船出

Pas à pas〜ころばぬ先のフランス語入門

「まいにちフランス語」33:L55 半過去

ラジオ講座の復習、きょうは55課の半過去(はんかこ)です。ラジオでの放送は8月19日の分です。

半過去はフランス語の過去時制の1つです。

半過去ってどういう意味?

「半分過去で、半分は現在なの?」

という疑問がわきますね。そう言えないこともないです。

久松先生によると「中途端な過去」とのこと。

「は?何が中途半端なの?」

フランス語的に「しっかり終わりきっていない過去」なのです。

よく「未完了」ということばで説明されます。フランス語で半過去はl’imparfaitです。imparfaitは「まだ終わっていない、未完成の」という意味。

もちろんそのできごとは過去のことなので、物理的には終わっています。

でもその過去のできごとを話している人の気持ち的には「今も続いている」あるいは、「今、その世界に入っている」というニュアンスが出せるのです。おもしろいですね。

では早速、復習しましょう。

半過去の形

複合過去は助動詞(avoir,être)と過去分詞を使いましたが、半過去は動詞を活用させます。

活用はワンパターンしかなく、すべての動詞に共通です。

まず、活用しない部分(語幹 ごかん)は、現在形のnousのときの活用からonsをとったものです。

例 danser (踊る)
復習のためにまず現在形の活用をすべて書いてみます。

je danse
tu danses
il danse
nous dansons *
vous dansez
ils dansent

dnsonsからonsを取ると、dans。これが半過去の活用のときの語幹となります。

半過去の活用
je dansais
tu dansais
il dansait
nous dansions
vous dansiez
ols dansaient

半過去の活用語尾 ⇒ ais-ais-ait-ions-iez-aient
読み方 ⇒ え、え、え、いおん、いえ、え
たとえば、dansais なら 「どんせ」

語幹はすべて上記のように作る(見つける)のですが、être だけ例外です。

être のnousの活用は、 nous sommes とonsがないので、上のルールでは作れません。そこで、êt という語幹が登場します。

j’étais
tu étais
il était
nous étions
vous étiez
ils étaient

半過去の活用部分(活用語尾)はほかの動詞と同じです。

●発音確認用
danser 半過去

être 半過去

半過去の用法

用法とはどんなときに使うのか、ということです。講座では三つにわけて説明されていました。

1. 過去の状況、人物の描写

(あの時)~だった

現在:Ma vie est excitante. 私の人生は刺激的だ。
半過去:À cette époque-là, ma vie était excitante. あの頃は、私の人生は刺激的だった。

※半過去のときはÀ cette époque-làのような、過去の時期を示す言葉といっしょに出てくることが多いです。

En ce temp-là, tu étais jeune.
あの頃きみは若かった。

2. 過去の行いの進行

(あの時)~していた
いわゆる「過去進行形」です。あの時、走っていた、食べていた、寝ていた、おぼれていたなどなど。

Elle dansait avec ses amis.
彼女は友達と踊っていた。

J’étais sous la douche.
私はシャワーをあびていた。

例文はともに、時を示す情報は入っていませんが、「~のとき」部分で複合過去が使われる例文を明日の講座に出てくると思います。

3. 過去の習慣、反復された行為

(あの時)~したものだ よく~していた

Il allait souvent chez son oncle.
(昔)彼はよくおじさんの家にいっていた(でも、今はそうではない)。

allait は aller の半過去
現在形nousの活用 allons ⇒ all+ait

Ju jouais du piano.
(以前)ピアノを弾いていました。

jouais < jouer

この用法でも「昔」とか「いつ、どんな時に」という時の情報が入ることが多いです。

基本のダイヤローグ

最後に、復習として基本のダイヤローグをチェックします。

Maman, je ne peux pas dormir. J’ai faim.
Il n’y avait pas assez à dîner ?

子ども:ママ、僕、眠れない。おなか、すいた。
ママ:晩ごはん、足りなかった?

Il n’y avait pas assez à dîner. を現在形にすると、

Il n’y a pas assez à dîner.
晩ご飯として食べるものが十分ない。

この文章の a(avoir)が半過去形になっています。ちょっと、難しげですね。

avoir の半過去もよく出てくるので、活用を書いておきます。
j’avais
tu avais
il avait
nous avions
vous aviez
ils avaient

参考)
Il y a assez à manger.
食べ物がたっぷりある。

Il n’y a rien à manger.
なんにも食べるものがない。

☆ラジオ講座関連記事目次はこちらから

ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その1(概要)

■1課~47課まで⇒ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その2

■48課以降⇒ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その3

いかがでしたか?きょうのところは、活用形を覚えるだけで大丈夫です。また、明日、半過去が出できますから。

さて、「教えてマダム」で、日本人とフランス人の雨に対するイメージの違いの話が出てきて興味深かったです。

それによると日本人にとって雨は、

詩、俳句で歌われているもの。お米の収穫に必要な「自然のめぐみ」。

フランス人にとっては、

灰色で、悲しいイメージ。すべてを台無しにするもの。

とのことでした。「すべてを台無しにする」というところで笑ってしまいました。大げさですよね?






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