ブランコ

フレンチポップスの訳詞

歌と訳詞:On ne change pas~セリーヌ・ディオン「私たちは変わらない」

きょうはセリーヌ・ディオンの曲をご紹介します。1998年に発売された«S’il suffisait d’aimer»というアルバムからシングルカットされた«On ne change pas»です。

このアルバムはフランス語のアルバムとしては世界で二番目に売れたんだそうです(ちなみに一番はやはりセリーヌ・ディオンの «D’eux»)。

この曲をご存知の方も多いかもしれませんね。



On ne change pas

3分46秒

セリーヌ・ディオンはカナダのケベック出身の歌手です。

最初の2フレーズだけオリジナルの歌詞を引用します。

On ne change pas
私たちは変わらない

On ne change pas
On met juste les costumes d’autres sur soi
On ne change pas
Une veste ne cache qu’un peu de ce qu’on voit
On ne grandit pas
On pousse un peu, tout juste
Le temps d’un rêve, d’un songe
Et les toucher du doigt

私たちは変わらないわ
ただ、違う衣装を身にまとうだけ
私たちは変わらないわ
上着は、目に見えるものをほんの少し隠すだけ
私たちは成長しないわ
少しは大きくなるけど、それだけ
夢みる時を
指先でさわってみるの

Mais on n’oublie pas
L’enfant qui reste, presque nu
Les instants d’innocence
Quand on ne savait pas

私たちは忘れないものよ
子どもは残っている、ほとんど裸のままで
無邪気だった時
その時は気づいていなかったけど

私たちは変わらないわ
姿を選び、闘うふりをするけど
私たちは変わらないわ
変わったように見せかけるの
私たちは選択をするのだと信じられているけど
あなたが自分の中の
ふるえている姿にとても近いところをひっかけば
彼がそこにいることがよくわかる
幾度となく繰り返される生意気な声が聞こえる
何度も言い張るわよ
「お願い、私を置いてかないで」って

私たちは決して忘れないものよ
いつもそんなふりをするけど
自分自身を欺くの
王子さま、それとも召使
冠の下には
王子さまや召使の
傲慢さや、裏切りが見える
私にはよくわかっているから
そのイメージや
私の持っていた夢を再現するの
何千という夢のすべてを

私にとてもよく似た
ちっぽけでやせた女の子が
シャルルマーニュを歩く
不安そうに、私に小さな声でささやく

私たちは変わらない
別の衣装をつけると、ほら
私たちは変わらない、私たちには
自分自身である時を隠せない

小さな女の子が、
むなしく、さびしく歩く
雪の中の夢
でもそこは寒くないの

もし、私がその子に色をぬったら
彼女は少し消えるけど
その子を見ると
私を馬鹿にしている

小さな女の子
本当に小さな一人の女の子

※歌詞はこちらを参照しました⇒Paroles On Ne Change Pas – Celine Dion

こちらのアルバムに入っています。

単語メモ

pousse < pousser (話)植物が枝などを伸ばす、人が歯などを生やす この動詞の基本的な意味は「押す」

songe 空想、夢想

donner le change à qn ~をあさむく、だます

se gratter 自分のからだの一部をかく

rengaine (絶えず繰り返される)決まり文句;流行歌のリフレイン

insolente 生意気な

s’entêter 固執する、意固地になる

valet 召使、従僕

ingrate 報いるところの少ない、むなしい

歌詞が今ひとつわからなかったので、参考程度にとどめてください。

歌を訳すのが難しいのは、比喩が多いということもあるのですが、歌詞が詩のように並んでいるからです。つまり、どれが動詞の目的語なのか、今ひとつ確信が持てない時が多いです。

これがふつうの文章のように大文字で始まりピリオドで終わっていれば、文の切れ目がわかるので、主語、動詞、目的語が判別しやすいのですが、歌詞はいったいどこまでが意味のつながりなのかあいまいです。

この動詞にはこの前置詞しか結びつかないという知識がもう少しあれば多少はましになるでしょうか?



この歌のテーマは?

