ファッショナブルな男性

フランス語を読む練習

アラン・ドロンのダーバンのCMでフランス語を学ぶ。

身近にある簡単なフランス語からフランス語の世界になじんでいくシリーズ。

今回は、1970年代にテレビでよく見かけた、レナウンのダーバンのCMに出てくるフランス語を紹介します。

CMに登場するのは、今年(2017年)デビュー60周年を迎え、「81歳で引退します」と語ったフランスの俳優アラン・ドロンです。



ダーバンのCM

CMは1分。フランス語は一番最後に出てきます。

D’urban, c’est l’élégance de l’homme moderne.

意味は「ダーバン、それは現代の男のエレガンスだ」

このフランス語を細かく見ていきましょう。たった1行ですがさまざまな文法項目が入っています。

D’urban ダーバン

1970年秋にレナウンから出たメンズファッションのブランドです。いまもあります。

このブランド名は、urban「都会の」という英語がベースだと思います。フランス語で「都会の」という意味の形容詞は、urbain, urbaine で発音は ユルバン、ユルバンヌです。

共に語源はラテン語の urbs (都市)です。

最初のD’は deのエリジオンだと思われます。

そこで、エリジオンの説明をします。

エリジオン(élision)とは?

この文章の中に、d’ c’ l’ とありますが、これがエリジオンです。

簡単に言うと、ce, de, je, la, le, のような語の直後に、母音で始まる単語がくると、母音の衝突を避けるために、前の語の母音が脱落することです。

落ちた音は ’ (アポストロフ)になります。

たとえば、フランス語を知らない日本人にもおなじみのフランス語、ジューテームにもエリジオンが入っています。

ジュテームのつづりは、Je t’aime.

t’aime の t’ がエリジオンが発生している部分です。

もしエリジオンしないと、te aime となります。

エリジオンする単語は決まっていて、必ずエリジオンすることになっています。

では、D’urban の D’ は何だろうと考えてみると、前置詞のdeか、否定の冠詞 de ぐらいしか思いつきません。

しかし、urban は形容詞だし、そもそも英語なので、エリジオンするなんておかしい、といえます。

英語の辞書にも de はのっていますが、「フランスの人などの姓の一部として使われ、本来は出生地を表す」と書かれています。

urbanに d’をつけてフランス語ふうにした日本語のブランド名だと言えるでしょう。

c’est それは~です

c’est = ce est  c’ もエリジオンです。 

est は être という動詞。

êtreはフランス語のbe動詞で、助動詞としても活躍するひじょうに重要な動詞の1つです。

ce は être の主語となり、2つ合わせて、「それは~です」と言い表すことができます。

他の例:C’est un crayon. それは鉛筆です。

l’élégance エレガンスというもの

l’élégance = la élégance の laがエリジオンしています。

la は 女性形の名詞につく定冠詞です。

ここでは、総称的に、~というもの という意味で使われていると思います。しかし、「~というもの」をいちいち訳すとくどいので、「エレガンス」だけでいいです。

他の例: J’aime la musique. 私は音楽が好きです。

élégance は 日本語にもなっていますね。

意味は、「優雅、優美、上品」。

an は、鼻母音で鼻に抜く音です。カタカナで書くと、どちらかというと「オン」に近いと思います。エレゴンス と聞こえますよね?

しかし、日本語では、an は 「アン」と書くことが多いようです。

France の an も同じ音なのですが、「フランス」と書きます。しかし、実際は、「フロンス」のほうが近いと思います。まあ、どのみちカタカナでは書き表せません。

音はこの動画で確認してください。

l’homme moderne

この l’ は 男性形の名詞につく、leのエリジオンです。

homme は「人間、人類、男」。ここでは男のことです。

フランス語では H はいついかなるときも発音しないため、「オム」です。「ホム」ではありません。

homme は洋服のブランド名によく登場します。コムデギャルソンオム(COMME des GARCONS HOMME)とか。 

コムデギャルソンは、「男の子のように」という意味なので、コムデギャルソンオムは、「男の子のようにの男版」となり、何もしらないフランス人が聞いたら違和感があるかもしれません。

homme の反対語は femme (ファム 女性) です。

l’homme moderne で 「現代的な男性、今風の男性」。

モダンも日本語になっていますが、英語の modern から来ています。

modern はラテン語の mode(modernus) が語源です。 mode(モード、モド)も日本語になっていますね。「ちょうどいま、最近の」という意味です。

