フランスダイレクトスクールの動画教材、Voyage au Japon(日本の旅)シリーズの第3話の受講メモです。
第1話⇒古き街、浅草~日本の旅 #1
今回は仲見世通りを歩いて浅草寺に行きおみくじを引きます。
字幕なしの動画が公開されていますのでごらんください。
■きょうのメニュー
それでは復習、行ってみよう!
3つのキーフレーズと解説
いいわね
今回のキーフレーズはすべておみくじをひくシーンから。
「おみくじ、ためしてみる?」とケンに言われて。
ええ、やってみたいわ。
Oui, pourquoi pas ?
pourquoi pas ? は人に何か提案されたとき、同意するときの表現。
直訳すると、「なぜそうしないのか?」⇒「もちろんやるよ。」
Tu viens avec nous ? – Pourquoi pas ?
一緒に来る? – もちろん。
英語の ”Why not?” と全く同じ表現です。
最悪
ティファニーがひいたおみくじは「末吉」でした。
これをケンは moins bien (より少ない幸福)と言っています。
それに対して
最悪ってこと?
C’est le moins bien?
le moins bien と定冠詞をつけると、最上級になるので、「1番幸福が少ない」となります。
それはおみくじで言えば、大凶ですね。「吉」とついてるのは、まだよいのです。
ティファニーがこのあと
Ça, c’est intermédiaire en fait ?
中間ぐらい?
と聞いてますが、「末吉」はまさしくちょうどまんなかあたり。
このあと「末小吉」がある神社もあります。
フランス語でいえば、ni bon, ni mauvais あるいはcomme ci comme ça ですかね。
最上級についてはこちらをどうぞ⇒「まいにちフランス語」20:L42~最上級
全部悪いわけではない
おみくじの説明が続きます。
願い事は叶うけれど、時間がかかると紙に書いてあるようです。
それに対して
全部悪いわけじゃないのね?
Tout n’est pas négatif ?
ポイントは部分否定と全否定。
ここ、難しいですね。
まず、フランス語の否定文はその文中で活用している動詞をne~pasではさみます。
tout,toute,tous,toutes の否定は部分否定を表します。
Je ne sais pas tout.
私はすべてを知っているわけではない。
Tous les étudiants n’apprennent pas l’anglais.
すべての学生が英語を学んでいるわけではない。
これを全否定にすると
Je ne sais rien.
私は何も知らない。
Aucun étudiant n’apprend l’anglais.
学生は誰一人として英語を習っていません。
ビデオにでてきた Tout n’est pas négatif.
を全否定にすると、Rien n’est négatif. となります。
rien は neと一緒に使って「何も~ない」という意味。
もしこれにpasを入れて、Rien n’est pas négatif. とすると、「全部悪いわけではないこともない」という二重否定になります。
まぎらわしいですね~。
豆知識:おみくじ L’Omikuji
おみくじをフランス語で何と説明するか?
おみくじは、お+御籤(みくじ)で、みくじを丁寧に言った言葉。みくじは神社に祭られている神さまのくじ。
ケンはc’est pour prévoir l’avenir. 未来を占うもの、としています。これは用途を説明していますね。
おみくじをそのまま仏訳すると、« l’honorable loterie des dieux »。神のお告げですから、l’oracle と言ってもよさそうです。
おみくじの歴史
おみくじは神の心を聞く方法。古来から政治など大事なことをきめる局面で利用されていました。
日本書紀には、天智天皇が部下が反逆者なのかどうか、「ひねりぶみ」というおみくじのようなもので、占った記述があります。
また、13世紀には天皇を決めるのに、おみくじを使ったという記録も残っています。
現在のおみくじの原型を作ったのは、良源(りょうげん)(通称、元三大師(がんざいだいし)という平安時代の天台宗のお坊さんだと言われています。
一般人が、神社に参拝して、おみくじを引くようになったのは、鎌倉時代初期から。
おみくじの引き方
浅草寺のおみくじのひき方はごく一般的で、おみくじの棒の入っている筒から、1本取り出し、棒に書いてある数字と同じ番号の引き出しから紙を取り出します。
その紙に、運勢が書いてあります。
紙には吉凶が書いてありますが、このレベルわけは神社によって違います。また、吉と凶の比率も神社で違うそうです。
浅草寺のおみくじは「凶」が多いそうですが、古来の「おみくじ」そのままとのこと。浅草寺のQ&Aにそう書いてありました。
浅草寺のホーム・ページ⇒聖観音宗 あさくさかんのん 浅草寺 公式サイト
引いたあと、神社の木の枝に結ぶのは、縁談が結ばれるように、とか、よい運勢が結実するように、という願いをこめています。
今は、どんなおみくじも結んで帰る人が多いですが、本来は凶以外のおみくじは、持ち帰り、時々読むものだとか。
おみくじは和歌である
たいていのおみくじは和歌がついていて、それに吉凶と、健康、金運、待ち人、願望など書いてあります。
明治神宮のおみくじには、吉凶はありません。明治天皇が詠んだ和歌の中から、日々の心がけとしてふさわしい歌がおみくじになっています。これは「大御心(おおみごころ)」と呼ばれるもの。
明治天皇はなんと9万3千もの和歌を詠んでいるそうです。
参考⇒明治神宮-ご参拝・ご祈願される方へ- おみくじの歴史も書いてあります。
おみくじの製造シェア日本一は女子道社
明治の中頃までは、各神社が自前で作っていたおみくじ。
現在は、山口県周南市の女子道社という会社が全国のおみくじの6割以上を製造しています。
この会社は二所山田神社(にしょやまだじんじゃ)という山口県周南市にある神社が作った会社。
この神社の明治時代の宮司が、女性解放運動を推進する組織を作り、明治39年(1906年)に「女子道」という機関紙を発刊したのです。
おみくじ製造はこの新聞の資金源として考案されました。
明治時代のおみくじはたぶん手書きですよね?印刷でしょうか?手書きなら、そのフェミニズムの組織の女性が書き、折って納品していたと思われます。
現在も、この会社では、近所の主婦がおみくじを手作業で折っています。特に、おみくじがたくさん必要な繁茂期には、パートで増員。今も主婦に副業の機会を与えているわけですね。
この続きはこちら⇒浅草の甘味処にて~日本の旅 #4(フランスダイレクト)
浅草寺のおみくじ、1本100円もしますから、すぐに木に結ばず、持って帰ってじっくり和歌を味わいたいですよね。
英訳もついてたみたいだし。
この記事へのコメントはありません。