構文だけでなく、なんでいきなり、王子様と召使がでてくるのか解せません。

女の子だから、王女さまと下女とかならまだわかりますが(いや、それでもやはりわかりませんが)。

そしてCharlemagneですが、これはカール大帝なんですが、地名として訳してみました。marche を動詞(marcher 歩く)として訳したということです。

カール大帝は国境に辺境領(marche)を置いていたので、もしかしてそれなのかもしれません。その場合はmarcheは名詞ということになります。

歌のテーマは三つ子の魂百まで、ということですね。

なんとなく悲しげな曲調なのは、自分の中の忘れ去られた子どもの心が泣いているからでしょうか?






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コメント

  1. 記事読ませていただきました。毎度すごいですね。
    私もちょっと気になってみたんで、コメント残しておきます。

    以下のの二つの文章は意味が違うんじゃないでしょうか?
    On met juste les costumes autres sur soi
    ただ、違う衣装を身にまとうだけ
    On met juste les costumes d’autres sur soi
    ただ、他人の衣装を身にまとうだけ

    原文をみて、私の王子と従者のあたりの解釈、

    振る舞いで王子か従者かすぐにばれてしまう。
    たとえ、王冠を被ったとしても言動が
    王子のものか従者のものかわかってしまう。
    自分も想像して夢見て何千回も真似したからこそ、
    わたしはその下の本質が隠せないことをしっている。

    王子と召使が身分を隠すために、服を変える話があったりするんで、その辺を意識しているのでは?

    実際のところ、人間は見た目で結構だまされてしまうほうが圧倒的に多いので、そのことを批判して、中身が大事なんだと歌っているかなと思ったりもしました。子供の時の純粋さをいつまでも持ち続けて、見た目にごまかされるなってことかも。

    前のコメント間違って入力してしまったんで、消しといてください。

      • フランス語愛好家
      • 2013年 6月 09日

      bird_birdさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      他の人の服ですね。全然そんなふうには思わなかったですが、ちょっとあとで考えますので、
      お時間をいただければと思います。

      王子と召使・・・なるほど。実は、この歌詞、自分でも本当によくわからなかったのですが(シャルルマーニュとか)、
      ちょっとリサーチしてる時間がなくて、こんな適当な訳で出してしまいました。
      王子と召使が身分を隠すために服を変える話って何ですか?

      私は歌のテーマをChassez le naturel, il revient au galop.と思いましたが、
      bird_birdさんは、L’habit ne fait pas le moine ; il faut se méfier des faux-semblants.
      という解釈ですね。

      前のコメントは今から削除します。

      いつもありがとうございます。

  2. こんにちは。

    前半のautreのことは私も調べてみます。
    ふと疑問におもって、適当に書いただけなんです。

    王子と召使が入れ替わる話のことですが、
    ロッシーニのオペラ「シンデレラ」です。
    この版のシンデレラは従者の格好の王子と恋に落ちます。
    本質を見抜くって話に合ってるような気がします。

    あと、シャルルマーニュの部分は謎すぎますね。

    では、よい週末を!

      • フランス語愛好家
      • 2013年 6月 09日

      bird_birdさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      ロッシーニの「シンデレラ」なんですね。
      「シンデレラ」と「王子と乞食」をかけあわせたような話になっているのかな。
      教えていただきありがとうございます。
      bird_birdさんもよい週末を。

    • 樋沼達雄
    • 2013年 6月 11日

    知り合いのフランス人女性で上智大学などで講師をしているひとに聞いてみましたら、Celine Dion は1968年 Quebec の Repentignyでうまれています。この町は Charlemagne に近いところです。Wipipedia で、Celine DionとCharlemagneを検索しましたら、Charlemagne の目抜き通りの一つには2007年から Boulevard Celine Dion と命名されていると書かれていました。Charlemagne の町の名の由来はカール大帝ではなく、Romuarld-Charlemagne Laurier (1852-1906)という連邦議員の名誉を後世に残すためにつけられたようです。

      • フランス語愛好家
      • 2013年 6月 12日

      樋沼さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      わざわざ、講師の先生に聞いてくださったのですね。
      どうもありがとうございます。
      なるほど、セリーヌ・ディオンの出身地に近いところにある
      場所の地名ですか。それだと意味が通じますね。
      わかってよかったです。これからもよろしくお願いします。

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