ニース

フランス探訪

ニース~美しい海と山に恵まれた街

フランスのパリ以外の場所を紹介するシリーズ。

きょうはニース(Nice)です。

ニースはフランスの南東部、地中海に望む観光都市。コートダジュール海岸に面しています。

年間をとおして、温和な気候で、美しい山と海に恵まれ、世界的な観光保養地として知られていますね。

フランスではパリについて観光客の多い場所です。

ニースはこんなところ

まずはニースの有名な海をごらんください。

avant-goût は 前兆、予感、予想、予測 という意味。バカンスシーズンの最盛期前の初夏のニースでしょうか?

ニースの海岸は砂浜ではなく小石です。

ニースの所在地

子どもむけWikipédia であるVikidiaを読んでみます。

Nice, Nissa en niçois, est une commune française, située dans dans le département des Alpes-Maritimes, en région Provence-Alpes-Côte-d’Azur. Ses habitants sont appelés les Niçois. Au temps des Grecs, Nice était une colonie appelée Nikaia.

ニース(ニサール語でニサ)はフランスの都市。プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏のアルプ=マリティーム県にある。

住民はニソワーズと呼ばれる。

ギリシア時代、ニースはニカイアという植民地だった。

元記事 → Nice – Vikidia, l’encyclopédie des 8-13 ans

Nikaiaという名前は、ギリシャの勝利の女神の名前からつけられました。

ニースの歴史

フランスとイタリアの間で

ニースには40万年以上前から先住民がいました。海も山もあり暖かいので、人が住むには最適な場所だったのでしょうね。

ローマ時代には、交易港として繁栄。
9世紀にサラセン人から侵略され、のちに、プロヴァンス伯領に。

13世紀の終わりに北イタリアのサボイア公のもとで独立。
17世紀の終わりにまた、フランス領に。

ニースはイタリアの国境から30キロメートル、ジェノバからは200キロメートル離れているだけです。

ですから、長らくフランス領になったりイタリア領になったりと、戦争が続きました。

ニースを奪い合っていたのは、フランスとイタリアだけではなく、サラセン人やトルコ人など、ヨーロッパ人以外の侵略も受けています。

中世には大きな飢饉に何度か見舞われました。

今ののんびりした様子からはわからない、統治者がころころ変わる受難の時期があったのです。

ニースが最終的にフランスになったのは1861年。

その前年サルジニア王とナポレオン3世の間でニースをフランス領とすると協定が結ばれました。

サルジニアと書くとどこの人かわからないかもしれませんが、サルディーニャという、イタリア半島の西、コルシカ島の南にある、イタリア領土のことです。

世界有数の保養地に

ニースを今のような観光地にしたのはイギリス人です。

18世紀の半ばごろ、イギリスの貴族がニースは冬の保養地として最適であることを発見しました。

そして、今も、観光客が歩く散歩道である、プロムナード・デ・ザングレを建設。

プロムナード・デ・ザングレは、Promenade des Anglais 「イギリス人の散歩道」という意味です。

20世紀前半、ニースは特権階級の保養地として多いににぎわい、これまで見たことがないようなお金が入ってくる都市になりました。

第2次世界対戦後からは、お金持ちだけでなく、あらゆる階層の観光客の訪れる場所へ。

お金持ちはプライベートジェット機に乗って、バックパッカーはふつうの飛行機に乗って、この街を訪れるのです。

ニースの観光名所

ニースに観光客が多いのはバカンスの最盛期の夏ですが、通年であたたかいので冬場も大勢の観光客が訪れます。

こちらはSNCFの作った観光案内の動画です。
長袖を来ているので、秋から冬あたりでしょうか。海以外の観光名所が登場します。

動画に出てきた観光名所を簡単に紹介します。

コリーヌ・ドゥ・シャトー Parc de la colline du château

ニース市街と海が見渡せる城址公園。

12世紀に建てたれたお城を、1706年にルイ14世が取り壊した跡です。

旧市街地のサレイヤ広場 Saleya dans le vieux Nice

野菜、果物、花などが豊富に並ぶマルシェが出ます。骨董市や魚の市が出る日もあり。

ソカはニース名物
クレープみたいなものです。
詳しくは⇒ニースでソカを食べる~「虎と小鳥のフランス日記」第18話

花ズッキーニのフリット

メランダというレストランで作っているのは、fleur de courgette(花ズッキーニ、ズッキーニの花)のフリット(天ぷら)です。

油はオリーブオイルを使用。

ズッキーニの花が咲いている期間は短く、また花が開いているのは朝だけなので、そのあいだに収穫しなければならない貴重な食材です。

動画でベニエと言ってるのは、beignet で、衣揚げのこと。揚げ菓子という意味もあります。

近代・現代美術館 Musée d’art moderne et d’art contemporain

ニースには美術館やギャラリーが多いです。動画には出てきませんが、マティスやシャガールの美術館も有名です。

シャトー ドゥ クレマ Château de Crémat

1906年に建設されたワイナリー。

この場所はローマ時代にローマ人が、オリーブとぶどう栽培をするために、開拓した土地で、古くからワインが作られていました。

現在のお城の持ち主はオランダ人のワイン好きの方。

あまり知られていませんが、ニースにもベレ(Bellet)と呼ばれるワインがあります。

夏のニース

最後に夏のニースの様子を移した動画をご紹介します。

ニース関連記事もどうぞ
ニース・その1~「虎と小鳥のフランス日記」第17話

ニースのカーニバル「虎と小鳥のフランス日記」第41話

花ズッキーニの天ぷら、おいしそうですね。イタリアンレストランでは夏の定番メニューだそうです。

花は食べたことがありませんが、ズッキーニの実は輪切りにしてフライパンで焼くと甘みが出ておいしいです。

油はオリーブオイルを使います。

ズッキーニの実はたくさんできるらしく、以前、近所の人によくもらいました。

すりおろしてケーキの生地に入れてもいいです。

それでは、次回のフランス探訪の記事をお楽しみに。






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コメント

    • 樋沼達雄
    • 2014年 12月 30日 3:35pm

    VIKIDIA には書かれていませんが、Nikaia はギリシャ神話の Nike からつけられた名前で、アテネの随身で、勝利の女神と言われています。戦いがあった場合、勝ったほうにいち早く勝利を伝えるために翼を持っています。この翼を図案化したのがスポーツ・ウエヤー専門のNike (ナイキ)で、いつもいいところに目をつけなもんだなと感心しています。デザインとしても抜群ですね。ルーブルのサモトラケのニケはこの博物館の至宝のなかでも随一だと思います。

      • フランス語愛好家
      • 2014年 12月 31日 2:17pm

      樋沼さん、こんにちは。
      ほ~、ナイキの名前、勝利の女神から来ているのですね。
      勝利を知らせるために翼を持っているのですね。

      今、ナイキの靴を持っている娘に聞いたら、ヴィクトリーから来てると言っていたので、若者はみんな知っているのでしょうか。

      あのマークはデザインとして秀逸なのですね。
      私は、ダッシュするときにたつ土埃か何かかなと思っておりました。

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