2017年6月11日、6月18日にフランスの国民議会の選挙が行われ、新しい議員が選出されました。新しい国民議会の様子を伝えるフランスの子ども新聞、1jour1actu の記事を紹介します。
まず、国民議会について簡単に説明します。
国民議会とは?
国民議会(Assemblée nationale)はフランスにおける下院です。定数は577議席です。フランスは二院制で、上院は元老院(Sénat)です。 下院のほうが影響力があります。
左派でも右派でもないマクロン大統領は議会にほとんど基盤をもっていませんでしたが、選挙の直前に La République en marche (LREM 共和国前進)という政党を作り、各選挙区に候補者をたてました。
その結果、この「共和国前進」が308議席、そしてその仲間というか、協力政党の「民主運動」Mouvement démocrate(MoDem)が42席を獲得。大統領と考え方が同じ政党が、577議席のうちの350議席、60パーセントを占め、過半数を大きく越えました。
こうして始まった、国民議会はこれまでの国民議会とはいろいろな面で様変わりしています。それでは記事を訳します。
新しい国民議会はどんな感じ?
À quoi ressemble la nouvelle Assemblée nationale ?
日曜日に、国民議会の2回めの議員選挙が行われました。この選挙の結果、国民議会はこれまでより、よりフランス国民を代表する顔ぶれとなりました。それはどういう意味なのかというと?
エマニュエル・マクロンが大統領に選出されてから、1ヶ月後、フランス国民は、国民議会の議員を選出しました。5年間、国民議会議員は法案やフランスの予算について話し合います。
新しい議会の構成はとても変わりました。1jour1actuが説明します。
ほぼ革新された国民議会
日曜に国民が選出した577人のうち、ほとんどの人はこれまで議員経験がありません。再選出されたのは、157人の議員だけです。国民議会は、ほとんど生まれ変わったようなものです。
ほとんどの議員は、マクロン大統領の政党に所属しています。ですから、大統領とその政府の大臣にとっては仕事をやりやすくなっています。ほとんどの議員が政府の側だと、政府が提案する新しい措置が、議会で承認されやすいのです。
女性議員の増加
記録が生まれました。前の選挙では155人の女性が選出されたのに、今回は233人の女性議員が生まれました。こんなに多くの女性議員が議事堂に集まったことはこれまで1度もありません。議員のほぼ半分です。
新しい国民議会はフランス国民をより代表している顔ぶれといえます(フランスの住民の半分は女性です)。
若返り
新しい国民議会では若返りも起こりました。
議員の平均年齢が54歳から49歳になりました。ほとんどの年齢層のフランス国民を代表した形といえます。もちろん子どもは除きます。議員になるためには成年に達している必要がありますから。
どんな感じなのか、わかってもらうために言いますと、最年少の議員は23歳、最年長は79歳です。
活性化
前回の国民議会と違い、新しい国民議会には政治が本職じゃない人がたくさんいます。市民社会を代表しているといえます。新議員たちは、政治家ではなく教員やエンジニア、会社の社長などです。
こうした新議員たちは、とても重要な役割をになっています。
彼らは急いで仕事を学ばなければなりません。今週、議員たちは初めてパレ・ブルボンに足を踏み入れます。そして、« la mallette du député »(議員バッグ)を受け取ります。これは、今後5年間、国民議会の議員である象徴です。
元記事 → À quoi ressemble la nouvelle Assemblée nationale ?
単語メモ
Assemblée nationale 国民議会
député 国民議会の議員
hémicycle 半円形会議場 ここでは国民議会の議事堂(国会議事堂)のこと。
majeur 成年・成人に達した
Palais Bourbon パレ・ブルボン宮、国会議事堂のこと。
la mallette du député 国民議会の議員が初日にもらうバッグ。中には、国民議会の規則を書いた本、トリコロールカラーのライン入りのたすき、バッジ、標章などが入っています。
malette は手提げかばん、アタッシュケースのことです。
どんなバックかは、次に紹介するニュースをごらんください。最後に出てきます。
関連動画
初めて国民議会に向かう議員を取材したニュースです。
こちらは、国民議会について説明するアニメーション。1分です。絵はかわいくありませんが、フランス語の字幕が出るのでわかりやすいです。
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ニュースに出てきた Sylvain Maillardさんは、初めて議員になったのですが、経歴を見ると、区会議員のような仕事はしています。国民議会の議員経験のない人が、420人選出されましたが、議員経験がないといっても、政治に興味のある人たちばかりのはずです。
一応選挙で当選していますから。
フランス国民は、既成の政党の議員にはあまり期待していないので、マクロン大統領の LREM(共和国前進)の議員たちが多数当選したのでしょうね。
それにしても女性議員の数が多いですね。日本ではちょっと考えられません。
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