病院の天井

フランス語を読む練習

安楽死の合法化の現状。

安楽死について1分40秒で簡単に説明しているインフォグラフィック動画を紹介します。

TV5 Monde がフランス語を勉強している人を念頭において制作したものなので、フランス語はわりと平易だと思います。

タイトルは、L’euthanasie est-elle légalisée dans tous les pays ?(安楽死はすべての国で合法か?)

L’euthanasie

1分39秒。フランス語の字幕あり。

トランスクリプション

Le terme “euthanasie” apparaît dans la Grèce antique. “Eu” se traduit par “bonne”, “thanatos” par mort : “la bonne mort”.
Une mort douce, qu’elle soit naturelle ou provoquée.

Il y a 2 400 ans, Hippocrate, dans son serment auquel chaque médecin se réfère, était résolument opposé à une mort médicalement assistée.

Depuis la nuit des temps, les débats sur la fin de vie sont systématiquement houleux, tant les questions soulevées sont sensibles.

Dans quels cas l’autoriser ?

Jusqu’à quel degré de souffrance doit-on maintenir un patient ?

Qui doit donner la mort ?

Les maladies mentales doivent-elles être prises en compte ?

Et peut-être la question la plus délicate : peut-on donner la mort à un enfant ?

De nos jours, l’aide active à mourir est légale dans 11 pays.

Dans la majorité d’entre eux, elle est pratiquée uniquement quand le pronostic vital est engagé à court terme.

Dans d’autres, il suffit que la souffrance physique ou mentale soit devenue insupportable.

La Belgique et les Pays-Bas ont été les premiers à légaliser l’euthanasie au début des années 2000, mais sous des conditions très strictes.

Dans la pratique, on injecte un sédatif qui provoque un coma.

Une autre injection arrête la respiration et le patient s’éteint.

En Suisse, on retient le terme de “suicide assisté”, où c’est le patient lui-même qui s’administre le produit mortel, sous la surveillance de médecins.

La Belgique, les Pays-Bas et la Colombie sont les seuls pays à l’autoriser pour les mineurs, là aussi, dans un cadre très strict et avec l’accord des parents.

Fin de vie, euthanasie, suicide assisté… Peu importe le terme employé.

Pour les partisans du droit à mourir, ce n’est pas une question de dignité mais de liberté.

安楽死・和訳

euthanasie (安楽死)という言葉は、古代ギリシャに登場します。

eu は、「良い」mthanatos は「死」と訳すことができ、「よい死」という意味です。それは安らかな死、自然によるものでも、誘導されたものでも。

2400年前、ヒポクラテスは、医者なら誰もが参照する「ヒポクラテスの誓い」で、はっきりと、医療が介助する死に反対しました。

大昔から、生の終わりに関する議論は、一貫して盛んでした。たくさんの繊細な問題をはらんでいますから。

どんな場合なら許可できるのか?

どの程度までの苦しみがある患者ならいいのか?

誰が手を下すべきか?

精神疾患も考慮に入れるべきか?

おそらくもっとも難しい質問は、子供を殺すことができるのか?

現在、死を手助けすることが法律で認められているのは11カ国です。

そのうちのほとんどの国が、生命の予後が短期間の場合のみ行われます。

ほかの国では、心身の苦痛が耐えられないときであればいいとしています。

ベルギーとオランダは、2000年代のはじめに、はじめて安楽死を合法化しました。しかし、その条件はとてもきびしいものです。

実際に行うときは、昏睡を引き起こす鎮静剤が打たれます。

そして、べつの注射で呼吸を止め、患者は亡くなります。

スイスでは、suicide assisté(自殺ほう助)という言葉を使っており、医者の監督のもと、患者自身が死に至る薬を自身に投与します。

ベルギー、オランダ、コロンビアだけが、未成年の安楽死を認めていますが、とても厳しい条件があり、両親の許可が必要です。

生の終わり、安楽死、自殺ほう助、呼び方は重要ではありません。

死ぬ権利を支持する人々にとって、それは尊厳の問題ではなく自由の問題なのです。

単語メモ

la nuit des temps  太古の時代、遠い過去

systématiquement   一貫して、徹底的に

houleux  どよめく、荒れる

un pronostic  予後、病状の見通し、(医者の)予後の判断力

un sédatif  鎮静剤

安楽死・関連動画

Histoire de comprendre : L’euthanasie (理解すべき問題:安楽死)

安楽死に関する説明とヨーロッパの現状を話しています。

1分54秒。

Euthanasie : Manon Bril raconte la fin de vie de sa mère(安楽死:マノン・ブリル、母親の最期について語る)

4分30秒。フランス語の字幕つき。

う~ん、マノンのお母さんは本当に苦しかったんですね。

■関連記事もどうぞ⇒Tout s’est bien passé(2021):予告編のフランス語

****

今年、映画監督のジャン・リュック・ゴダールがスイスでの安楽死を選んで話題になりましたが、フランスと違い、スイスでは安楽死が合法化されえちます。

でも、自分で注射を打つ必要があって、その力が残ってないとだめだそうです。

自分で自分を殺すのだから自殺ですよね。

そこに至るまでは、どの人も、すごく考えていると思うから、安楽死を、安易に責めることはできません。それに、どのように死ぬかは、どのように生きるかと同義なので、最期を自分自身で決めるのは、許されて然るべきだとも思います。

でも、ヒポクラテスが安楽死に反対する気持ちもわかります。医者は人の命を助けるのが仕事ですから。

ただ、ヒポクラテスの時代の人は、今の人のように長生きではなかったから、安楽死を望む人もそんなに多くはなかったでしょう。






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