抗議デモ

時事ニュース

アダマ・トラオレ(黒人青年)の死に対する抗議デモ。

6月2日、パリで起きた黒人差別に対する抗議デモのニュースを紹介します。

アメリカのミネアポリスで起きた、ジョージ・フロイドの死亡事件が、世界中で、黒人差別と警察の暴力に対する抗議デモを引き起こしています。

フランスでも、2016年に、アダマ・トラオレという黒人男性が、やはり、憲兵によって不適切に拘束され亡くなりました。

当初は、憲兵のせいではない、ということになっており、家族や友人が、「真実を明らかにせよ」運動していましたが、Black Lives Matterの運動にインスパイアされ、6月2日、パリで大勢(2万人ぐらい)が集まって抗議デモをしました。

黒人差別に対する抗議デモ

1分30秒。フランス語の字幕を表示させることができます。

うまく動画を再生できない人は、iliniでごらんください⇒Ilini | New protests against police violence in France

トランスクリプション

Ils sont tous venus demander justice pour Adama Traoré.

Malgré l’interdiction de se rassembler, des milliers de personnes se sont réunies au pied de la cité judiciaire à Paris.

Des anonymes mais aussi la sœur d’Adama Traoré : elle dresse le parallèle avec l’affaire George Floyd qui secoue actuellement les États-Unis.

– Ils ont subi un placage ventral, Adama a pris le poids de trois gendarmes sur lui, George Floyd a pris le poids de trois policiers sur lui, ils ont eu les mêmes mots : “je n’arrive plus à respirer, je n’arrive plus à respirer”.

Dévoilée ce mardi, la contre-expertise commandée par la famille d’Adama Traoré affirme que c’est bien ce placage qui a causé le décès du jeune homme noir de 24 ans.

Les gendarmes sont donc directement mis en cause, contrairement aux conclusions de l’expertise officielle rendue la semaine dernière.

Pour les protestataires, cette affaire illustre le racisme des forces de l’ordre.

– On nous tue, on nous blesse, on nous agresse, on nous insulte.

À un moment donné, faut se lever, ça fait trop longtemps que ça existe, George Floyd c’est la pointe de l’iceberg mais l’iceberg il est là depuis très longtemps, il a toujours pas fondu si vous voyez ce que je veux dire.

D’abord pacifique, le rassemblement a ensuite dégénéré.

Plusieurs départs de feu provoqués par les manifestants et une fumée noire dans le ciel parisien : la police a fait usage de gaz lacrymogènes pour disperser la foule.

和訳

彼らはみな、アダム・トラオレのための正義を問うためにやってきました。

集団で集まることを禁止されているにもかかわらず、大勢の人が、パリの司法裁判所の前に集まりました。

不特定多数の人々と、アダム・トラオレの姉もいました。彼女は、現在、アメリカをゆるがしているジョージ・フロイドの事件とこの件を対応させて訴えました。

2人とも、腹部を押さえつけられました。アダマは3人の憲兵の体重をかけられ、ジョージ・フロイも、3人の警察官の体重をかけられました。

2人とも同じ言葉を言いました。「もう息ができない。もう息ができない」。

この火曜日に明らかになったアダム・トラオレの家族の依頼で行われた再鑑定では、当時26歳だった若者の死の原因は、まさにこの押さえつけだったと明かにしました。

よって、憲兵たちは直接、この件に責任があります。これは、先週発表された当局の鑑定の結果とは逆です。

抗議者にとっては、この事件は、警察(法を執行する者)の人種差別を示しています。

「私たちは殺され、傷つけられ、攻撃され、侮辱されてきました。

いつかは立ち上がらなければなりません。あまりに長く続いてきました。ジョージ・フロイドは、氷山の一角です。この氷山はもうずいぶん前からあるのです。

まだ溶けていません。私の言う意味、わかっていただけますよね?」

はじめは、平和的な集まりでしたが、その後、暴力的になりました。

抗議者は、いくつか火をつけ、パリの空に黒い煙が上がりました。警察は、催涙ガスを使い、群衆を散らそうとしました。

単語メモ

gendarme  憲兵(警察業務も担当する)。

une expertise  鑑定
contre-expertise は、最初の鑑定に対して行われる、2度めの鑑定。

un placage  (ラグビーの)タックル。

à un moment donné  ある(特定の)ときに

dégénérer  退廃する、衰える、堕する

un départ  始まり

un gaz lacrymogènes  催涙ガス

文法で特に難しいところはないと思います。

アダマ・トラオレの事件

アダマ・トラオレは、2016年の7月にパリの郊外の街で、憲兵隊に逮捕されたとき窒息死しました。

ジョージ・フロイドと全く姿勢で押さえつけられたのです。

司法解剖の結果、死因は心筋系の病気のせいだとされ、その後も、何回か鑑定が行われましたが、そのたびに、病気のせいだとか、マリファナを使っていたせいだとなり、憲兵隊の責任は問われませんでした。

アダマの姉は、この結果に不服で、家族や友人たちと、アダマ・トラオレのために真実を解明せよ、という運動をしていました。

こちらは、去年の7月に行われたデモです。

3分17秒・フランス語の字幕を表示できます。

最初のニュースで言っていたように、2020年になって、家族が専門医に鑑定を頼んだら、ようやく、押さえつけられたせいだ、という結果が出ました。

6月のデモは、ジョージ・フロイドの事件のせいで、これまでになく、大勢の人が集まりました。

カナダでも、ジョージ・フロイドの事件の直後、警察官が、黒人やアメリカ先住民に対して、ひどい扱いをしている動画が、どんどん出てきて、警察のシステムを変える動きが始まっています。

*****

ジョージ・フロイドさん、彼が白人だったら、あんなことはされていなかったはずなので、差別は明らかにあります。

それにしても、警察の人は、よほどストレスがたまっているのか、そういうカルチャーなのか、特に抵抗していない人間を、いきなり地面に押さえつけて、「息ができない」と言っているのに、首をぐいぐい押し続けるって、いったいどうなっているのでしょうか?

一般の人が撮影した動画には、そばで見ていた人が、「息をさせてあげろ」と何度も言っている様子が映っていました。

それなのに、その場にいた警察官の中で(全部で4人いた)、助けようとした人は1人もいませんでした。

誰もフロイドの首にひざを押し付けていた警察官を止めなかったのです。

問題の警察官が、フロイドを8分46秒押さえつけていたことは有名ですが、このおよそ9分には、フロイドがぐたっとなったあとの3分も入っています。

やはり、相手が黒人だから、何のシンパシーも感じなかったのでしょうか?

黒人たちが怒るのも無理ないですね。

現在の抗議運動がきっかけで、多少なりとも、警察がましになってほしいものです。






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