赤いバラ

フランス映画

「美女と野獣」(2014)予告編のフランス語

フランス映画の予告編を使ってフランス語を勉強するシリーズ。今回は有名なおとぎ話「美女と野獣」です。

原題は La Belle et la Bête 美しく若い娘と野獣(もともとは王子様)の恋がテーマのこの物語は、ロマンチックな設定のせいか、映画、お芝居、バレエなど数々の作品になっています。

今回取り上げるのは、2014年の実写版、フランス映画の「美女と野獣」です。



La Belle et la Bête 予告編

予告編を見れば、だいたいどんな話かわかります。

和訳は多少意訳しています。

Il était une fois…un riche marchand dont la fille préférée s’appelait Belle.
Lors d’une terrible tempête, le marchand perdit sa fortune et sa famille se trouva ruinée.
Mais la chance leur sourit à nouveau.

昔々あるところに金持ちの商人がいました。彼にはベルという名前のお気に入りの娘がいました。
ひどい嵐が襲ってきたとき、商人は全財産をなくし、家族は没落しました。
けれども、また運が巡ってきました。

Mes enfants, je pense qu’on est sauvé.
Ah, il nous faut des nouvelles robes, du parfum et…
On va faire une liste.
Et surtout n’oubliez rien.
Et toi, qu’est-ce que je te ramène?
Je voudrais juste une rose.

子供たち、もう大丈夫だ。
新しいドレスと香水がいるわ、それから…
リストを作りましょう。
1つ残らず、忘れないでね。
おまえはどうなんだ、何を持ち帰ろうか?
バラを一輪、お願いします。

Égaré dans la forêt, le marchand fit une découverte extraordinaire…

森で迷い、商人は驚くべきものを見つけました。

Il y a quelqu’un ?

誰かいますか?

Incroyable! Tout y est. Enfin, presque.

何ということだ。みんなここにある。ほとんどみんな。

… qui allait changer la vie des siens.

それが彼の家族の運命を変えることになりました。

Mes cadeaux ne te suffisent pas ?
À qui est destinée cette rose ?
À la plus jeune de mes filles.

私の贈り物は充分ではないのか?
そのバラは誰のためなのだ?
末娘に。

Il a dit: “Une vie pour une rose”.
Si vous ne lui obéissez pas ?
Alors on mourra… tous.

彼は「バラの代わりに命をよこせ」と言ったのだ。
もし従わなかったら?
殺される…私たち全員。

Père ! Non, Père !

父さん、だめだ、父さん!

Guide-moi jusqu’au château et conduis-moi jusqu’à cette bête.

私を城まで案内して、野獣のところへ連れて行って。

Je m’appelle Belle.
Je suis venue échanger ma vie contre celle de mon père.

私の名前はベルです。父の命の代わりに私の命をさしあげます。

Ne pense même pas à t’échapper.
La forêt se refermerait sur toi.

逃げようなんて考えるな。
森から出られやしない。

À qui appartient ce château ?
Tout ce qui est ici m’appartient.
Vous parlez comme n’importe quel homme.
C’est assez décevant.

このお城は誰のもの?
ここにあるのは何もかも私のものだ。
ほかの男の人みたいな口をきくのね。
失望したわ。

Je pourrai combler tous tes désirs.
Vous vous drapez dans les parures d’un prince, mais vous n’êtes qu’une bête cruelle et solitaire.

あなたの望みはすべて叶えてやれる。
王子様の服で本性を隠していても、あなたは残酷で孤独な野獣にすぎないわ。

Que sais-tu de moi ? Rien.
Ça vous arrange peut-être de ne jamais penser à votre passé.
Tu as raison. Tu remplis un vide immense.
Laissez-vous aller.

私の何を知っているというのだ? 何も知らないだろう。
過去のことを決して考えないほうが、あんたにとってはいいんじゃないかしら。
その通りだ。あなたは計り知れない空虚さを埋めてくれる。
私を逃してください。

Ça vient d’un château abandonné.
Si je t’y emmène, tu récupères le reste du trésor.
Et t’effaces ma dette.

誰もいない城から来た。
そこまで案内したら、あんたは残された財宝を手に入れられる。
これで私の借金は帳消しだ。

Si vous ne revenez pas…
j’en mourrai.

