カザフスタンのカラチ村という小さな村で、住民が突然眠ってしまい、数日後にめざめるという不思議な病気が流行っています。
きょうはこのニュースをとりあげた子ども新聞記事をご紹介します。
タイトルは
Mystère : un village frappé par une maladie du sommeil
ミステリー:眠り病に見舞われた村
2月15日のニュースです。
眠り病に見舞われた村
Mystère : un village frappé par une maladie du sommeil
ミステリー:眠り病に見舞われた村
Dans un village du Kazakhstan (Europe de l’Est), des habitants s’endorment subitement pour plusieurs jours. La cause de cette maladie du sommeil n’a pas encore été trouvée.
カザフスタン(東ヨーロッパ)の村で、住民が突然何日も眠っています。この眠り病の原因はいまだにわかっていません。
9月、学校の初日に、8人の子どもが突然眠ってしまい、数日たってから起きました。
カザフスタンのカラチ村の100人以上の住民と同じように、この子どもたちもある種の眠り病にかかってしまったのです。
Un sommeil de 2 à 6 jours 2日から6日続く眠り
この説明のつかない減少が、2010年以来、この村におきています。突然、人々が深い眠りに落ちて、2日から6日たたないと、起きません。記憶喪失や幻覚という症状を伴うこともあります。
ある住人は乳搾りの最中に眠ってしまいました。また別の人はパソコンに向かっているときに眠りに落ちました。「後日気づいたら、病院のベッドにいました。妻と、義理の母に見守られて」と彼は言います。
検査の結果、医者は何の異常も発見できませんでした。
La vodka, le gaz, l’eau… ウォッカ、ガス、水
はじめは、不純なウォッカの濫用のせいではないかと思われていました。しかし、子どもたちもかかっているので、この仮説は退けられました。
次に、放射性金属の1つ、ウランの鉱山がそばにあるせいではないかと疑われました。ウランはラドンという麻酔に使われるガスを放出します。
しかし、専門家はラドンのせいではないと見ています。というのもラドンは数時間しか眠らせることができないからです。
では、水のせいでしょうか? 水を分析した結果、何もあやしいものは発見されませんでした。
不思議な眠り病は村全体でおきており、住民たちは不安でいっぱいです。多くの人たちが、ここにはとどまらないと語っています。
元記事 → www.jde.fr : Tous les articles : Mystère : un village frappé par une maladie du sommeil ☆記事が削除されたのでリンクをはずしました(2020/08/05)
単語メモ
subitement 突然に
toucher (被害などが)及ぶ
perte 失うこと 動詞は perdre
traire 乳をしぼる
traire (le lait d’) une vache 牛の乳をしぼる
frelaté 混ぜ物をした
écarter 遠ざける、取り除く
関連ニュースなど
この病気は2013年より出ています。ただ、あまりにも不思議なので、フランスのふつうのメディアはとりあげていなかったようです。
本当かどうかわからなかったからでしょうね。ところが、最近、報道が解禁(?)になったのか、いろいろなメディアでこの「眠り病」が話題になっています。
ルモンドのニュース⇒Kalachi, le mystère du village qui dort
カザフスタン共和国は鉱物資源に富む国で、1991年に独立するまでは、「カザフ・ソビエト社会主義共和国」でした。ここは、ソ連の核実験の中心地でもありました。
カラチ村はカザフスタンの田舎で、人口は600人あまり。
そばにあるウラン鉱山はソビエト時代のもので、1990年代に閉鎖されています。村ではごく微量のラドンが漂うこともあるそうですが、ウラン鉱山にもっと近い村では眠り病は起きていません。
患者のからだを調べても、何の異常もないので、原因は心理的なものではないか、という説もあります。
つまり、集団パニック、集団ヒステリーと呼ばれるものです。集団パニックとは、精神的な原因で起こる、身体的な症状が、その集団にいる人達に連鎖することです。
関連動画
この現象を取材したドキュメンタリーの予告編です。
こちらが本編。26分ありましが、興味のある方はどうぞごらんください。
突然眠りに落ちて、何日も起きない病気が流行っている小さな村。まるでスティーブン・キングの小説みたいですね。
本当に不思議です。
それでは、次回のニュースの記事をお楽しみに。
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