2016年のフランス映画、Retour chez ma mère(お母さんの家に帰る)のワンシーンを紹介します。
この映画はコメディで、フランスで200万人以上の動員を記録したそうですが、日本では公開されていません。
Un repas de famille 家族の食事にて
冷凍食品のパイを「私が1人で作ったの」というお母さんと子どもたちとの笑える会話。
ここで話題になっているPicard(ピカール)はフランス生まれの冷凍食品専門店です。
1分34秒。
たいした話はしてないんですが、スピードが速いから聞き取りが難しいですね。
トランスクリプション
JACQUELINE : Je vous préviens : j’ai fait picard! Allez, commencez ! Je vais tourner la salade. J’arrive!
NICOLAS : “Picard” pour un repas de famille. Je suis content d’avoir fait 500 bornes, moi.
CAROLE : Ouais, elle s’est pas foulée !
ALAIN: Elle est super bonne votre tourte, Mamida!
JACQUELINE : C’est picard ! Je peux vous dire que c’est du boulot, hein !
NICOLAS : Enfin, c’est surtout eux qui le font, le boulot, hein !
JACQUELINE : Qui ça, “eux” ? Je l’ai faite toute seule.
CAROLE : Ben non, Maman! De deux choses l’une: soit tu l’as faite, soit c’est “Picard”. Non, mais Maman, tu l’as achetée dans le magasin, tu as payé, tu as ouvert le paquet, tu l’as réchauffée. Tu te souviens de tout ça ?
JACQUELINE : Mais, qu’est-ce qui vous arrive tous aujourd’hui ? Vous êtes pas bien ? J’ai pas passé ma journée dans la cuisine pour m’entendre dire que j’ai fait réchauffer au micro-ondes ! C’est la meilleure ! Vous aimez pas ça, les plats picards?
ALAIN: Ah ben, si! Moi, je suis super fan de leur moussaka. Ah, ouais, ça !
JACQUELINE : Ah non !Non, Alain, la moussaka, c’est grec. C’est pas du tout picard. Là, vous êtes tous zinzin. C’est une flamiche ! Une tourte picarde ! Je l’invente pas. J’ai passé ma journée à le faire ! Je sais ce que je dis !
STÉPHANIE: Aaah, c’est une tourte picarde de Picardie! Ah, ah, ah!
JACQUELINE : Oui! C’est une recette de ma cousine d’Amiens.
ALAIN: Damien, c’est bizarre comme prénom pour une femme.
JACQUELINE : Ma cousine Rose, d’Amiens, en Picardie.
ALAIN: OK.
JACQUELINE : Mais vous l’avez connue, ma cousine Rose à Amiens, derrière la cathédrale, rue Hue…
STÉPHANIE : Rue?
JACQUELINE : Rue Hue.
STÉPHANIE: Oui, mais d’accord ! Mais rue quoi ?
JACQUELINE : Mais je viens de te le dire : rue Hue.
CAROLE : Maman, tu sais, tu finis plus tes phrases !
JACQUELINE : Mais, enfin ! C’est un cauchemar! Rue Hue, rue Hue, comme la famille de Robert Hue, le coco ! Voilà, rue Hue !
TOUT LE MONDE : Ah !
JACQUELINE : Là… là… Vous m’avez épuisée ! Allez, on passe à la suite.
トランスクリプションの引用元⇒Repas de Famille (Bande-Annonce du Film "Retour chez ma mère") : French Reading practice – Kwiziq French
ピカール問答・和訳
ジャクリーヌ: 言っておくけど、ピカールを作ったの。さあ、始めましょう! 私はサラダを混ぜるから。すぐ行くわ。
ニコラ: 家族の食事で「ピカール」か。500キロも移動してきた甲斐があったな。
キャロル: そうね、全然手間かけてないわね。
アラン: マミダ(親しい人への呼びかけ)、このパイ、本当に美味しいよ。
ジャクリーヌ: それはピカールよ。すごく手間がかかってるのよ(←これにどれだけ手間がかかるか、言えるわよ)。
ニコラ: でも、それを作ったのは彼ら(ピカールの人たちのこと)だから。
ジャクリーヌ: 誰よ、「彼ら」って? これは私が一人で作ったのよ。
キャロル: 違うわよ、ママ。ふたつのうちのどっちかよ。自分で作ったか、「ピカール」か。だってママ、それ、店で買ったでしょ? お金を払って、パッケージを開けて、温めただけじゃない? そういうの覚えてる?
ジャクリーヌ: まあ、今日はみんなどうしたの? 大丈夫? 私、一日中キッチンにいたのに、「電子レンジで温めただけ」なんて言われるなんて! こんないいことないわね。ピカールの料理、みんな嫌いなの?
アラン: いやいや好きだよ。僕なんか「ピカール」のムサカが大好きだって。
ジャクリーヌ: 違うわよ、アラン。ムサカはギリシャ料理でしょ。それは全然ピカールじゃないわよ。みんな頭が少し変ね。これは「フラミッシュ」(ピカール地方のパイ)なの。ピカールのパイよ。作り話じゃないわ。一日かけて作ったんだから。ちゃんとわかってるわ。
ステファニー: ああ、ピカルディ地方のピカールのパイってことね。ははは…
ジャクリーヌ: そうよ。アミアンにいるいとこのレシピよ。
アラン: ダミアンって、女性にしては変わった名前だな。
ジャクリーヌ: いとこのローズよ、ピカルディ地方のアミアンの。
アラン: なるほど。
ジャクリーヌ: でも、アミアンのいとこのローズ、知ってるでしょ? 大聖堂の裏に住んでた、リュ・ウ
ステファニー: リュ?
ジャクリーヌ: リュ・ウ。
ステファニー: はいはい、わかった。でも「リュ」何?
ジャクリーヌ: 今言ったでしょ、リュ・ウ。
キャロル: ママ、文章の最後まで言ってないわよ。
ジャクリーヌ: だって、もう。悪夢だわ。リュ・ウ、リュ・ウよ、ロベール・ウ(政治家、共産党員)の一家みたいに。コミュニストの、リュ・ウ!
全員: ああ!
ジャクリーヌ: もう、 私、疲れちゃった。さあ、次に行きましょう。
単語メモ
borne 1キロメートル
se fouler 精一杯努力する、苦労する(☆多くは非定型で用いる)
zinzin 頭が少しおかしい人
Retour Chez Ma Mère・関連動画
この映画は、40歳の建築家ステファニー(アレクサンドラ・ラミー)が職を失い、やむを得ず実家、つまり母親ジャクリーヌ(ジョシアン・バラスコ)の家に戻るところから始まります。
久しぶりの同居生活は、母親の過干渉や生活習慣の違いから、さまざまな摩擦を生み出します。 兄弟姉妹が集まった食事の席では、過去のわだかまりや秘密も明らかになります。
Retour Chez Ma Mère の予告編です。
こちらはパスワードに関するやりとり。
もしかしたら、こっちのほうが聞き取りがやさしいかもしれません。
フランス語の先生がトランスクリプトを書いてくれているのでリンクします⇒今日覚えたい書き取り – le Ciel フランス語教室のブログへようこそ
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この映画のギャグは、フランス文化に詳しくないとそこまで笑えないので、日本の映画会社は買付けを見送ったのかもしれませんね。
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