もしあなたが戻ってこなかったら
私は死んでしまう。

Laissez-moi retourner auprès de lui; c’est mon seul souhait, mon seul désir.

彼の元に戻らせてください。それが私の唯一の願い、唯一の望みです。

単語メモ

ruiné  破産した、没落した

égaré  道に迷った、迷子になった

s’échapper  逃げる、脱走する

refermer  閉じる

décevant  失望させる、期待はずれの

combler  ~を満たす、埋める

draper (うわべを装って)覆い隠す

parure  装い、身支度

emmener  ~を連れて行く

s’effacer  消える

昔話なのでお話を語る部分にときどき単純過去形が出てきます。

英語吹き替え版と日本語字幕版の予告編

英語の吹替版と、日本語字幕版の予告編も紹介します。多少編集が違います。

こちらは英語吹き替え版。

なんだか、すごく大げさに無意味にドラマチックになって、オリジナル版の雰囲気が台無しだと思うのは私だけでしょうか。

日本語版の予告編は、なんでもかんでも「愛の物語」と強調する傾向があります。しかも、毎回ネタバレしすぎています。



「美女と野獣」について

「美女と野獣」はヨーロッパの伝説がもとになった物語です。

1740年にヴィルヌーヴ夫人が書きましたが、現在知られているのは、ヴィルヌーヴ夫人版を短くした、ボーモン夫人のバージョンです。こちらは1756年にでました。ほかにもいくつかバージョンがあるようです。

いずれにしても、18世紀の古いお話です。

父親の犠牲となり、醜い野獣と一緒になった娘が、愛の力で魔術をとき、野獣を王子さまの姿に戻し、その後は2人で幸せに暮らす、というあらすじです。

ベルは、とても美しいのでベル(Belle)という名前です。belle は「美しい」という意味の形容詞、beau の女性形。

ベルのお父さんには息子3人と娘3人がいました。

この人は金持ちの商人ですが、映画の予告編にあったように、嵐の日に、商品を載せた船をなくして、没落します。

しかし、しばらくたってから、船はどこかの港にたどり着いたことがわかります。そこで、船を回収するために出かけます。

このとき、「お土産にこういうものを買ってきてね」と上の娘2人がねだるのです。

物語の常で、3人姉妹の上の2人は、わがままでぜいたくで高慢ちきで、自分のことしか考えていません。おしゃれとか舞踏会とかそういうことしか頭にないわけです。

しかし、末の娘のベルは控えめで心やさしく、父親を深く愛していました。だから、近所には咲いてないバラをお土産にお願いしたのです。

お父さんは、このバラを野獣の庭で調達してしまい、野獣が怒ったのです。お父さんはきっと誰もいないと思ったんでしょうね。

今回紹介した映画では野獣の過去にフォーカスしています。いろいろと苦悩の多い人生なのです。

実写版では1946年のジャン・コクトーの作品が有名ですが、最近話題にのぼるのは2017年に公開されたディズニー制作のアメリカ映画です。

こちらはエマ・ワトソン主演です。ディズニー制作だからか、アニメをそのまま実写にしたような感じです。

フランス映画のほうは、もっと大人な雰囲気ですね。

フランス映画版の主演はとても美しいレア・セドゥ。陶器の人形のような白い肌が、伝説に出てくる美女にぴったりです。

レア・セドゥのことはこちらで詳しく書いています⇒フランス映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』の予告編

ほかに日本語吹き替え版がついているのとか、いろいろあります。amazonではレンタル(400円)もできます。

*********

ベルは最初は野獣を嫌っていました。しかし、いろいろ話をしているうちに、「紳士的だし、この人は意外にいい人なのかもしれない」と思い始め、愛情を持つようになります。

人は(動物は)見かけによらないのです。






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コメント

  • コメント (2)

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  1. こんにちは。こないだ美女と野獣の映画をみてきたばかり。
    楽しい投稿ありがとうございました。
    こちらは、フランスで少し仏語の修行です・・・。

      • フランス語愛好家
      • 2017年 7月 24日

      kazuさん

      コメントありがとうございます。

      フランス、いいですね。楽しんできてください。

      pen

*

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