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フランス発のテーマパーク、ミラポリスはなぜ失敗したのか? 

フランスではじめて作られたテーマパーク、Mirapolis(ミラポリス)に関する3分の動画を紹介します。

ミラポリスは、文学をテーマに、子どもも大人も楽しめる夢の国として誕生しましたが、営業成績が悪く、5年足らずで閉園しました。

ミラポリスの大失敗

3分10秒、フランス語の字幕あり。

トランスクリプション

Mirapolis: pourquoi le premier parc d’attractions français a-t-il été un immense flop?

Avant Mickey et Astérix, il y avait Gargantua. L’idée de ce premier parc à thème a germé dans l’esprit de l’architecte Anne Fourcade après une visite à Disneyland, en Californie.

ANNE FOURCADE (Architecte de Mirapolis): “Tous les visiteurs, petits et grands, vont pouvoir rêver, jouer, voir le fantastique, et surtout, avec les techniques nouvelles de communication, donner à tous ces visiteurs un espace de rencontre et de fête.”

Elle se lance dans la conception d’un parc consacré à la littérature française, et le fait financer par un milliardaire saoudien.

Un tour de manège avant de pénétrer dans le monde féerique de Dame Tartine, le royaume des enfants.

Ici, les animaux racontent la création du monde en musique et en chansons, avec des jeux de lumière et des lasers.

Le lancement est prévu pour 1987 à Cergy-Pontoise, mais rien ne se passe comme prévu.

Des problèmes de conception et de gestion se doublent d’une bonne dose de malchance.

La météo catastrophique plombe les premiers mois d’activité, et une proposition de loi visant à abaisser la TVA des parcs de loisirs provoque la colère des forains.

Ils sont plus de 200 à se présenter à Mirapolis le jour de l’ouverture. Armés de barres de fer, ils protestent violemment contre une concurrence qu’ils jugent déloyale.

Le choix du thème est loin de faire l’unanimité. D’Alexandre Dumas à Chrétien de Troyes, en passant par Dame Tartine et la légende de la ville d’Ys, les références sont peu connues du grand public, en particulier des touristes étrangers.

Le terrain aplani souligne les distances à parcourir, et le manque de végétation dû à la construction rapide du parc lui confère une allure de terrain vague.

MARCEL CAMPION (Propriétaire de Mirapolis): “Ça a été conçu comme un parc à l’américaine, comme si on se trouvait en Floride. Bon, il faut savoir qu’en région parisienne, c’est pas du tout le même climat. En Floride, on peut ouvrir toute l’année, 365 jours par an. c’est important de travailler 365 jours par an, en France, dans la banlieue parisienne, c’est 160 jours d’ouverture.”

On attendait deux millions de visiteurs, ils seront moins de 600 000 à venir la première année.

MARCEL CAMPION (Propriétaire de Mirapolis): “On attendait l’Europe à Mirapolis, à Cergy-Pontoise, et je crois que là aussi, il y a eu une erreur, c’est que finalement, c’est un parc régional, il répond à une demande de la région. Mais la région, c’est 400 000 visiteurs, et non pas 2 millions.”

La deuxième année, la gestion est confiée au Club Med, qui mise sur les célébrités. Johnny inaugure le Miralooping, le plus grand rollercoaster d’Europe.

JOHNNY HALLYDAY: “Je crois que celui-ci doit être plus impressionnant que celui de Belgique Mountain, parce qu’il y a plus de loopings à la fin.”

Une musique est composée en l’honneur du parc par Carlos, qui s’y produit ensuite toutes les semaines.

“Quinze dindons
Vingt canards
Cent pigeons
Tous les jours de la semaine
Ça recommencera
C’est comme ça que sont les repas de Gargantua !”

Mais le grand nombre d’attractions est un gouffre financier en termes d’entretien, et elles ferment les unes après les autres.

Ne pouvant pas faire face à la concurrence nouvelle d’Astérix et à l’ouverture prochaine d’Euro Disney, Mirapolis ferme ses portes après cinq saisons, le 20 octobre 1991.

◆トランスクリプションの引用元はこちら⇒Mirapolis, le fiasco du premier parc d'attractions français : French Reading practice – Kwiziq French

ミラポリス:和訳

ミラポリス:なぜフランスの最初の遊園地は大失敗に終わったのか?

