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『パリ20区、僕たちのクラス』で条件法現在を学ぶ:予告編のフランス語(2)

フランス映画予告編を使ってフランス語を学習するシリーズ。先週から、Entre Les Murs 『パリ20区、僕たちのクラス』の予告編を見ています。

移民の多い中学校で、フランス語を教えるのに苦労するフランソワ先生と、生徒たちを描いた映画です。



『パリ20区、僕たちのクラス』予告編のスクリプト

予告編はこちら。

今回は36秒ぐらいから59秒あたりまで。

Y a marqué là… regardez bien ce qu’il y a marqué : “si ce que tu as à dire n’est pas plus important que le silence, alors tais-toi !”
Souleymane, si seulement tu pouvais écrire des choses aussi intéressantes sur ta feuille que sur ton bras, ce serait extraordinaire.
Eh, mais, vous charriez trop, mais un truc de ouf !
Comment ça, non, je trouve pas que je charrie trop.
Mais tout le monde trouve que vous charriez trop.
Je pense avec elle.

Je réponds pas, c’est tout !
Vas-y, attends, me touche pas… Fermez tous vos gueules…
Il dépasse les bornes là.

和訳
ここに書いてあります。ここに書いてあるのをよく見てください。「沈黙よりも重要な話でないのなら黙りなさい」。

スレイマン、もし君が、腕じゃなくてノートにそんなふうにおもしろいことを書けたら、素晴らしいんだけどね。

先生、からかいすぎじゃないですか。ひどいわ。

どうして?別にからかってなんかいませんよ。

みんなからかいすぎだと思ってますよ。

彼女と同意見です。

答えたくありません。それだけです。

おい、待て、俺にさわるな。黙れ。
やり過ぎだ。

スクリプトはこちらを参照しました⇒http://www.tv5monde.com/TV5Site/upload_image/app_fp/fiche_complete/BA.pdf LES MURS : La bande-annonce (☆2022/07/27:ページが削除されたのでリンクをはずしました)。

単語メモ

Si ce que tu as à dire n’est pas plus beau que le silence, alors tais-toi
沈黙よりも価値のあることでないのなら、黙っていなさい。
アラビアの格言らしいです。

tais < taire se taire  黙る、口をつぐむ

charrier (人を)からかう、かつぐ

un truc de ouf   馬鹿げたこと、とてもひどいこと
ouf は fou(気の狂った、気違いの、気違いじみた、無分別の)を逆につづった(音節を逆にした)スラングで、ベルランの一種。

ベルランについてはこちらをどうぞ⇒それってやばくない?~ベルラン(逆さ言葉)について

borne  (複数で)物ごとの限界、限度
dépasser / transgresser les bornes ~の限度を越える

きょうの文法:条件法現在

条件法現在は「もしこうだったら、こうなるかもしれない」という言い方。今の現実とは異なる条件を仮定します。「もし~なら」と仮定する部分は直接法半過去を使います。

条件法現在の動詞は語幹(直接法単純未来)+語尾(直接法半過去)

基本的な例文
Si j’avais plus d’argent, j’achèterais cette maison.
もしもっとお金があれば、あの家を買うのに。

S’il faisait beau, on pourrait voir clairement le mont Fuji d’ici.
もし晴れていたらここからはっきり富士山が見えるのだけど。

依頼するときよく使う Je voudrais は 条件法です。

Je voudrais vous poser une question.
質問させていただきたいのですが。

予告編に出てきた条件法現在
si seulement tu pouvais écrire des choses aussi intéressantes sur ta feuille que sur ton bras, ce serait extraordinaire.
もし君が、腕でなくノートにそういうおもしろいことを書けさえすれば、それはすばらいいだろうに。

pouvais < pouvoir の半過去形
serait < être の条件法現在



『パリ20区、僕たちのクラス』今回のお話

前回の続きで教室でのフランソワ先生と生徒のやりとり。問題児ばかりのクラスですが、生徒は馬鹿ではないということがわかります。なかなか生意気です。

詳しくは前回の記事をごらんください⇒『パリ20区、僕たちのクラス』で接続法半過去を学ぶ:予告編のフランス語(1)

この続きはこちら⇒中学校の先生は激務。『パリ20区、僕たちのクラス』の予告編(3)


条件法現在って難しいですね。なぜなら、仮定する部分と、メインの部分の2つの動詞の時制が違い、それぞれふさわしい形に活用させなければならないからです。

動詞1つだけでも大変なのに。

しかも半過去と、条件法で混乱するし。

自分が使っている英語を考えてみても、仮定法ってめったに使いません。使うのは、「もし私があなたなら、そんなことはしない」というパターンのみ。まあ、使わないなら使わないで生きていけますが。






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