1960年代から70年代にかけて活躍したフランスの男性シンガー、クロード・フランソワ(Claude François)のLe lundi au soleil(邦題:陽のあたる月曜日)を紹介します。
サビの部分は楽しそうに踊りながら歌っていますが、内容は、「月曜日は太陽が輝く野原で恋人と過ごしたり、のんびりしたいのに、仕事しなくちゃならない。外はどんなにか気持ちいいだろう」というものです。
陽のあたる月曜日
1972年に発売され大ヒットしました。同名のアルバムに入っています。
作曲は、シンガーソングライターのPatrick Juvet(パトリック・ジュベ)。作詞は Frank Thomas とJean-Michel Rivat。
それでは訳します。単語も文法もそんなに難しくありません。
Le lundi au soleil(天気のいい月曜日)
もう8時だ
僕たちはやさしくキスをする
タクシーが君を連れ去る
君は行ってしまう、僕のいとしの人
大勢の人混みの中へ
理想の日なのに
森の中を散歩するのに
そっちのほうがふつうだよ
横になりにいくのが
2人だけでエニシダの中で
☆天気のいい月曜日
それは僕たちには決してかなわないもの
いつも月曜は同じ
窓ガラスの内側で
働いているとき、外は青空
街角にいればどんなにかいい気分だろう
天気のいい月曜日☆
★天気のいい月曜日
愛し合って過ごせるのに
天気のいい月曜日
干し草の匂いに包まれているほうが気分がいいのに
ぶどうをつんでいるほうがいいのに
それとも、何もやらないでおくか
天気のいい月曜日★
君、君は反対側にいる
この街の
そこでは、いつも同じように
最後の時間が
いちばんつらい
君の愛が必要だ
そして、遠ざかっていく人混みの中に
君の姿を見るんだ、君は僕に微笑みかける
店のネオンが
全部ついて
もう夜だよ
☆~☆繰り返し
★~★繰り返し
単語メモ
embrasser キスをする
emporter ~を運び去る
milliers 多数
genêt エニシダの類の低木の総称(トップの画像はエニシダの一種です)
carreau 窓ガラス
foin まぐさ、干し草
cueillir (果実、花などを)摘む
mon cœur (私のハート)は恋人に対する呼びかけです。
ほかにこんな呼びかけがあります⇒かわいいフランス語、教えます~その11 愛をこめた呼びかけ
文法メモ
nousの代用のon
onは「人々は」とう意味が有名ですが、日常会話ではよく、nousの代わりに「私たちは」という意味で使うことがあります。
この曲に出てくるonもそれです。
onは、tuやvous、je、ilsやellesの代用で使うこともあります。on frappe (誰かがドアをたたいている)というように、quelqu’un という意味でも使うし、どんな人称にも使えるというわけです。
条件法現在
trouverait, pourrait(pouvoir), serait(être), aimerait はみな条件法現在で、現在の事実に反する仮定です。「~なのに」という気持ちを表しています。
実際は、ビルの中で仕事をするのですが、外に出てこういうことができたらいいのに、と思っているのです。
Le lundi au soleil の英語バージョン
作曲したパトリック・ジュベが、この曲の英語バージョンを1973年に発売しました。
彼の有名なヒット曲、「Sonia(いとしのソニア)」のB面です。タイトルは I Will Be In L.A.
この曲は月曜日は関係なく、仕事が退屈だから、自分はカリフォルニアに行く、と歌っております。カリフォルニアの空は青いし、海も青いからです。
彼には恋人がいますが、その人は、この街(小さな街)を出たくないと思っているから、置いていくのだそうです。冷たいですね。
1977年に、クロード・フランソワ自身も英語バージョンを録音しています。
タイトルは Monday Morning Again。この曲では、休みの日は天気が悪いのに、仕事をする月曜日になると、外はとっても天気がいい、なんでなんだ、と歌っています。
☆lundiという単語について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ⇒1週間の始まりは月曜日:フランス語の暦(11)
☆この曲は、フランス人が選ぶクロクロの歌の第5位です。これはWikipediaにのっていたランキングです。
他の曲はこちらに書いています⇒『春は歌うよ』クロード・フランソワ 歌と訳詞 1 この記事には、クロード・フランソワのプロフィールも書いています。
クロクロの歌はほかにこんな曲を訳しています。
⇒クロード・フランソワの代表曲、いつものように/ マイウエイ(コム・ダビチュード)の訳詞。
⇒アレクサンドリ・アレクサンドラ~クロード・フランソワ(歌と訳詞)
この曲が入っている、Le Lundi au Soleil というアルバムに入っている曲は、いかにも70年代のポップスという感じがします。まったりできていい感じです。
機会があったら聞いてみてください。
ザ・スプリームス(The Supremes)の1966年のヒット曲、You Can’t Hurry Love(恋はあせらず)のフランス語のカバー曲、Une Fille Et Des Fleursも入っています。
「月曜日」はよくポップソングのテーマになっています。週のはじめで仕事に行きたくない人が多いからでしょうね。
家族が学校や仕事に行ってくれるので、私は週末より月曜のほうが好きですが。
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