バラの花

フレンチポップスの訳詞

あまい囁き(Parole parole)、ダリダとアラン・ドロン(歌と訳詞)

フレンチ・ポップスフランス語になじむシリーズ、今回は懐メロです。

ダリダ(Dalida 歌)とアラン・ドロン(Alain Delon セリフ)の甘い囁き(あまいささやき)Parole parole(パローレ、パローレ)の歌詞を訳してみましょう。

パローレ、パローレというサビの部分がひじょうに覚えやすく、日本でも大ヒットしました。

忘年会でフランス語で披露すると受けるんじゃないでしょうか?



あまい囁き(Parole parole)

「きみはなんて素敵なんだ、きみはいつまでも終わらない美しい愛の物語さ」と男性が言っているのに対して、女性は、「ほんと、男は口先だけ。いつも言葉だけ。いい加減だまらっしゃい」といなしている歌です。

両者のズレがきわだつ、ユーモラスな歌ですが、メロディラインは美しいですし、アラン・ドロンのセリフも素敵といえば素敵なので、ロマンチックな歌にも聞こえます。

歌詞はこんな感じ。

原題のparoles は言葉(たち)という意味です。フランス語では、parole(パロール)という発音ですが、この歌では、パローレとイタリア語ふうに発音しています。

もとがイタリア語の歌だからです。イタリア語のタイトルは、Parole parole です。paroles と書くと、イタリア語では「パローレス」となるらしいです(Googleによれば)。

それでは訳詞に挑戦! 青い部分がドロンのセリフです。

「あまい囁き」の訳詞

変だな
今夜はどうしちゃったんだろう
初めて君を見た気がする

またいつもの言葉ね
同じ言葉ばかり

君になんて言っていいのかもうわからない

言葉だけなんだから

きみは美しい愛の物語
決して読み終わることのない

スラスラと口から出て、すぐに消える言葉
それはとても素敵だったけど

きみは昨日、そして明日

できすぎてるわ

それはいつも僕のたった1つの真実

でも、もう終わりよ、夢の時間は
思い出も色あせるわ
それを忘れたときに

きみはバイオリンを奏でさせる風のようだ
バラの香りを遠くまで運んでいく

キャラメル、キャンディ、チョコレート
時々きみがわからなくなる
ありがとう、いらわないわ
ほかの人にあげなさいよ
風とバラの香りが好きな人に
甘さで包まれた愛の言葉は
口の中にとどまって、私の心までは届かないのよ
もう1度、たった一言でいいから

☆パローレ、パローレ、パローレ
聞いてくれ
パローレ、パローレ、パローレ
お願いだから
パローレ、パローレ、パローレ
誓うよ
パローレ、パローレ、パローレ、パローレ、パローレ
また言葉、あなたが風の中にまき散らす言葉
きみに話すのは僕の運命
初めてのときのように君に話すのが

また言葉、いつも言葉
同じ言葉ばかり
きみにわかってもらえさえしたら
言葉だけ
1度だけでも、聞いてくれたなら
魔法の言葉、駆け引きの言葉
嘘にしか聞こえない
きみは僕の禁じられた夢
そうよ、ひどい嘘なの
僕のたった1つの苦しみ、そしてたった1つの希望
話し始めると止まらないんだから
わかってくれればいいのに、どんなに私が
ちょっと黙ってほしいと願っているか
君は僕の唯一の音楽
砂丘の上で星々を躍らせた音楽

キャラメル、キャンディ、チョコレート
もしもう君が存在しないのなら、僕が作るよ
ありがとう、いらないわ
ほかの人にあげなさいよ
星と砂丘が好きな人に
甘さで包まれた愛の言葉は
口の中にとどまって、私の心までは届かないのよ
もう1度、一言を、たった一言でいいから

☆~☆繰り返し

なんて君は美しいんだ
パローレ、パローレ、パローレ
なんて君は美しいんだ
パローレ、パローレ、パローレ
なんて君は美しいんだ
パローレ、パローレ、パローレ
なんて君は美しいんだ
パローレ、パローレ、パローレ、パローレ、パローレ
また言葉、あなたが風の中にまき散らす言葉

