モリエールの像

フランス語を読む練習

モリエールの作品が古くならない理由。

今年2022年はモリエール(1622-1673)の生誕400周年。そのせいで、メディアで彼のことがよく話題になっています。

今回は、彼の作品は古くならないと伝える2分少々のニュースクリップを紹介しますね。

モリエールは、フランスの超有名な劇作家で、フランス古典喜劇を確立した人。

私の電子書籍Ex-wordに入っているデジタル大辞泉の説明によれば、「鋭い人間観察による風俗描写と心理展開に基づく性格喜劇を書き、多くの典型的人物を創造した」人です。

動画のタイトルは、L’éternelle jeunesse de Molière(モリエールの永遠の若さ)

モリエールの誕生日は、1622年1月15日です。

L’éternelle jeunesse de Molière

2分15秒。

トランスクリプション

C’est un vieux monsieur âgé de 400 ans. Il a écrit 36 pièces. C’est une star de la littérature de l’école primaire aux scènes de théâtre. Mais à l’heure de TikTok et d’Instagram, en quoi serait-il encore moderne ?

C’était un comédien à la base. Il écrivait pour lui.

On se rend pas compte que ça a été écrit il y a longtemps et on entend juste des gens qui se parlent.

Molière, c’est un auteur qui est à la fois moderne parce qu’il aborde des sujets encore d’actualité.

C’est dans sa vénérable maison, la Comédie-Française, que l’on découvre les premières réponses. Entre ces murs, il est présent comme un fantôme. La troupe répète, joue, redécouvre chaque année son répertoire. Cette semaine, en répétition, Tartuffe en version contemporaine.

« Et songez qu’il vaut mieux encor qu’il en mésuse, que si de l’en frustrer il faut qu’on vous accuse.

J’admire seulement que, sans confusion, vous en ayez souffert la proposition. »

Pour les jeunes comédiens du Français, la langue de Molière n’est pas du tout ringarde.

Molière a exploré tous les champs de la langue française possibles : les vers, la prose, un langage sophistiqué, un langage populaire… Enfin, il est passé par tout ; c’est pour ça qu’on parle de la langue de Molière.

Que les comédiens aiment Molière, c’est normal, mais les ados bien de leur époque, qu’en pensent-ils ? Direction le lycée Montaigne. Dans cette classe, depuis la rentrée, on l’étudie.

Et ces lycéennes savourent ses alexandrins.

« On fait connaître assez que notre cœur se rend, et qu’à nos bouches… et qu’à nos vœux par honneur notre bouche s’oppose, et que de tels refus promettent toute chose. »

C’est magnifique ! C’est la langue de Molière. Voilà, il y a du rythme. C’est dur à formuler, genre, dans la vie courante les alexandrins, mais à un moment où on en dit, genre, c’est beau.

C’est beau, mais c’est surtout d’actualité. Et dans cette classe-théâtre, L’École des femmes sonne comme un MeToo d’avant l’heure.

« Moi, je tiens que l’ajustement est la chose qui réjouit le plus les filles. »

Molière en parle avec un souffle, un mordant, une cruauté, avec un corps qui s’exprime, avec des femmes qui répondent, avec des femmes qui résistent avec les moyens qui sont les leurs.

Tartuffe, ce faux dévot, escroc au nom de la religion, bien sûr ce sont les intégrismes d’aujourd’hui. 400 ans sont passés, mais Molière fouille toujours les recoins de la vie en société et de l’âme humaine.

☆トランスクリプションの引用元⇒7 jours sur la planète | Apprendre le français avec TV5MONDE 2週間ごとに問題が変わるので、7 jours sur la planèteの練習問題のトップページにリンクしています。

老けないモリエール・和訳

★舞台稽古や高校生が読んでいるモリエールの戯曲のセリフは、意味がよくわからず、適当に訳したので参考にしないでください。まともな訳を知っている方は教えてください★

彼は400歳になる老紳士。36の作品を書きました。

小学校から、舞台上まで、文学の星として輝いています。

でも、TikTokや、Instagramの時代に、なぜ彼はいまだに現代的なのでしょうか?

– 彼は根っからの役者でした。自分のために作品を書いたのです。

– 大昔に書かれたものだとは気づきません。私たちは、人々が話しているのをただ聞くのです。

– モリエールは、現代的な作家でもあります。というのも、彼は、今の時代に通じる題材を取り上げていますから。

彼の由緒ある館である、コメディ・フランセーズに、その最初の答えがあります。この壁の中で、モリエールは幽霊のように生き続けています。

この劇団は、毎年、彼の作品をリハーサルし、公演し、再発見しています。

今週は、現代版の「タルチュフ」のリハーサルが行われています。

「彼が裏切ったから、きみが皆に非難されているとしても、それを悪用するほうがよいと考えてはどうだい? 当惑することなく、プロポーズを受け入れたことに感服するね(???)」。

フランスの若い俳優たちにとって、モリエールの言葉はまったく時代遅れではありません。

– モリエールは、あらゆるフランス語を探求しました。詩、散文、洗練された言葉、大衆的な言葉、すべてを。要するに、彼は、すべてを試したのです。だから、皆、モリエールの言葉を語ります。

役者たちがモリエールを好きなのはふつうのことです。しかし、今のティーンエイジャーたちは、どう思っているのでしょうか?

モンターニュ高校に行ってみましょう。このクラスでは、学年の初めから、モリエールを勉強しています。

そして、この女子高生たちは、彼のアレクサンドラン(12音節詩句)を味わっているのです。

「心が負け、唇が、名誉のために願いとは反対のことを唇が語る、そのような拒絶が、すべてを約束するということを人は充分わかっている(???)」

– すばらしいわ。モリエールの言葉よ。ほら、リズムがあります。アレクサンドランは、ふだんの生活で、言葉にするのは難しいけれど、実際に口にするとその瞬間、美しいと感じます。

美しいのはもちろん、何よりも現代に通じています。この学生の劇場でやっている「女房学校」は、時代に先がけて、MeToo運動のように響いています。

「私は、女子たちが何よりも喜ぶのは、合わせることだと思うんです」。

– モリエールは、語っています。息づかい、辛辣さ、残酷さ、自己表現する身体、応える女性たち、自分たちのもっている手段で抵抗する女性たちを使って。

タルチュフ、この偽の信者であり、宗教の名を借りた詐欺師は、もちろん、今日の原理主義に見られます。

400年たってもモリエールは、社会と人間の魂の片隅をさぐっているのです。

単語メモ

aborder  (問題、テーマ)に取りかかる

mésuser  悪用する

souffrir  我慢する、耐える、容認する

ajustement  合わせること、調整

un mordant  辛辣さ、攻撃的性格

une cruauté  残忍

s’exprimer  自分の考えを表現する

intégrisme  保守十全主義(特にカトリック教内で体制の近代化を拒否する伝統的教義や態度)、伝統主義、原理主義

un recoin  片隅

タルチュフの翻訳本は、岩波文庫にあります。タルチュフは人の名前で、にせの信者。宗教の偽善を批判・風刺した喜劇です。

オリジナルのフランス語版は、当然、パブリックドメインなので、ネット上にあると思います。

★関連記事もどうぞ⇒コメディ・フランセーズ~「虎と小鳥のフランス日記」第23話

400年前のフランス語、難しい^^;

モリエールについては、また別の記事で取り上げる予定なので、今回は、関連動画はありません。






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