アントワーヌ・サン=テグジュペリの小説、「星の王子さま」をアニメ映画にした「星の王子さまと私」の予告編のフランス語を学習しています。今回は後編です。原題は Le Petit Prince です。
「星の王子さまと私」予告編(フランス語版)
ママが「友だち」とマグネットに書いて、ピタっとボードにはるところ、おもしろいですね。
映画の概要については前回の記事を参照してください⇒「リトルプリンス 星の王子さまと私」予告編のフランス語・前編
後編では、1分16秒あたりから最後まで一気にチェックします。
Tu as terminé tes devoirs de la journée ?
Pas tout à fait fini… Je me suis fait un ami.
Si tu étudies à fond et que tu te conformes rigoureusement à ton projet, tu pourras passer du temps avec ton nouvel ami…
l’été prochain.
きょうの宿題、終わったの?
全部は終わってない。友だちができたの。
しっかり勉強して、完璧に計画通りにやれたら、新しい友だちと遊んでもいいわよ、来年の夏にね。
Tiens, regarde ! Les étoiles se sont levées.
ほらごらん、星が出てきた。
Eh oh, viens jouer avec moi !
Je ne peux pas jouer avec toi. Je ne suis pas apprivoisé.
お~い、こっちに来て僕と遊ぼう。
きみとは遊べない。飼いならされていないから。
Et si tu m’apprivoises, nous aurons besoin l’un de l’autre. Tu seras pour moi unique au monde.
L’essentiel est invisible pour les yeux.
もしきみが僕を飼いならしてくれたら、僕たちはお互いが必要になる。きみは僕にとって世界でたった1人の人になる。 大切なものは目に見えない。
Lorsque le moment sera venu pour moi de m’en aller je devrais partir tout seul.
私が行かなければならないときが来たら、1人で行かないとだめなんだ。
Tu sais piloter un avion, toi ?
Accroche-toi !
飛行機の運転できる?
私につかまって!
Je crois que moi je n’ai plus trop envie de grandir.
Grandir c’est pas tellement ça le problème. Le problème, c’est d’oublier.
もうそんなに大人になりたくないわ。
大人になるのは別に問題じゃない。問題は忘れてしまうことだ。
Tu deviendras une adulte formidable.
きみは素晴らしい大人になるよ。
☆スクリプトはこちらを参照しました⇒Trailer: Le Petit Prince
原作はこちら。
単語メモ
tout à fait 完全に、まったく、すっかり
se faire un ami de qn ~と友だちになる = faire avec qn (話)
à fond 完全に、徹底的に
se conformer à ~に合わせて行動する
rigoureusement 厳密に、完全に、正確に
apprivoiser (動物)を飼いならす、慣らす
文法メモ:単純未来と前未来
後半には単純未来形がたくさん出てきたのでまとめておきます。
直接法単純未来
pourras pouvoir
aurons avoir
deviendras devenir
単純未来とは、その名のとおり未来のことを言い表すときに使います。
活用語尾日本の参考書だと
-rai
-ras
-ra
-rons
-rez
-ront
このように、avoirの現在形の活用にRをつけたもの、と説明していて、語幹は
-er jeの現在形の活用 chanterai
-ir 不定法から語尾のRをとる finirai
-re 不定法から語尾のREをとる prendrai
-oir 不定法から語尾のoirをとる devrai ※微妙な例外いろいろあり
と説明されます。
完全な例外でまず覚えたほうがいいのは、être, avoir, aller, faire, venir, pouvoir など。serai, aurai, irai, ferai, viendrai, pourrai
ですが、フランスの動画を見ていると、未来法の語幹はavoirの現在形と一緒だ、と説明しています。ER動詞の場合は、不定法にそのままavoir の現在形の活用をくっつければいいのです。そのほうが覚えやすいですよね?
その方式で説明している動画を2つ紹介します。
◆英語で説明
◆説明なし。動画のみ
Tu deviendras une adulte formidable. というセリフは予告編に2度出てきます。
2人称が主語の未来形は、「あなたはこんなふうになるんだよ」みたいな軽い命令形です。
最初はママのセリフで、「(しっかり勉強して)すばらしい大人になるのよ」、最後は飛行士のセリフで「(きみは子どものころのことを忘れない)すばらしい大人になるよ」。
同じセリフでも全く意味が違うのがおもしろいですね。
前未来
前未来(ぜんみらい)とは未来の前に来る未来です。
つまり、今よりは未来のことだけど、問題としている(基点となる)未来の前には終わったことを言い表す時制です。通常、基点となる未来は、時の副詞句や、単純未来の節などで示されています。
Lorsque le moment sera venu pour moi de m’en aller je devrais partir tout seul.
この文では、基点となるのは、自分が1人で発たなければならないその時です。旅立つ前に、行かなければならない時が来ます。
確かに順番としてはその通りですが、旅立つ時が来るのも、旅立つときも、ほとんど同時のせいか、英語では未来完了を使いません。日本語では両方現在時制を使うでしょう。
ですが、フランス語では、この形はほとんど決まり文句になっています。
devrais devoir の 条件法未来
前未来の活用は、助動詞の未来形+過去分詞です。
前未来の説明動画です。フランス語です。
助動詞のêtreをとるものは、いつもどおり、過去分詞の性数一致があります。
英語版の予告編
同じ予告編の英語版です。
「星の王子さま」が原作だからあたりまえですが、小説の名場面がたくさん出てきますね。「星の王子さま」ファンにおすすめの映画です。
この子はたまたま飛行士と出会ったおかげで、性格がまがらずにすみましたが、この出会いがなかったら、将来、大変なことが起きそうです。やはり子どもには、子どもらしい生活をさせてあげるのが一番ですね。
この記事へのコメントはありません。