スズランの花

フランスの暦、年中行事

5月1日、メーデー(労動祭)の由来は何?

5月1日は世界各地でメーデー(労動祭、または労働者の日)ですが、フランスも例外ではありません。

フランスのメーデー、Fête de travail ではどんなことが行われるのでしょうか?

この日の由来を説明しているFrenchPod101のカルチャーレッスンの動画(初心者向け)とPratiksの動画(中~上級者向け)を紹介します。

それそれスクリプトの和訳を書きました。



フランスの祝日:「労働者の日」とは?

5月1日は労働者の日

みなさん、こんにちは。イングリッドです。

諸外国と同様に、フランスでもメーデーのお祝いをします。5月1日はフランスでは唯一の有給にしなければならない祝日(法定有給休日)です。

バスもメトロも動いておらず、店もみんな閉まります。

病院など少数のどうしても必要な場所だけが開いています。

この祝日はFête du Travail (フェット ドゥ トラヴァイユ 労働者の日)です。

このレッスンでは、なぜこの日が「労働者の日」なのか、フランス人はこの日をどのように過ごすのか学びます。

[クイズタイム]

Savez-vous comment, autrefois, une jeune homme déclarait sa flamme à la fille qu’il aimait le jour du 1er mai ?

昔、5月1日に若い男性がどんなふうに意中の女性に愛を告白したか知っていますか?

動画の最後に答えをお伝えします。

メーデーの始まり

1889年の6月、パリで社会主義者の第二インターナショナルの集会が多なわれ、フランス革命100周年を祝いました。

この集会で5月1日は8時間労動制を勝ち取るために闘う日と決められました。

1886年、シカゴで行われた運動に敬意を表して5月1日が選ばれました。この日、シカゴで初めての労働組合と、ついで40万人の労働者が、8時間労動制を要求してストライキを行なったのです。

フランスで5月1日が有給の祝日になったのは1947年です。

レイモン・ラヴィーニュの提案で第二インターナショナルは、毎年5月1日に、労働時間を8時間とし働く時間を減らす要求をするためにデモをする日としました。

この要求が通ったあとも、労働者の権利のためにデモをする習慣が残りました。

それ以後、毎年5月1日にフランス全土で大規模なデモが行われます。もっとも大きなデモはパリのものです。

フランス人は通りを行進しながら抗議します。スローガンを叫びながら、政治的な主張を書いたプラカードを掲げます。

5月1日は「スズランの日」でもある

5月1日は「スズランの日」でもあります。この習慣は1561年にカトリーヌ・ド・メディシスによって始まりました。

彼女は息子である、若き王シャルル9世が10歳のとき、そばに仕えていた女性にスズランの花束を贈ったのです。

この習慣は、フランス人の間で続き、今日も尚、人々は5月1日にスズランを買い、親しい人にプレゼントします。

メーデーのデモに参加している人のラペルホールに、スズランの花が飾られているのを見かけることも珍しくありません。

[ファンファクト]

1958年にPremier mai(邦題:スズラン祭)というタイトルのフランス映画が公開されました。フランスの有名俳優であるイブ・モンタンが主役を演じました。

この映画は父と息子が普通ではないメーデーを送る様子を描いています。

では最初の質問の答えをお教えします。

スズランの花にまつわる習慣が生まれる前、5月の樹(l’Arbe de mai)という習わしがありました。

独身の若い男性は4月30日に森に集まり、木を切り倒し、自分が結婚したいと思う女性の家のドアに飾りました。

このレッスンはどうでしたか?何かおもしろいことを学びましたか?あなたの国でも労働者の日のお祝いがありますか?

デモをする日がありますか?

FrenchPod101.com にコメントを残してください。それでは、また。



単語メモ

flamme 熱意、恋心

IIème Internationale Socialiste 第二インターナショナル 社会主義者の組織

syndicat 労働組合

revendication (政治的、社会的な権利の)要求

boutonnière  ボタンホール、(紳士服の襟の)ラペルホール

intitulé ~と題された

tronçonner  ~を筒切りにする、玉切りにする

次はPratiksの動画です。

いかにしてメーデーは始まったのか?

