先週から始まっている翻訳講座。訳すものは受講生さんの提案から三冊選ばれました。
こんな本を訳します
・一冊目は⇒翻訳講座:クレイセラピーについて教えてクレイ
・二冊目は⇒翻訳講座:二冊目はスイートなテーブルデコレーションの本
そして三冊目はこれ。
『フランスの最高の職人の最高のレシピ』
と訳せますでしょうか。
レシピ本なので、ジャンル的に二冊目のテーブルデコレーションの本と似てます。というのも、実は提案されたのは「フランスの最高の職人による最高のフラワーアレンジメントの本」だったはずなのです。
meilleurs ouvriers de France(フランスの最高の職人)シリーズとして、いろんなジャンルの職人芸が紹介されているので、何か手違いがあったようです。
この本をはたして訳す価値があるのかどうか、先生がパリ在住の受講生のマルコさま(プロのシェフ)に聞いてみる、ということでしたが、教材として採用されたました。
この本、ほかの二冊と大きな点がひとつあります。値段が倍ぐらいというのもありますが、なんと、Edition bilingue français-anglais 英仏バイリンガルの本なのです。
ということは英語がヒントになるわけですね。
のってる英訳が正しいとは限りませんが・・。しかし英語を見るのは最後の最後にすべきでしょう。
クラフティに関する記述を読みます
課題の文章にそえられている写真のタイトルはこうです。
Le clafoutis aux pommes caramélisées au beurre demi-sel et vanille préparée au guéridon
clafoutis クラフティ
pomme りんご
caramélisée キャラメリゼ
beurre demi-sel 有塩バター
vanille バニラ
guéridon 小卓
クラフティはお菓子の名前。平らなお皿(パイ皿とか)に果物を並べたところに、生地を流しこんで焼く、比較的お手軽なお菓子です。
フランスではさくらんぼのクラフティが有名です。流し込むのはクレープ生地、とよく書いてあります。ホットケーキの生地をもう少しゆるくしたものです。
できあがりは果物入りプリンみたいな感じです。私が作るときは、ですが・・・。
キャラメリゼは砂糖を焦がしたり、砂糖のシロップを煮詰めて飴色にすることです。材料(この場合はりんご)にからめたりします。あんまり焦がすと苦いです。
日本のキャラメルや、カルメラ焼と語源はいっしょです。
有塩バターは塩気のついているバター。demiといっても半分も塩が入っているわけではなく、1.5%から2%ぐらいです。一般に料理に使うバターは有塩ですが、お菓子作りには無塩バターがよく使われます。また、フランスの北部(ブルターニュあたり)は有塩、南部は無塩が好まれると聞いたことがあります。
無塩バターはbeurre douxです。
guéridon という単語はここで初めてみました。プチロワには「一本足の小型円卓」とあります。
17世紀の中頃フランスで生まれたろうそくや花瓶などちょっとしたものをのせるテーブルです。
こんな感じのです。
この単語、英語にもなっていて、リーダース英和をみたら《装飾の施された》小卓、脚台;17世紀の同名の笑劇中の人物から、とありました。
高級レストランで、給仕がお客さんのテーブルの横に置いて、カクテルを用意するときに使ったりするテーブルです。
ありふれたデザートのクラフティでも、フランスの職人さんのレシピはいろんな技が入っていそうです。
今週も訳すのが楽しみです。
英語を見るのはズルじゃないんですか?
レシピって、辞書で引いても何やらわからんハーブやら香辛料やらあって、
イメージわかない時ありますよね。
魚料理なんか、日本人としては、おいしくなさそうと思ったりして(笑)
翻訳でpenさんにかなう人は、おらんでしょう!
アンさん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
ずるでしょうかね、やっぱり。
確かに日本と外国では食材が違いますから、わからないときありますね。
あ、アンさん、何か大きな誤解をされていますね。
フランス語脳プロジェクトにはすごくレベルの高い方もたくさん見えるのですよ。
フランスの大学に留学した人とか(あ、これはアンさんもですが)、今留学しているとか、
何年か住んで勉強したとか、住んで3年以上たっている人とか、仏検1級やDELFのBだかなんだか目指している人とか、
本当にプロの翻訳家になるために勉強している人とか、すでにプロで、人にフランス語を教えている人とか・・
私は素人学習者なのですよ。