ミッキーやアステリックスの前に、ガルガンチュアがいました。フランス初のテーマパークというアイデアは、建築家アンヌ・フルカッドがカリフォルニアのディズニーランドを訪れた後に生まれました。

アンヌ・フルカッド(ミラポリスの建築家):

「来場者は子供も大人も、夢を見ること、遊ぶこと、幻想的なものを見ることができます。そして何より、新しいコミュニケーション技術によって、すべての来場者に出会いとお祭りの空間を提供することができるのです。」

彼女はフランス文学に捧げられた遊園地の設計に取りかかり、サウジアラビアの大富豪の資金を使いました。

子どものおとぎの国「タルティーヌ夫人の世界」に入る前に、回転木馬に一回乗ります。

ここでは、動物たちが音楽と歌で世界の創造を語り、光やレーザーの演出もあります。

開園は1987年、セルジー=ポントワーズで予定されていましたが、計画通りには何も進みませんでした。

設計や運営の問題に加えて、不運も重なりました。

悲惨な天候が最初の数か月の営業を台無しにし、さらに遊園地の消費税を引き下げようとする法案が提出され、移動遊園地の興行師たちの怒りを買いました。

開園の日には200人以上がミラポリスに押しかけ、鉄の棒を手に不公平な競争だと激しく抗議しました。

テーマの選択も万人に受け入れるにはほど遠いものでした。アレクサンドル・デュマからトロワのクレチアン、タルティーヌ夫人、そしてイースの街の伝説まで、取り上げられた題材は一般大衆にはあまり知られておらず、特に外国人観光客にはなじみがありませんでした。

平らにならされた土地は移動距離の長さを強調し、急ピッチの建設で緑が足りず、荒れ地のような見た目になりました。

マルセル・カンピオン(ミラポリスのオーナー):
「アメリカ風のパークとして設計されたんです。まるでフロリダにいるかのようにね。でもパリ近郊の気候はまったく違うんですよ。フロリダでは、1年365日ずっとオープンできます。年に365日営業することが重要なんですが、フランスでは、パリ郊外では年に160日しかできません。」

200万人の来場を期待していましたが、初年度に訪れたのは60万人以下でした。

マルセル・カンピオン:
「ミラポリスにはヨーロッパ中から客が来ると思っていました、セルジー=ポントワーズにね。でもそこでも間違いがありました。結局ここはローカルなパークで、この地域の需要に応えるだけだったんです。でもその需要は200万人ではなく40万人だったわけです。」

2年目には経営がクラブ・メッドに委ねられ、彼らは有名人に頼りました。ジョニーがヨーロッパ最大のジェットコースター「ミラルーピング」の開業式に参加しました。

ジョニー・アリデー:
「これはベルギー・マウンテンのものよりずっと迫力があると思います。最後の方にもっとループがありますから。」

歌手カルロスが遊園地のために曲を作り、毎週ここで公演しました。

七面鳥15羽
アヒル20羽
ハト100羽
週の毎日
また繰り返される
それがガルガンチュアの食事なのさ!

しかし、アトラクションの数が多すぎて、維持費の面で財政的な負担となり、次々と閉鎖されていきました。 アステリックス(パーク)との新たな競争や、間もなく開業するユーロ・ディズニーに対抗できず、ミラポリスは5シーズンの営業を経て、1991年10月20日に閉園しました。

単語メモ

forain:大道芸人、露天商、ここでは移動式遊園地・縁日を運営する人

déloyale:不正な、不公正な

aplani:平らにされた、平坦にされた(aplanir=平らにする)

conférer à qn qc: ~に~を与える

allure:外見、様子、雰囲気(文脈により「歩く速さ」の意味も)

confier:任せる、委託する

mettre sur:~に賭ける、~に重点を置く

looping:ループ(ジェットコースターや飛行機の宙返りのこと)

gouffre:大きな穴、深い谷 → 比喩で「大きな損失」「金食い虫」

en termes de:~の点で、~に関して(ex. en termes de coût=費用の点で)

se doubler de:~がさらに加わる(ex. Un problème se double d’un autre. ある問題にさらに別の問題が重なる)

plomber:鉛で重くする → 比喩で台無しにする、気分を暗くする(ex. La pluie a plombé la fête. 「雨でお祭りが台無しになった」)

viser à :~することを目的とする(ex. Une loi visant à protéger les enfants. 子どもを守ることを目的とした法律)

être loin de + 不定法/名詞:決して~ではない(ex. Il est loin d’être parfait. 彼は決して完璧ではない)

固有名詞メモ

Mirapolis(ミラポリス):1987年にパリ郊外セルジー=ポントワーズに開園した、フランス初のテーマパーク。1991年に閉園。

Gargantua(ガルガンチュア):16世紀の作家ラブレーの小説に登場する巨人。大食漢として有名。パークのシンボルだった。

Anne Fourcade(アンヌ・フルカッド):ミラポリスの建築家。ディズニーランドに影響を受けてパークの構想を立てた。

Disneyland(ディズニーランド):アメリカ・カリフォルニア州アナハイムにある世界初のディズニーパーク。1955年開園。

Astérix(アステリックス):フランスの人気漫画『アステリックス』のキャラクター。のちにテーマパーク「パルク・アステリックス」が1990年代に開園。

Cergy-Pontoise(セルジー=ポントワーズ):ミラポリスが建設された場所。フランス政府が1960年代に進めた「新都市(villes nouvelles)」計画の一つで、パリの人口集中を緩和するために開発された郊外都市。パリから約30kmの場所にあり、住宅地・大学・企業などが集まっている。