フランス語では、moderne です。moderne は男性形も女性形も同じつづりです。

フランス語では形容詞はふつう名詞の後ろに来ます。

moderne の反対語は ancien「昔の」。アンシャン・レジーム(l’Ancien Régime)のアンシャンです。

de ~の

l’elegance と l’homme moderne のあいだにある de は前置詞で「~の」という意味です。

この de はふたつの名詞をつなげる働きをしており、ひじょうによく出てきます。

コムデギャルソン(COMME des GARCONS)の des は de の複数形です。

他の例: lumière de soleil 陽の光

これですべての単語の意味がわかりましたが、もう1つ、この文全体について説明しておきます。

最初に名詞が来る形

D’urban, c’est l’élégance de l’homme moderne. という文は
D’urban est l’élégance de l’homme moderne. とも言えます。

このCMでは、「ダーバン」を強調したいので、文頭に持ってきて、ce という代名詞で受けなおしています。「ダーバン、それって言うのはね」という感じです。

この形はよく見かけます。

フロベールの

Madame Bovary, c’est moi. 「ボヴァリー夫人、それは私だ」という文章も同じ形です。

Alain Delon  アラン・ドロン

アラン・ドロンのスペルもチェックしておきましょう。

フランス語で「アラン」という名前は Alain とつづります。 ai 2つセットで「ア」と発音します。

Delon もデロンではなくドロンです。この e は発音しない e です。



アラン・ドロンのプロフィール

アラン・ドロンは1935年11月8日、オー=ド=セーヌ県ソー生まれ。

幼いときに両親が離婚し、両親ともに再婚し、家庭の愛情をしっかり受けられなかったようです。

学校では問題行動が目立ち、退学になったりしています。14歳で学校をやめ、義理父の肉屋で働いたり、海軍に入ったりしました。

海軍でも素行がよくなかったので、21歳のとき追い出され、ウエイター、ポーター、セールスなどさまざまな仕事で食いつないでいました。

この頃、女優の ブリジット・オーベール(Brigitte Auber)と知り合い、一緒にカンヌ国際映画祭に行きました。

ブリジット・オーベールでは日本ではそんなに有名ではないですが、ヒッチコック監督の「泥棒成金 (To Catch a Thief)」(1955)に出演しています。

この映画の大部分は、カンヌやニースなど南フランスで撮影されました。

ドロンの話に戻ると、彼は若いときからすごくハンサムだったので、カンヌでデヴィッド・O・セルズニックの映画のキャスティングをしている人にスカウトされました。その後、スクリーンテストを受け、英語を習得することを条件に契約を持ちかけられます。

しかし、結局、その直後、フランスでイヴ・アレグレ監督と出会い、1957年にアレグレ監督の、Quand la femmes s’en mêle 「女が事件にからむ時」でスクリーンデビューしました。

1960年、ルネ・クレマン監督の「太陽がいっぱい」で主演して、これが大ヒットし、世界的なスターとなりました。

その後ずっと映画に出ていますが、全盛期は60年代~70年代だと思います。

アラン・ドロンは日本でとても人気がありました。

2017年の5月9日に、ドロンはこれから出る舞台と、2018年に公開されるパトリス・ルコント監督の作品を最後に、引退すると発表しました。

「太陽がいっぱい」の予告編はこちらの記事で紹介しています⇒歌と訳詞:秋のさなかに~マリー・ラフォレ

身近にあるフランス語、前の記事はこちら⇒ちあきなおみ「夜間飛行」に出てくるフランス語

アラン・ドロンのセリフを堪能できる歌はこちら⇒あまい囁き(Parole parole)、ダリダとアラン・ドロン(歌と訳詞)

私は10代のとき、「スクリーン」という映画雑誌をたまに買っていましたが、アラン・ドロンは、ずっと人気の男優第1位だったと思います。

個人的にはそんなにファンではありませんでしたが、映画はおもしろかったですね。やはり、フランスを代表する名俳優だと言えましょう。






ピックアップ記事

  1. 2018年版、フランス語と英語の勉強用カレンダーのご紹介。
  2. ぜんぶ無料:あなたのフランス語学習に役立つサイト16選
  3. 『星の王子さま』~お役立ちリンク集

