ラジオ講座の復習の時間です。きょうは第60課、受動態(じゅどうたい)です。
実は、これまで見てきた文章はみんな能動態(のうどうたい)でした。
この2つの違いとは?
能動態と受動態の違い
能動態というのはその動作(動詞で表されてる行為)をする人を中心に考える文章です。
たとえば、
Pen mange le fromage.
penはチーズを食べる。
この文を見るとpenが口をあけている姿を思い浮かべると思います。
でも受動態はその動作を受けるものにフォーカスがあたっていて、それが主語になります。
Le fromage est mangé par Pen.
チーズはpenによって食べられる。
こちらは黄色いチーズの姿が思い浮かびませんか?
こういうのが受動態で、能動態であれば、動詞の目的語になっているチーズが文の主語になります。
受動態は動詞のところをちょっと操作して、「~される」という意味になるようにします。
ではラジオ講座の復習に入りましょう。
受動態の形
主語 + être +過去分詞+par[de]その動作をした人
能動態:Un ami invite Paul. 友達がポールを招待する。
受動態:Paul est invité par un ami. ポールは友達によって招待された。
★受動態の文になる動詞は他動詞(直接目的語をとる動詞)だけ。直接目的語が主語になります。
直接目的語はざっくり言うと「~を」にあたるものです。この「~を」を取る動詞じゃないと受け身の文章は作れないということです。
他動詞とは⇒「まいにちフランス語」31:L53 複合過去その2
直接目的語とは⇒「まいにちフランス語」24:L46 直接目的語になる代名詞
たとえば、「penは寝る」という文は目的語がないから、受け身の文章は作れないです。
être+過去分詞は、複合過去のときそうであったように、êtreは主語によって、活用し、過去分詞は主語と性数一致します⇒例文は複合過去の受動態のところで書きます。
par か de かはそれほど問題でもない
受動態の文は、その動作をした人や物の前にparかdeをつけます。
Le château est construit par la reine.
お城は女王によって作られた。
・・・ふつうはこのようにparを使います。
でも、その動作が「愛する」「知っている」など、感情を表していたり、継続的な状態を表していたら、deを使います。
Mère Tjeresa est aimée de tout le monde.
マザーテレサはみんなに愛されている。
フランス語脳プロジェクトの文法編では、
par⇒一時的な動作
de⇒継続的な動作
と習いました。
ラジオ講座では、「あまり厳密な区別はないので、原則parと覚えておけばよい」とのことです。私もそう思います。たとえ、ここで前置詞を間違えても通じると思うのですよね。
この前置詞より、その前の動詞部分をちゃんと受動態にできることのほうが重要だと思います。
受動態の複合過去
フランス語では現在形ではあまり受動態がでてきません。しかし、複合過去でよく出てきます。それは例文を見ればわかります。
受動態の複合過去は être+過去分詞 のêtreを複合過去にします。
être を複合過去にするときの助動詞はavoirを使います。
先にêtreの複合過去形を書いておきます。
j’ai été
tu as été
il a été
nous avons été
vous avez été
ils ont été
受動態の場合は、このあとに過去分詞が続くわけです。
例文~かっこの中は動詞の不定法
La pénicilline a été inventée par Fleming.
ペニシリンはフレミングによって発明されました。(inventer)
La Joconde a été peinte par Léonard De Vinci.
「モナリザの微笑み」はレオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれました。(peindre)
La Sorbonne a été fondée en 1253.
ソルボンヌ大学は1253年に創設されました。(fonder)
以上は、すべて主語が女性名詞なので、過去分詞にeがついています。
☆ラジオ講座関連記事目次はこちらから
■ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その1(概要)
■1課~47課まで⇒ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その2
■48課以降⇒ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その3
いかがでしたか?
受動態で出てくるパターンは決まっているので、いろんなフランス語を読んだり聞いたりしていればそのうち慣れてくると思います。
さて、きょうの講座は8月最後の講座で、残りはあと一ヶ月。今回は完走できるかも?
来週のラジオ講座の回をお楽しみに。
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