Dame Tartine(タルティーヌ夫人):フランスの童謡に出てくる架空の人物。子どもの世界を象徴する存在として登場。

Ville d’Ys(イースの都):ブルターニュ地方の伝説に登場する海に沈んだ幻の都市。

Chrétien de Troyes(トロワのクレチアン):12世紀のフランス詩人。円卓の騎士やアーサー王物語の作者として知られる。

Alexandre Dumas(アレクサンドル・デュマ):19世紀フランスの小説家。代表作に『三銃士』『モンテ・クリスト伯』。

Marcel Campion(マルセル・カンピオン):フランスの興行師で、ミラポリスのオーナーの一人。

Club Med(クラブ・メッド):フランス発祥のリゾート運営会社。1988年からミラポリスの経営に関わった。

Johnny Hallyday(ジョニー・アリデー):フランスの国民的歌手・俳優。ミラルーピングの開業式に参加した。

Carlos(カルロス):フランスの歌手・タレント。パークのテーマソングを作り、定期的に公演した。

Euro Disney(ユーロディズニー):現在のディズニーランド・パリ。1992年に開園し、ミラポリス閉園の要因のひとつになった。

こうしてみてみると、フランス人でも学校で習わなければ知らない、ニッチな題材が多いですね。これでは、外国人旅行者にはちんぷんかんぷんでしょう。

TVAは、Taxe sur la Valeur Ajoutéeで付加価値税。日本の消費税にあたるもの。

ミラポリスが開園したときに抗議したのは、大規模テーマパークに対して「不公平だ」と感じた移動遊園地の経営者たちです。

彼らは観覧車やメリーゴーランドなどを持ち運んで地方を回る商売をしており、テーマパークに比べて税率が安かったのですが、大型遊園地と同じ税率になるのは不公平だと感じました。

きょうのプチ文法:倒置で作る疑問文

「はい/いいえ」で答える疑問文を作るとき、主語と動詞を倒置する形があります。これは、Est-ce que … ?よりフォーマルな形で、ニュースや記事、書き言葉でよく使われます。

本文の例:
Pourquoi le premier parc d’attractions français a-t-il été un immense flop ?
(なぜフランス初の遊園地は大失敗に終わったのでしょうか?)

◆倒置するときのポイント

主語が 代名詞(il, elle, on, vous など) のときは、そのまま動詞とひっくり返します。
 例:Avez-vous compris ?(わかりましたか?)

主語が 名詞(固有名詞を含む) のときは、名詞をそのまま前に置き、動詞のあとに 代名詞で受け直す必要があります。
 例:Où Marie est-elle née ?(マリーはどこで生まれましたか?)

本文でも、
le premier parc d’attractions français(主語)を置き、そのあとで il を入れて「受け直す」形になっています。

◆発音の注意

動詞が母音で終わり、主語が il / elle / on の場合は、動詞と主語の間に-t- を入れます。(母音の衝突を避けるため)
 例:a-t-il, est-elle

テーマパーク・関連動画

遊園地で導入が進む有料の「待ち時間短縮パス」のニュースクリップです。
3分42秒。

内容をまとめると:

・待ち時間回避の有料サービス
パークでは1時間以上並ぶことも多いが、追加料金で購入できる「パス・クープフィル(un pass coupe-file 優先入場券)」を使えば行列を避けられる。

・料金体系と仕組み
例:プ・デュ・フでは「パス・エモーション」が49ユーロ(当日)/28ユーロ(事前)で、入場料に加算される。このパスがあれば専用レーンを使える。

・利用者のニーズから生まれた
このサービスはパーク側の発案ではなく、客の「並ばずに安心して座席やアトラクションを確保したい」という要望から生まれた。

・家族利用のコストと利便性
たとえば7枚で196ユーロを支払った家族は「焦らず休憩しながら楽しめた」と満足。ただし10人分では490ユーロにもなり、家計には大きな負担である。

・各パークでの導入と収益性
パーク・アステリックスは15〜125ユーロ、ディズニーは90〜160ユーロ(繁忙期)と高額。小規模な地方パークでも導入され、2023年には25万ユーロの収益を上げており、少ない投資で利益が出る仕組みとなっている。

最近、フランスでも夏はすごく暑いときがありますので、まともに列に並んでいると、熱中症になるかもしれないので、高くてもこうしたパスを使ったほうがいいですね。時間も節約できますし。

◆関連記事もどうぞ

遊園地に関係のある言葉:かわいいフランス語(127)

ウォルト・ディズニーを作った3つのもの。

******

ミラポリスは、フランス的オリジナリティを強く打ち出そうとして、マニアックになりすぎた結果、娯楽施設として失敗したと言えそうです。

計画段階で、誰も反対しなかったのでしょうか?






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コメント

  • コメント (1)

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    • malt
    • 2025年 8月 28日 11:02am

    ミラポリスというテーマパークがあったことを今回初めて知りました。
    マニアックになりすぎた故の失敗というのもフランスらしく感じました。(笑)

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