単語メモ

rien que   ただ~だけ

se faner  しおれる、あせる、衰える

par moments  ときどき、時として

enrober de  ~で包む

tendre   柔らかい;優しい、愛情の深い
paroles tendres  愛情に満ちた言葉

se poser  置かれる、(視線が)注がれる

semer  (種などを)まく;まき散らす
semer son argent  金をばらまく

tactique  戦術の

défendu  禁じられた

espérance  希望、期待

dune  砂丘

fit < faire  直接法単純過去

文法メモ:いろいろな条件法

条件法を中心にチェックしました。文法に興味のある方はお読みください。

条件法現在の基本的な形

Si tu n’existais pas déjà, je t’inventerais もしきみがすでに存在していないのなら、僕が君を勝手に作り出すまでさ

条件法とは、現実ではない、こんな条件のときなら、こんなふうになる、と言いたいときに使う形です。

羽があったら空を飛ぶのに、とか、宝くじにあたったら、家を買うのに、といった例文がよく使われます。

現実には、羽はないし、宝くじにも当たっていない(宝くじを買ってすらいないことも多い)ので、これが現実に反する仮定となります。

つまり、羽がある、という条件をつけるわけです。この部分をフランス語では、半過去形の動詞を使って表します。

「現在のことだけど、現実に反する仮定の話ですよ」、という印として半過去形を使うのであり、過去の話をしているわけではありません。

「仮定の話なんだけどね」という印として、最初に si(もし)という単語がよくついています。

「si+半過去形」の部分で、現実に反する仮定を言ってから、その後、~するんだけどなあ、~になるんだけどなあ、と言うわけです。

教科書や参考書にのっているオーソドックスな形が、この「si+半過去形、~だろう」という形です。

条件法の動詞を使うのは後半の、「~するのに(でも現実にはできない)」「~なのに(でも現実はちがう)」という部分で、この部分を文法用語では帰結節(きけつせつ)と呼びます。

帰結とは、ある仮定、あるいは前提のうえで、生まれる結果のことです。仮定から導き出される結論とも言えます。

条件法の動詞を使うのは帰結節の部分です。「もし~だったら」と条件を提示する部分は条件節と呼ばれます。

条件法の帰結節だけの形

Comme j’aimerais que tu me comprennes  君がわかってくれさえしたらなあ~。

帰結節だけが単独で使われている形です。aimerais は aimerの条件法現在。(できることなら)君がわかってくれたらいいのに、と希望を表しています。最初のcommeは強調です。

このセリフには「◯◯だといいなあ」の◯◯部分に接続法が使われています。

comprennes は comprendre の接続法 aimer que (~であってほしい)のあとは、接続法の動詞が続きます。なので、Que tu m’écoutes au moins une fois も接続法です。

他の例文:Marie aime qu’on la flatte. マリはちやほやするされるのが好きだ。

条件節を単独で使う形

Si tu savais comme j’ai envie d’un peu de silence  どんなに少し黙れと私があなたに欲しているのか、あなたがわかってくれればいいのに。

savais は savoir の半過去形。この部分は、条件法の条件節(si+半過去形)を単独で使っていて、その人の願望や忠告を表しています。

意訳すれば、「アラン、いいかげん、ちょっと黙ってよ」となります。

☆条件法の基本はこちらで紹介⇒「まいにちフランス語」43:L65 条件法現在その1

単純未来形

Mais tu es cette belle histoire d’amour que je ne cesserai jamais de lire きみはこの美しい愛の物語、僕が決して読み尽きることのない

cesserai は cesser の単純未来形

que以下は、物語を説明する部分で、queは関係代名詞です⇒「まいにちフランス語」39:L61 関係代名詞 qui と que



「あまい囁き」オリジナル

オリジナルはイタリアの曲で、ミーナが歌い、アルベルト・ルーポという俳優がセリフを担当。

イタリア語を勉強している人のために、歌詞つきの動画を貼ります。

☆関連記事もどうぞ

ダリダの歌声はこちらでも紹介⇒ダリダの Le temps des fleurs (花の時代):歌と訳詞

ここにもあります⇒予告編のフランス語:『屋根裏部屋のマリアたち』(1) | フランス語の扉

こちらにもあります⇒ママは世界で1番美しい Maman la plus belle du Monde:歌と訳詞~最上級の復習に最適

アラン・ドロンについて⇒アラン・ドロンのダーバンのCMでフランス語を学ぶ。

よく考えてみると、ダリダの曲を訳したのは今回が初めてです。また、ぼちぼち訳していきますね。






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