この動画は、フランスにこだわらず、メーデーの歴史を詳しく紹介しています。

D’où vient la fête du travail ? 「労働者の日」はどこから生まれたのか?

5月1日は、労動祭です。働かない日、あるいはデモに行く日です。なぜ労動祭なのでしょうか?なぜ5月1日なのでしょう?その歴史を説明します。

フランスの労動祭は、フランス革命にさかのぼります。1793年、ファーブル・デグランティーヌが労働者の日を作りました。日付はプリュビオーズ(フランス革命暦5月)の1日で、今の暦では1月15日です。この労働者の日は数年しか続きませんでした。

オーストラリアからアメリカへ

現代の労働者の日が生まれたのはオースラリアです。1856年にオーストリアの労働者は8時間労動制を求めて、全く仕事をしない日を作りました。当時の労働者は1日10時間から12時間働いていたのです。この日は4月21日でしたが、成果があったので、翌年も行われました。

1886年、アメリカはオーストラリアをまねて、8時間労動制を勝ち取るためにデモをする日を作りました。5月1日は適当に選ばれたわけではありません。

たくさんのアメリカの会社は、5月1日に会計年度が始まります。だからこの日にデモをすれば、より効果的なのです。少数の労働者は満足していましたが、国中で340、000人の労働者がゼネストを始めました。

5月3日、シカゴで行われたデモでは抗議者のうち3人が亡くなりました。翌日のデモ中に事態は悪化し、爆弾によって7人の警察官が亡くなりました。

5人の無政府主義者の組合労働家が死刑を言い渡され、翌年の10月7日の金曜日に刑が執行されました。後になって彼らは無実で、政治家と警察の陰謀の犠牲者だと証明されました。

この日はアメリカ史では、「ブラックフライデー」と呼ばれています。

第二インターナショナルの決定

1889年、各国の労働者と政党から成る第二インターナショナルの400人の代表が、パリに集まり、世界的に仕事をしない日を作りました。

その日は、労働者を讃える日であり、同時に労働者の要求をする日です。最初の要求は8時間労動でした。

5月1日という日付は、シカゴでのできごとに敬意を表して選ばれました。1890年には、労働者の日は、大半の国でお祝いされるようになりました。

フランスでは、1919年の6月に、8時間労動の日が正式に導入されました。1920年、ロシアが初めてこの日を国の祝日にしました。祝日でしたが、無給の日です。

1933年、労働者の集まりで、ドイツのナチが労働者の日を、休みであり、かつ有給の日にしました。

1941年、ヴィシィー政権が、ドイツのやり方を取り入れ、正式に5月1日を労働者の日という祝日にしましたが、有給ではありませんでした。

1947年にフランスでも、解放軍の政府(la Libération)のもとで、労働者の日は祝日かつ有給の日と決められました。

今日では、労働者の日は、たくさんの国でお祝いされています。よい労働者の日を!



単語メモ

remonter さかのぼる

pluviose プリュビオーズ、雨月;フランス革命暦5月、現行の暦では1~2月。

instaurer ~を創始する、制定する

dégénérer  退廃する、衰える

syndicaliste 組合活動家

chômé (祝祭日などで勤労者が)仕事を休む、公休の

régime de Vichy ヴィシー体勢、第2次世界大戦中、ドイツに降伏したフランスで生まれた、親独政権(1940-1944)。中部フランスの街、ヴィシーに建てられた政府なので、ヴィシー政府と呼ばれます。

この政府はフランス各地でユダヤ人狩りをしました。

メーデーについては、以前、子ども新聞の記事も訳しています⇒メーデーの起源は?

要するに、労働者が自らの権利を求める活動が活発になった、19世紀の終わりは、5月1日にアメリカの多くの会社の会計年度が始まっていたので、この日にデモが行われるようになったわけです。

現在のアメリカの会社の会計年度は10月から9月のところが多いと思います。アメリカ政府の会計年度が10月から9月までだからです。

「スズランの日」の歴史についても合わせてお読みください⇒スズランの日(フランス)の起源

仕事が8時間、睡眠が8時間、余暇が8時間で24時間です。

日本では、8時間以上働いている労働者が多そうです。昔の人たちが、命がけで勝ち取った8時間なので、たまには8時間で仕事を終えたいものです。






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