クロック・ムッシュとクロック・マダムの違いって知っていますか? よく似ていますが、ちょっと違います。
両方とも、サンドイッチをトーストしたものです。クロック・ムッシュ(croque-monsieur)に目玉焼きをのせると、クロック・マダム(croque-madame)になります。
クロックムッシュとクルックマダム
これはクロック・ムッシュ↓
クロック・ムッシュは日本語にもなっています。ドトールのメニューにありますね。
直訳:
croque は かりかりした ← croquer (かりかりとかむ)
monsieur は紳士
略して、croque とも呼ばれます。
ハムとチーズをはさんだパンをトーストしたサンドイッチで、パリのビストロやカフェの定番メニューです。
1910年代にパリのカフェに登場しました。1919年に書かれた、マルセル・プルーストの「失われた時を求めて 第2編」『花咲く乙女たちのかげに À l’ombre des jeunes filles en fleurs』にクロック・ムッシュが登場しています。
伝統的なクロックムッシュはフランイパンにバターをひいて、トースト(ソテー)します。そして、ベシャメルソースなどを塗って食します。
レシピにはいろんなバリエーションがあります。ハムをパンのあいだにはさむのは共通ですが、チーズに関しては、ライスチーズを挟むもの、シュレッドチーズ(ピザ用チーズみたいなの)をパンの上にのせてトーストするものがあります。
トーストの仕方も、今はオーブントースターを使うほうが多いようです。あるいは、専用のホットサンドを作る器械にばちっとはさんで焼きます。
クロック・マダム(croque-madame)はこのサンドイッチのバリエーションで、クロック・ムッシュに目玉焼きをのせたものです。
2つの違いを会話で紹介
「虎と小鳥のフランス日記」第92話では以下の会話でこの二つの違いが説明されていました。
ちょっとバックの音楽がうるさいですが・・・
22秒
– Alors, quelle est la différence entre un croque madame et un croque monsieur ?
– Alors, le croque madame, c’est le croque monsieur avec l’œuf au plat dessus.
ねえ、クロックマダムとクロックムッシュの違いは何?
えっと、クロックマダムはクロックムッシュに目玉焼きをのせたものだよ。
œuf au plat 目玉焼き
dessus 上に ⇔ dessous 下に
ムッシュでもマダムでも男性名詞です。
クロックムッシュは手づかみで食べられそうですが、目玉焼きをのせるとナイフとフォークを使うしかなさそうです。
クロックムッシュの作り方
クロック・ムッシュを作っている動画を3つご紹介します。
家庭で作るときは、食パン(pain de mie)を使うことが多いと思います。こちらはライ麦パン(pain de seigle)を使っていて、具も多いちょっとこじゃれたクロックムッシュです。ちょっとした会食によさそうです。
個人的には食パンで作るほうがおいしいと思います。この動画は、たくさんしゃべっているので、聞き取りの勉強になりそうだという理由から選びました。
100% recettes : Croque-monsieur 3分35秒
こちらはクロック・マダムです。英語です。
マダムのほうは目玉焼きが必要なので、このようにフライパンを使ったほうがいいですね。
1分9秒
こちらはパリで活躍する英国の料理研究家のレイチェル・クー(Rachel Khoo)のクロック・マダムのバリエーション
これはイギリスのBBC The Little Paris Kitchen というテレビシリーズの一つです。料理研究家なのでちょっとアレンジを加えています。私はシンプルなサンドイッチのほうが好きですが、この方の台所がかわいいと評判なのでご紹介します。
Croque Madame Muffins – Little Paris Kitchen – BBC
4分10秒
クロック・ムッシュはただのハムとチーズのサンドイッチですが、焼くとチーズがとろっととけてすごくおいしいです。手軽にできるし、具をふやせばボリュームもアップします。
これと似たようなので、グリルドチーズサンドイッチというものがあるのですが、これもおいしいですね。
古い食パンでもトーストサンドイッチにするとおいしさがアップします。
おやつ、夜食、ランチ・・・トースターオーブンがなければ、フライパンを使えばいいですし、簡単ですので、ぜひご自分で作って食べてみてくださいね。
こんにちは。はじめまして。
カフェでクロックマダムを食べ、はて、クロックムッシュとの違いは何だったけと調べてこちらに参りました。わかりやすい説明と動画の紹介をありがとうございます。
2009年から仏語を学んでいらっしゃるのですね。学習にはどうしても on/off が付きものかと思いますが、継続されているのは立派です。私は 2006 年から中国語に取り組んだのですが、2012年からお休み状態…。2014年になってから忘れる度合いが急になった気がします。
Shiraさん、はじめまして。
クロックマダムの記事がお役に立ちまして、よかったです。
中国語を6年も学ばれたんですね。私も昔、学校でマンダリンを2年やりましたけど、四声が、さっぱりわからず・・・。フランス語の動詞の活用より難しい気がします。
私の場合、かなりゆるゆるの継続なので、それほど立派でもありません。
英語圏に留学していきなり中国語というのもなかなかの体験でしたね。
フランス語は学習を始めたことがあったのですが、数ヶ月で挫折してしまいました。動機が弱かったですね(ヴォルテールやルソーが読めるかも、と考えました)。結局そうした古典は日本語でも読んでいません…。
声調は学習者によって敷居の高さが大きく異なるようですね。私の場合はごく自然に慣れてしまいました。英語で中国の地名や人名を取り扱うときに声調と切り離しづらくて困ります。習さんの Xi を下げ調子で読まれてしまうと
「ん? 細? それ誰?」
現象です(習は第2声)。
教材プロジェクト、はかどりますように。
Shiraさん、こんにちは。
再度のコメント、ありがとうございます。
声調って言うんですね。
私、耳が悪いのか、さっぱりわかりませんでした。
それにしても人名や地名って難しいですね。
メディア(国)によって、読み方が違うから。
教材プロジェクトは海外チームはけっこうはかどっているような。
最初からあまりこったことにチャレンジしていないので。