関連記事

  1. ハンバーガー

    フランス語を読む練習

    ドリンクのおかわり飲み放題

    フランスの子ども新聞で、最近、あるチェーンレストランで始まった清涼飲料…

  2. ヘッドフォン

    フランス語を読む練習

    音週間~耳の健康に気をつけて

    こども新聞(JDE)から音週間に関する短い記事を読みました。音…

  3. Augustine

    フランス語を読む練習

    オーギュスティン(Augustine)~私の好きな絵本

    きょうは私の好きな絵本をご紹介します。実を言うと特に絵本が好き…

  4. バレンタインデー

    フランスの暦、年中行事

    バレンタインデーとその神秘~その6(終)いつもと何ら変わらないカップル

    きょうはバレンタインデーですね。相手のいる人、いない人がそれぞ…

  5. ミーティング

    フランス語を読む練習

    この世でもっとも大変な仕事とは?~その2

    こんにちは。フランス語愛好家のpenです。おもしろビデオの続きです…

  6. アニメの女の子

    フランス語を読む練習

    初音ミクがパリでデビュー

    こども新聞の26日のニュースで初音ミクを取り上げていたので訳してみまし…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

お気に入りに登録してね♪

CTL+D でお気に入りに登録。

Feedlyで確実に更新をチェックしよう。

follow us in feedly

更新情報をメールで配信中

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

新しく書いた記事です。

  1. 愛の告白:フランス・ギャル(歌と訳詞)
  2. 60年代のアイドル、フランス・ギャル、70歳で亡くなる。
  3. ビットコイン入門。仮想通貨について何も知らない人のための記事…
  4. エピファニー(公現祭)とはどんな意味?
  5. フランスには国民の祝日が何日あるか? 祝祭日のまとめ。
  6. スワッガー(Swagger):予告編のフランス語
  7. フランス人の大晦日とお正月の過ごし方。
  8. イケア(Ikea)フランスの Place à la vie …
  9. メリー・クリスマス(ジョワイユー・ノエル):バルバラ(歌と訳…
  10. フランス風、ショコラショー(ホットチョコレート):フランスの…

おすすめ記事いろいろ

  1. 緑色の猫、その正体は?
  2. 『みにくいアヒルの子』第10回
  3. 「まいにちフランス語」44:L66 条件法現在 その2
  4. フランス語の達人になるために~その1
  5. かわいいフランス語、教えます~その5 パンとお菓子
  6. L17 フランス人はチーズが大好き
  7. 映画 Les Émotifs anonymes(匿名レンアイ…
  8. 1週間の始まりは月曜日:フランス語の暦(11)
  9. アントワーヌとコレット~入門日記第25回
  10. 【第26回】マヨネーズをフランス語で?

おすすめのまとめ記事

  1. かわいいフランス語、教えます~目次 その1
  2. ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その1(概要…
  3. フランス語入門日記~目次を作りました
  4. 「虎と小鳥のフランス日記」vol.4 第76話~第100話
  5. バレンタインデーとチョコレート関連記事の目次
  6. ファッション、モード、おしゃれに関する記事の目次(3)
  7. 『不思議の国のFrance』関連記事の 目次その3
  8. 動画教材『不思議の国のFrance』関連記事の 目次
  9. ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その2(1課…
  10. ファッション、モード、おしゃれに関する記事の目次(1)

フランス語の勉強法とか

  1. 2018年フランス語日めくりカレンダー
  2. 星の王子さまの本
  3. 黒板

お問い合わせはこちらから

お問い合わせはこちらからどうぞ

封筒
⇒お問い合わせフォームへ


お気軽に^^

☆和文仏訳、仏文和訳の無償サービスは行っておりませんので、ご了承願います。

アーカイブ

  1. ニース

    フランス探訪

    ニース~美しい海と山に恵まれた街
  2. 浅草

    フランス語でガイドする日本

    浅草の甘味処にて~日本の旅 #4(フランスダイレクト)
  3. 椿の花

    フランスの広告

    堀北真希「いち髪」CMのフランス語 その1
  4. ファッション

    帽子の選び方~あなたの顔にあったデザインは?前編
  5. 黄金のバーリー麦畑

    フレンチポップスの訳詞

    とどかぬ愛~ジョニー・アリディ(歌と訳詞)
PAGE TOP