ICカード

時事ニュース

ICカードが生まれて50年:ローラン・モレノの天才的発明

ICカード(carte à puce)が生まれて50年経ったと伝えるフランスの短いニュースクリップを紹介します。

ICカードはICチップが埋め込まれたカードで、代表的な例としてクレジットカードがあります。

puce のもともとの意味は「ノミ」ですが、ここでは、チップ(集積回路が乗っている半導体)のことです。

タイトルは Consommation : l’inoxydable carte à puce fête ses 50 ans(消費:酸化しないICカードが生まれて50年)

1分41秒。

電話ボックスの存在そのものがレトロです。

La carte à puce:トランスクリプション

Elle a révolutionné notre vie quotidienne.

La carte à puce est partout, dans la carte Vitale1, le passe dans les transports, dans les téléphones portables et surtout sur notre carte bancaire, le moyen de paiement préféré des Français.

J’ai toujours ma carte bancaire, au cas où j’ai besoin de faire des courses.

Absolument tous les jours et en fait depuis le Covid, j’utilise quasiment plus d’espèces.

C’est vrai que souvent je me retrouve sans cash, du coup…

Et toujours avec votre carte bleue3, par contre ?

Oui, toujours avec la carte bleue.

La carte à puce, utilisée dans le monde entier, est née du génie d’un Français il y a 50 ans, Roland Moreno, un inventeur autodidacte.

Vous qui êtes le père de cette carte mémoire, que fait le commerçant à ce moment-là ?

Alors le commerçant voit apparaître le montant de cette dépense sur son écran de contrôle et donne son accord en appuyant sur un bouton.

Une fois le brevet déposé en 1974, il a fallu attendre 1985 pour que la carte à puce décolle enfin en France.

Vous allez en demander une ?

J’en sais rien. Peut-être, j’en sais rien encore.

Ça dépend de quoi ?

Ça dépend de combien elle coûte, premièrement.

La puce a aussi révolutionné les cabines téléphoniques.

Le mode d’emploi il est simple. On introduit la carte à puce dans l’appareil, on compose le code confidentiel puis on appuie sur une touche verte.

C’est de cette utilisation que Roland Moreno était le plus fier.

Ça fait très, très plaisir de voir dans la rue des gens avec mon objet rectangulaire qu’ils introduisent5 dans une cabine, puis qu’ils disent je t’aime à leur fiancée. C’est absolument… je pouvais pas rêver mieux.

La carte bleue a progressivement détrôné le chèque. Sera-t-elle un jour remplacée par les paiements dématérialisés ? C’est tout l’enjeu de ces prochaines années.

☆トランスクリプションの引用元⇒7 jours sur la planète – Enseigner le français langue étrangère (FLE) avec l'actualité – Fiches pédagogiques gratuites

ICカード誕生から50年:和訳

ICカードは、私たちの日常生活を様変わりさせました。

ICカードは至るところにあります。健康保険証、交通カード、携帯電話の中に、そして特にフランス人が好む支払い方法であるクレジットカードとして。

-買い物したくなったときのために、いつもクレジットカードを持ち歩いています。

-毎日使ってます。COVID以来、ほとんど現金は使いません。

-そうですね。キャッシュを持たないときがよくあります。

-代わりにカードを?

-はい、いつもクレジットカードを持っています。

世界中で使われているICカードは、50年前にフランスで、1人の天才であるローラン・モレノによって生まれました。彼は独学の発明家です。

-あなたは、このメモリーカードの父ですが、店の人は何をするんでしょうか?

-店の人は端末の画面に表示される使われた金額を見て、ボタンを押して決済を承認します。

1974年に特許が出願されてから、フランスでの普及は、1985年まで待たねばなりませんでした。

-あなたも1枚欲しいですか?

-わかりません。まだわからないです。

-何によりますか?

-まず、値段がいくらかによります。

ICチップは、公衆電話ボックスにも革命をもたらしました。

使い方は簡単です。装置にカードを挿入し、暗証番号を入力して緑色のボタンを押します。

ローラン・モレノが一番誇りに思っていたのが、この使い方でした。

-街で人々が、私の作った四角いものを電話ボックスに入れて、「愛している」と言っているのを見ると、本当にうれしいです。これ以上の夢はありませんでした。

クレジットカードは、少しずつ小切手に代わりました。将来は、ものを使わない決済に取って代わられるでしょうか?

これが、今後数年の課題です。

単語メモ

carte Vitale  フランスの健康保険証

carte bleue  クレジットカード = carte bancaire

autodidacte  独学の

apparaître  現れる、出現する

*初期のICカードはほかの国でも発明されていますが、フランスではモレノさんの発明と認知されているようです。

ICカードの発明・関連動画

1996年、モレノさんが50歳のときに行われたテレビ番組でのインタビューです。

13分38秒。

特許を出願した1974年から、1983年に商業化されるまでの間はモレノさんはお金がなかったにもかかわらず、80近くの特許を申請したそうです。

ICカードを発明したなら、巨額の富を得られそうなものですが、彼は余分なお金は必要ないと考え、ずっと質素に暮らしています。

好きなCDやワイン(高価なワインではない)を買うことができればそれでいいとか。服装も質素ですね。

生活は前と変わっていないと言っています。発明によって得たお金は、全部会社の資金にしているようです。

彼の喜びは、発明を通じて社会に貢献すること。

上で紹介した動画では、皆が電話ボックスでカードを使っているのを見るのがうれしいと言っていましたが、自分の発明が、プチ・ラルース辞典にのったことはとても名誉に感じているそうです。

さらに、自分の発明によって、たくさんの雇用が生まれたことも、とても誇りだし、うれしいと言います。

立派な人ですね。

*****

私もCOVID以来、現金は使わなくなりました。

お金はすべて、銀行から店へ移動するデータ(数字)となりました。

現金を支払わないとお金を使っている実感がありませんね。






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