫画家のすることです。そういう漫画家はキャラクターのうしろに背景を描くことすらあります。

わかりますよね。

まあ、他人のことをとやかくは言いません。

私は、猫だけで、後ろには何も描きません。

そのほうがずっと早く描けます。

そして、たいてい、そのほうがきれいです。

ほら、ああ、チェック柄でミスをしました。

とにかく、この猫は、話さなくても、大きな愛情の叫びを伝えられるんです。

単語メモ

papillonnants  あちこち飛び回る、ひらひら動く、移り気な

un carton  (話)招待状、名刺

enlacer  抱きしめる

faire appel à  ~に訴える、助けを求める

une bouille  (話)顔

appeler les choses par leur nom  物をその名前で呼ぶ⇒歯に絹を着せない

Gaston  ガストン・ラガフ 1957年にベルギーの漫画家、アンドレ・フランカンが発表した漫画の主人公。

Spirou  スピルー Spirou et Fantasio というベルギーの漫画の主人公。複数の漫画家が描きました。

Tintin  タンタン ⇒タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密(仏語版)の予告編。

acquérir  獲得する、取得する

s’avérer  証明される、判明する

hachures  縞模様、筋

rendre l’âme  息を引き取る、死ぬ

foutre  する、やる foutre は faire のスラングという理解で大丈夫だと思います。

avoir du jus   しゃれている、人目をひく

C’est dire que それはつまり~ということである、それは~をよく示している

louper (話)やり損なう、失敗する

damier 格子柄



フィリップ・グリュックとその猫について

フィリップ・グリュックは、1954年生まれのベルギーの漫画家で、Le Chatという作品が有名です。

彼はコメディアンでもあります。

Le Chat の猫は、ダジャレを言いながら、世間を風刺しており、フランス語がよくわからない人には、何がおもしろいのか、ちょっと考えないとわからないタイプの漫画です。

ジェラルディンというフランス語の先生が、Le Chatを題材に、フランス語のレッスンをしている動画を紹介します。

学習者向けなので、ゆっくりしゃべっているし、字幕もあります。

8分

こちらは「猫」を使って、さまざまな作品のパロディを描いたものを集めた展覧会の様子です。

1分33秒。

いろいろなポーズの猫を見ることができますね。

フランス語初心者でもわかりそうなダジャレが表紙になっている本をアマゾンで見つけました。

日めくりを利用すると、笑いながら勉強できるかもしれません。

他にもたくさんコミックスが出ています。

******

先にも書いたように、Le Chatは、フランス語がわからないと、おもしろみがわからないし、ダジャレを外国語に訳すのは難しいため、世界中で知られている漫画ではありません。

その点はアステリックスと似ています。

アステリックスについて⇒フランスを代表する漫画、アステリックスの人気の秘密

しかし、ベルギーやフランス語圏では、この猫はとても人気があります。






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