ジョルジュ・サンド

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知られざるジョルジュ・サンドの生涯

フランスの女流作家、ジョルジュ・サンド(1804年 – 1876)の生涯について、子ども新聞で読みました。

スペルはGeorge Sand。これはペンネームですが、ジョルジュは男性の名前です。わざと男性の名前をつけています。トップの画像は34歳のサンド(1838年)の肖像画の上のほうです。この肖像画は有名ですね。

肖像#8 ジョルジュ・サンド、自立したフェミニスト

男女平等、女性の参政権や教育を受ける権利。何世紀も前から、女性はこうした権利を求めて戦ってきました。

そういった女性の中には名前が知られていない人も多いです。1jour1actu では、こうした歴史を刻んだ女性たちを紹介していきます。

今月の特集の8番目の肖像はジョルジュ・サンドです。

私の名

本名はオーロール・デュパンです。ジョルジュ・サンドというペンネームで作品を発表しています。

私の生まれ

1804年生まれです。父は軍人で音楽が大好きでした。父は私が4歳のときに亡くなり、私は祖母に預けられました。

祖母は私の母と折り合いが悪く、私と母と一緒に住みたがりませんでした。そこで私は、フランスの中部のノアン(Nohant)という街にある祖母の大きな館で育ちました。今は、みなさんもこの館を訪れることができます。

私はよく勉強しましたが、庭を自由に散歩したり、好きな本を読んだりもして過ごしました。

14歳のとき、パリの寄宿学校に入りました。ようやく母のそばに住むことができてうれしかったです。ノアンに戻るまでの2年をそこで過ごしました。

その後、祖母が亡くなったので、母のそばにもどりました。17歳になっていました。友達の家を訪れたとき、カジミール・デュドヴァン(Casimir Dudevant)に出会いました。彼は後に私が数年間結婚することになる男性です。

私の仕事

作家です。46年のあいだ、私は毎日執筆していました。

私の作品は、私の個人的な生活からインスピレーションを得た小説、戯曲、評論、詩人のアルフレッド・ド・ミュッセなど大勢の男性や、母と交換した手紙などです。

あわせて109巻にものぼります。私の時代には、文学で生活できることはきわめてまれでした。私はそうすることのできた最初の女性です。

私の好きなこと

読書です!すごく小さいときから、本が大好きでした。はじめは哲学書を読み、次に小説を読みました。

でも、読むことだけが好きだったわけではないです。思春期には乗馬をよくしました。私の雌馬の名前は「コレット(Colette)」といい、14年間、夏を共にしました。

また私はクラシック音楽が大好きでした。小さいころは、祖母のピアノの下に隠れて、演奏を聴いていたものです。

私の成し遂げたこと

著作以外に、政治活動でも知られています。夫婦における女性の権利のためにいつも戦っていました。

私の時代の女性の状況は今とは違っていたのです。女性は男性に従い、パートナーの一人としての権利はありませんでした。たとえば、夫婦が別れたとき、女性は子どもを引き取ることができませんでした。

私の名前はフランスの80の中学校についています。

〈和訳ここまで〉

元記事 → George Sand expliquée aux enfants (☆2022/08/08、ページが削除されたのでリンクをはずしました。)

単語メモ

confier qc/qn à qn/qc ・・・を・・・に託する

couvent 修道院、寄宿学校

se rapprocher ~に近づく、接近する;親密になる

parvenue (←parvunir) ~に達した、到達した

jument  雌馬

outre ~以外に

soumise (←soumettre) 従順な、素直な

・・・「私、ジョルジ・サンド中学出身よ」ってちょっといいですね。

サンドの生涯~補足

女性として初めて成功したプロの作家

子ども新聞の記述は大雑把すぎてわかりにくいのですが、ジョルジ・サンドのお父さんは貴族で、お母さんは貧乏なお針子さんで、2人は結婚してはいませんでした。

だから、サンドは父方のおばあさんの大きなお屋敷で育ったのです。

ここは田舎で、「魔の沼」や、「愛の妖精」などに出てくる田園はこの頃の環境を書いています。いわゆる「田園小説」ですね。

18歳のとき、デュドヴァン男爵と結婚しますが、数年で分かれ、子ども2人を連れてパリに出ます。

27歳ぐらいのとき、恋人のジュール・サンドー(Jules Sandeau)と合作で小説を発表し、翌年、「アンディアナ」という作品を一人で書いて、作家として認められます。

30代半ばから社会主義に傾倒していき、そうした作品を発表したり、政治活動をします。1848年(44歳)の2月革命にがっかりして、以後はノアンに戻り、執筆活動に集中しました。

ペンネームのSandは、ジュール・サンドーのSandeauからとったそうです。

プロの作家として生活できた最初の女性ということですね。1804年生まれですから、フェミニズムの先駆けです。

子ども新聞の記事にもあるように、46年間(というのはこの記事を読んで初めて知りましたが)、毎日執筆してたんです。毎日ですよ。クリスマスもイースターも書いていたようです。

バルザックと同じようにバリバリ書くタイプで、どちらかというと仕事熱心、勤勉な人だったのです。しかも、おびただしい数の手紙が残っています。

ショパンとサンド

サンドはショパンと1836年(32歳)に出会い、10年ほど恋人同士でした。別れて2年後ショパンは病気で亡くなっています。

日本では、サンドが男装で社交界に出入りしてタバコを吸って、ショパンをたぶらかしたとか、そういうイメージがあると思うのは私だけでしょうか。

ひとえにショパンが日本で異様に人気があるせいでしょう。サンドの恋人はたくさんおり、リストともつきあっていたのですけど。

これは、友人の画家、ドラクロワの描いた34歳ころのサンド
縫い物をしています。

ドラクロワの描いたサンド

もとは隣でショパンが憂鬱そうな顔をしている1枚の絵だったのが切り分けられたと言われてる作品です。2人がいっしょに描かれているドラクロワのクロッキーが残っています。

これがショパン。きょうはサンドの話なので、ショパンは小さくしときます。

ドラクロアの描いたショパン

隣のサンドはとても満ち足りた雰囲気で、ショパンの暗い顔と対照的です。のちの2人の不協和音を予言しています。

ノアンの館(やかた)

サンドのお父さんはバイオリン、おばあさんはハープをとても上手に弾いたようで、ノアンの館に残っています。

音楽はサンドにとってとても大切なものの一つでした。

ノアンのお屋敷を紹介する動画です。
3分52秒

こんなお屋敷で子どものころ、過ごしたのですね。まわりは緑がいっぱいの田園。うらやましいですね。

このお屋敷には、ドラクロワ、バルザック、フロベールなどがよく訪れていました。病気のショパンをここで介抱したことでも有名ですね。彼は夏をこのお屋敷で過ごし、「英雄ポロネーズ」などの曲も書いています。

とても気候のよさそうなところだから、病人が行くには持ってこいの場所です。

私は、子どものとき「愛の妖精」を読み、ランドリーのいじらしい恋心にドキドキしていました。田園の中でのびのびと育ったサンドは、教養にあふれたやさしい人だったのではないでしょうか?






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コメント

    • ムツミ
    • 2016年 5月 20日 9:36pm

    面白かったです(^^)ビデオ画像も見てみました。参考になりました、有難うございます。

      • フランス語愛好家
      • 2016年 5月 21日 8:32am

      ムツミさま

      こんにちは。penです。
      記事を楽しんでいただき、
      ありがとうございます。

      これからもよろしくお願い
      いたします^^

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