ボイコット(boycott)の語源や実例を教えてくれる1分36秒のインフォグラフィックス動画を紹介します。
TV5 Mondeが制作した動画です。
タイトルは、Ça veut dire quoi « boycotter » ? (boycotter はどんな意味)。
boycotterは、boycotの動詞形です。
ボイコット
1分36秒、フランス語の字幕あり。
トランスクリプション
Si monsieur Poubelle a donné son nom à l’objet qu’il venait d’inventer, monsieur Boycott a donné le sien à une pratique dont il a été la toute première victime.
Charles Cunningham Boycott est un riche propriétaire dans l’Angleterre du XIXe siècle.
Ses fermiers maltraités se révoltent et finissent par obtenir sa mise à l’écart.
L’affaire Boycott fait la une des journaux.
“Boycottage” devient un nom commun et désigne pour la première fois une pratique répandue pourtant depuis des siècles.
“Boycott”, que l’on traduit en bon français, par “mise à l’index”.
Boycotter, c’est donc pointer du doigt une entreprise ou un pays, un moyen de pression qui passe par le refus d’acheter certains produits ou bien de participer à un événement, comme, par exemple, appeler à ne plus consommer de la pâte à tartiner de la marque X, parce qu’elle détruit la forêt amazonienne.
Mettre à l’index, c’est aussi appeler à ne pas se rendre à une Coupe du monde de football Y, comme celle du Qatar, car le pays ne respecte pas les droits humains et environnementaux.
Un moyen de lutte aux motivations bien souvent politiques, comme l’ont fait au XIXe siècle les indépendantistes québécois face aux produits importés d’Angleterre, pour protester contre le joug anglais.
Ou bien, à partir de la fin des années 70, la mobilisation internationale face au régime raciste de l’apartheid en Afrique du Sud, y compris au sein des Nations unies, qui adoptaient une série de sanctions économiques.
Le boycott commercial entre nations est interdit par l’ONU car comparable à un embargo ou un blocus, autrement dit, similaire à un acte de guerre.
ボイコットの語源・和訳
プーベル氏が発明されたばかりの物の名前になったとすれば、ボイコット氏は、自分が最初の犠牲者になった行動の名前になったのです。
チャールズ・カニンガム・ボイコットは、19世紀イギリスの裕福な地主でした。
ひどい待遇を受けていた彼の農民たちは、反乱を起こし、彼を追い出してしまったのです。
このボイコット事件は新聞で話題になりました。
boycottage(ボイコットすること) は、普通名詞になり、このとき初めて、何世紀にも渡って行われてきた行動を意味する言葉になったのです。
boycott をうまいフランス語に訳すと、mise à l’index (ブラックリストにのせること) という言葉になります。
「ボイコットする」は、特定の企業や国に対して、特定の商品の購入や、あるイベントへの参加を拒否して、圧力をかける方法です。
たとえば、「Xブランドは、アマゾンの森林を破壊しているから、このブランドのペーストをはもう買わないようにしよう」と呼びかけること。
「ブラックリストにのせる」も、たとえば、カタールの大会のように、サッカーのワールドカップYに行かないよう呼びかけること。というのも、カタールが人権と環境を尊重しないからです。
ボイコットは、たいてい、政治的な動機に基づいて闘う手段の1つです。19世紀、ケベックの独立主義者たちが、イギリスからの輸入品に対して行ったように。彼らはイギリスの束縛に抗議したのです。
あるいは、1970年代の終わりに始まった、南アフリカのアパルトヘイトという人種差別政策をとる体制に対する国際的な動きもその一例です。一連の経済制裁を採択した国連も一緒になって行いました。
国家間の商業的なボイコット(貿易のボイコット)は、国連によって禁止されています。というのも、それは通商禁止や経済封鎖に比肩し得るからです。別の言葉で言えば、戦争行為に近いものなのです。
単語メモ
se mettre à l’écart 遠くに追いやる、排斥する
mettre qn/qc à l’index ~をブラックリストに載せる、危険視する、排除する
une pâte à tartiner ペースト、スプレッド
un joug くびき、束縛
comparable 比較し得る、比肩し得る
en embargo 通商禁止、輸出禁止
un blocus 包囲、封鎖
ボイコット・関連動画
■Les mots “boycott”, “frisbee” ou “poubelle” sont des noms de personnes.(boycott, frisbee, poubelle は人の名前)。
3分17秒。
antonomase は、辞書によれば、換称、代称で、普通名詞の代わりにその性質を代表する固有名詞、あるいはその逆の方法をとる修辞法。
■Qui a inventé la poubelle ? (ゴミ箱を発明したのは誰?)
1分30秒。
Poubell氏は、1884年にパリ市民にゴミ箱を使うよう命じたセーヌ県知事です。それまで、パリの街角はとても汚かったみたいです。
◯最初の動画で紹介されていた本はこれ。
おもしろそうですね。キンドル版があれば買うのに。
■関連記事もどうぞ⇒ワールドカップのカタール大会をボイコットする人たち。
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ボイコットは、フランス語っぽい響きですが、もとは英語です。
ジニアス英和大辞典には、boycott という単語の初出は1880年で、小作人から排斥されたアイルランドの土地管理人、Charles Boycott から、とあります。
ボイコットやプーベル、フリスビーが、人の名前だったなんて、きょう紹介した動画を見るまで全く知りませんでした。
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